(1)序
2009年夏のバイロイト音楽祭とその前後のバイエルン紀行を記したコラムで、「次回、冬の季節に同様の旅をしてみたい。その時には、また、今回と同じようなコラムをまとめたいが、そのタイトルが頭に浮かんだ。そう、『ドイツ:冬の旅』という題だ。コラムの通奏低音はシューベルトの『冬の旅』で、それに、ワーグナーの楽劇とヴォルプスヴェーデ村(ブレーメン)の芸術家コンミューンが重なり合う、という構成になるはずだ。」と述べた。
今年(2013年)3月、再びドイツを訪れる機会に恵まれた。私の「オペラと将棋の旅」の一環で、ドイツ(ベルリン)と南西ドイツ(バーデン・バーデン、カールスルーエ、ハイデルベルク)とを旅行した。うち、カールスルーエとハイデルベルクについては、別に報告した。ここでは、ベルリンとバーデン・バーデンを中心に報告しよう。ベルリンでは、ベルリン・ドイツ・オペラでワーグナーの楽劇を4本聴き、バーデン・バーデンではベルリン・フィルハーモニーのイースター・フェスティバルを聴いてこようという計画だ。 (2013/11)