噛みつき評論 ブログ版

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魔法?『文字を大きく情報たっぷり』の朝日紙面改革

2008-02-22 10:26:02 | Weblog
 3月31日から朝日新聞は文字が大きくなるそうです。2月17日の朝刊にはその告示が載っています。その表題が「文字を大きく 情報たっぷり」なのです。文字を大きくしてなぜ情報がたっぷりなのか、また情報が5.5%減るのは実質的には値上げではないか、という疑問が生じます。

 はじめ私はその意味を理解できませんでした。本文には文字の縦だけを7%大きくし、1行の字数を11×15段から13×12段に改めると説明されています。つまり165字が156字になり約5.5%の減少となります。情報量が減るのに、なぜ「情報たっぷり」なのでしょう。

 増ページをする、あるいは広告比率を減らすというのならわかりますが、その記述はどこにもありません。そうでないなら、「情報たっぷり」は今流行の「偽装」表現と思わざるを得ません。

 「金利下げ、利息たっぷりの預金」「量を減らし、栄養たっぷりのパン」「ガソリンを一層よく食う、経済性たっぷりの車」

 朝日の表現が通るなら、こんなインチキ表現も許されなければなりません。些細な問題だと思われるかもしれませんが、入学試験にも多く引用されるなど、語法に強い影響力をもつ新聞の表現だけに、こんな表現を広げていただくとちょっと困ってしまいます。

 こんな矛盾する表現を平気で使うのは学力低下のせいなのでしょうか。それとも悪質な故意の「偽装」なのでしょうか。まあどちらにせよ、困ったものであります。

 また購読料が同じならこの変更は、つまり情報量の約5.5%減は情報単価の約5.8%の値上げでもあります。私達はすぐゴミになる紙を買っているのではなく、情報を購入しているのですから。

 他の業界では値上げのとき、苦しい事情を説明し理解を求めるのですが、新聞社には全くその気がないだけでなく、読みやすくしてやっているんだという姿勢ばかりが目につきます。恩を売ってこっそり値上げ、ここだけはいまだに殿様商法が通じるようです。