噛みつき評論 ブログ版

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男の道具好き

2010-03-18 07:03:22 | Weblog
 「奴はすごい再生装置を持っているけどLPは2~3枚しかない」。これはむかしオーディオマニアを揶揄するのに使われた言葉です。

 古くからオーディオマニアという種類の人は存在します。私はかつて少しだけその世界を覗いた程度ですが、彼らは再生装置に凝りまくるのが特徴です。ピンからキリまで様々ですが、中にはアンプやスピーカーに数十万円~数百万円を投じたり、重量が何トンもあるコンクリート製のスピーカーを作ったりと、金と時間を惜しまない人もいます。

 しかしほとんどが男であり、女のオーディオマニアを見たことがありません。この傾向はパソコンの世界でも同様です。現在は夥しいフリーソフトが出回っており、優れたソフトも多いのですが、作者の多くは男です。フリーソフトの大部分は営利目的ではありません。恐らく、作ること自体に多くの満足を得ているのでしょう。

 パソコンを自作し、オーバークロック(CPUの動作周波数を規定以上に高くすること)で無理に性能を上げたりして、なにかに使うのではなく性能の高さそのものを追求したりするのもやはり男の独断場です。

 どうやら目的よりもそのための手段である道具に強い関心を示すのが男の特徴ではないかと思えてなりません。よく言われる手段の目的化と同様です。むろん根拠のある話ではなく私の推測ですが、道具がもたらすであろう未来の可能性を楽しむところが大きいと思います。

 大作曲家に女はいないなど、性差を感じることはいろいろあります。しかし少し前まで、性差は生来ものでなく文化的に作られたものだ、という議論が横行していて、もっともらしい理由までつけられていました(ボーボワールなど)。今から思うとよくこじつけたものだと思います。

 男は道具を作る人、女はそれを使う人、ということになるでしょうか。