噛みつき評論 ブログ版

マスメディア批評を中心にしたページです。  姉妹ページ 『噛みつき評論』 もどうぞ(左下のBOOKMARKから)。

猫はパンのみにて生くるにあらず

2013-03-18 09:54:12 | マスメディア
 昨秋の「猫の家族」で新たに猫の一家を世話する羽目になったことを書きました。これはその中の一匹、室内で飼い始めた下半身不随の子猫のその後です。小型犬用のサークル内で飼い始めてから6ヵ月、月齢は約10ヶ月になりました。室内には他に先住猫が2匹いるのですがあまり子猫の相手をしてくれず、ほとんど人間が相手です。今ではたぶん人間を親だと思っているのでしょう。

 子猫は一日の大部分をサークル内で過ごすわけで、その中で満足できることには限りがあります。不満なこと、やってほしいことがあると遠慮なくニャーニャーと親代わりの人間に要求します。なんでもニャーとしか言わない子猫が何を要求しているかを判断しなければならないわけで、少しづつ子猫の要求がわかるようになります。

 餌と水は基本的な要求ですが、他に布製のネズミや紐を相手に遊ぶこと、新聞紙やくしゃくしゃにして破ること、そして人と戯れることが主なところです。これらは遊びと仕事、仲間との親交と言ってもよいでしょう。仕事は少し怪しいですが、人間と似ていることに驚きます。また人間同様、好奇心が強く新しいもの、新しい場所に興味を示します。

 これらの要求に応えるため、一日数回、サークルから出して、新聞紙を敷き詰めた場所へ移動させます。そこで新聞紙を破ったり、ビー玉を転がします。また好奇心が強いことは飽き易いことの裏返しですから、遊びにも変化をつける必要があります。

 余談ですが、オムツを試そうとホームセンターへ行ったところ、豊富な種類の犬猫用オムツが並んでいました。多くは老齢の犬猫用なのでしょうが、日本はやはり先進国なのだと思いました。オムツはあまりうまく行きませんでしたが。

 ネコは喜怒哀楽もあると思われる高等な生き物で、決してパンだけで生きるものではありません。眠る時間も少なくないのですが、起きている時間の大半は「仕事と遊び」をしています。人間同様、何かをしないと退屈するようです。1日の55%を食事時間、40%を睡眠にあて、活動時間は5%とされるパンダとは好対照です。

 ネコは単独行動の動物で、時間の大半を孤独に過ごすのが普通です。しかし子供の頃から人の手で育てると、人に対する依存性がこれほど強くなるとは意外でした。先住猫の1匹についても同様です(ネコの個性にもよります)。まあ甘やかしすぎた結果とも言えますが、環境に対する適応力の高さを示しているように思います。

 子猫の発育は早く、この1月、月齢8ヶ月で発情期が訪れました。ギャーギャーと汚く大きな声で3~4日間鳴き続けます。この時期は雄猫が恋しくなるようにプログラムされているのでしょう。静かにしてもらうためにはいつも人が相手をしなければなりません。

 ほとんどの動物は発情期が限られています。ネコも同様で発情は3~4日間、それを数回繰り返して終わります。ただし人間とボノボ(ピグミーチンパンジー)は例外的で、年がら年中発情しています。だから年中相手を欲しがるのかも知れません。

 表題は新約聖書のマタイ伝にある「人はパンのみにて生くるに非ず」から拝借したもので、なかなか巧い表現です。だからこそ聖書に無縁の者にまで広く使われるのでしょう。でも今なら「人は金のみにて生くるに非ず」とした方がよろしいかと。