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女性登用と性差問題

2014-10-20 09:07:07 | マスメディア
 安倍内閣では成長戦略のひとつとして女性の活用や女性役員・管理職の増加を目指しています。「20年までに指導的地位に女性が占める割合を30%にする」あるいは「上場企業では女性役員を1人以上置くことも目指す」ということです。5名の女性を閣僚にしたのもその範を示すためであったのでしょう。

 一方、ノルウェーでは03年に「割り当て制」を導入し、それまで6%だった企業における女性役員比率の目標値を、08年には40%に引き上げましたが、40%を達成した企業の株価は大幅に下がり、企業価値を評価する指数も女性役員比率が10%増加すると12%程度下落し、また目標値は上場企業を対象にしたものだったため、規制を逃れるために3割の上場企業が上場を廃止たという話があります。(ビジネスジャーナル14.04.29)

 女性役員比率の目標値を高く設定しすぎると資質に問題のある人までが登用され、機能低下を招く可能性があることを上の例は示しています。以前の女性役員比率が極端に少なかったのは社会的な理由だけでなく適性の問題があったためであると解釈できます。

 ローレンス・サマーズ元ハーバード大学学長は「統計的に見ると、女性は数学と科学の最高レベルでの研究に適していない」という発言のために学長を辞めることになりました。論争になったこの発言の当否はともかく、性差が見られる分野があることは事実だと思います。例えば作曲の分野ではバッハをはじめとして一流作曲家は男性が圧倒しています。コンピュータープログラムの分野でも男がほとんどです。また今年、女性がはじめてフィールズ賞を受賞したと話題になったように、数学も女性の少ない分野とされています。

 逆に文学の世界では昔から女性の一流作家が多く見られます。また音楽の演奏家にはそれほど大きな偏りはなさそうです。男女の差は社会的なものと生来のものとがあり、厳密に言えばそれらを分けて考えなければなりませんが、簡単ではありません。しかし上記の例のように極端に偏りがある分野では生来のものと考えて差し支えないでしょう。

 男と女はそれぞれ異なる役割を担ってきたのですから、差があって当然です(平均の差です)。双方とも向き、不向きの分野がありましょう。企業の役員、あるいは指導的地位に女性が男性と同様な適合性を示すかどうかはわかりませんが、目標数字を合わせるために適合性の低い女性を登用するようなことがあれば弊害が生じるかもしれません。

 安倍内閣の新閣僚には5名の女性がいますが、早くもそのうち2名が問題を起こしています。また火種になりかねない靖国神社参拝をした閣僚は女性ばかり3名です。実に「特色」ある方々をお選びのようです。これは目標数を満たすために無理な人事をすると、こんな結果になりますよと、ご親切にも率先してお示しになったのかもしれません。