噛みつき評論 ブログ版

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祝!民主党支持率8%

2012-07-02 10:26:19 | マスメディア
 6月の時事通信の世論調査によると民主党支持率は8.1%となったそうです。調査により多少の差はあるものの、ざっと10人に9人は民主党の正体に気づいたというわけです。「政権交代」という3年前の熱狂は見る影もなくなりました。3年もかかりましたがようやく本当のことがわかり、これはまことにめでたい事と言わねばなりません。

 一流の人間が2年や3年で三流の人間に変化することはまずありません。いま三流なら3年前も三流の筈です。人間の集団である政党も同じです。とすれば3年前、多くの有権者は三流を一流だと見誤ったことになります。

 むろん見誤らせたのはマスコミです。故意に国民を騙したとは思いません。彼らの目が単に節穴であったというだけのことです。彼らが勝手に見損い、勝手に民主党の宣伝機関となって虚像を国中にばら撒きました。多くの人が民主党の甘言にたぶらかされて投票したことを後悔していらっしゃると思いますが、その必要はありません。その時点で得られた情報をもとに妥当な判断をした結果に過ぎないのですから。

 人を騙してやろうという目的でつく嘘は見破られやすいですが、嘘とは知らず自分が信じ込んだものを伝えるという嘘には説得力があります。それは宗教の布教に似ています。ましてそれがマスコミという第三者によるものであれば見破るのはいっそう困難です。かなりの見識を持ちながらも民主党に投票した方も少なくありません。

 人はそれぞれが個別の主体であり、考え方や判断のしかたも様々です。しかし有権者を集合(マス)としてみれば、安定した特性を持つひとつの集団として扱うことができます。特性とは国民性や歴史・文化などによって規定されたものです。

 すると有権者の集団はひとつの入出力装置と見ることができます。入力の大部分はマスコミ情報であり、出力は投票行動です。選挙結果は事実上マスコミが支配していると言っても過言ではないでしょう。まあこんな回りくどい言い方をしなくても3年前の選挙結果にマスコミが大きく関与したのは間違いないでしょう。

 借金が膨れ上がるなど、3年間の民主党による政治によって国益が大きく損なわれたとされますが、その責任の多くは民主党政権の誕生に手を貸したマスコミにあります。しかし私の知る限り、毎日新聞の与良氏などごく一部を除いて、その責任を認める報道はなく、我々がこの三流政権を生み出したのだ、という自覚や反省が全く見られません。

 それはマスコミ各社の首脳が首を揃えて国民に謝罪してもまだ足りないくらいのことだと思います。そしてこのまま「知らん顔」が通れば「有罪」の自覚が生まれず、また同じことを繰り返すことになるでしょう。無自覚、無反省、無責任の三無主義ですね。

 新聞やテレビは数多くの記者を抱え、一部の政治記者は有力な政治家に張り付いていると聞きます。マスコミは民主党の主要な政治家の能力を把握できた立場にあり、それを伝えるのも仕事です。例えば3年前、民主党の代表は鳩山氏でしたが、後に何度も馬脚を露わすことになったこの特異な人物の実像をどれだけ正確に伝えたでしょうか。代表者の人物像がわかればその人物を頂点に選んだ組織の「品質レベル」もおおよその見当がつきます。有権者は実像を知らされずに投票したわけで、その結果がこの始末だというわけです。

 民主主義がまともに機能するためには報道の自由が必要であるといわれます。その通りですが、それだけでは十分ではありません。判断を誤らない、賢い報道機関が多数存在することが必要であります。重要な判断を誤るような、バカなマスコミは有害であり、民主主義の足を引っ張るだけの存在です。

 政治の劣化が叫ばれて久しいですが、それはマスコミの劣化が先行した結果でもあると私は思っています。