東京にある一軒の古本屋が店を閉めています。初めそれを見た時は、てっきり廃業したのだと思いました。今、伝統的な古本屋は、ブックオフなどの新興古本屋に押されて、次々に店を閉めています。このお店もその類かと思っていました。
一ヶ月後にその古本屋の前を通ると、明かりのない暗い中、店を開いています。留守番の奥さんに聞くと、何と、隣家からの出火の貰い火を受けて、3階建ての建物の2階と3階が焼けてしまったとのこと。2階にあった本は皆「炭」になってしまい、3階の住まいは焼き出されたそうです。1階は類焼を免れたものの、消火の際、2階から落ちてきた水で、大切な本の多くが水濡れの災害に遭ったとのこと。何とも痛ましい話です。
ご存知のように、水に濡れた本の商品価値はゼロです。このお店は在庫が豊富で、とくに全集類が多い特徴がありました。しかし、例えば20巻の全集の5巻が水を被ってしまえば、助かった残りは「端本」となり、商品価値は著しく低下してしまいます。この古本屋の損害は計り知れません。
今は、助け出した古本の残りを、電気の止まった店で、細々と商っているとのこと。
出火した隣家は跡形もなく取り壊され、すでに、整地されています。
それに引き替え、この古本屋は、なまじ1階が残ってしまったため、おそらく火災保険の「全焼」扱いにならず、下りる保険金も少なくなるでしょう。
新たに店を建て直すか、廃業に進むか、どちらかを決めないと、今のままでは立ち行かないのは目に見えています。
隣家との補償交渉が終わらないと、何とも先を見通せないらしい。
「気を落とさず頑張ってください。」と声をかけて店を出ました。ファンからすれば、是非、お店を再建してほしいと願っています。 (2009/9)
一ヶ月後にその古本屋の前を通ると、明かりのない暗い中、店を開いています。留守番の奥さんに聞くと、何と、隣家からの出火の貰い火を受けて、3階建ての建物の2階と3階が焼けてしまったとのこと。2階にあった本は皆「炭」になってしまい、3階の住まいは焼き出されたそうです。1階は類焼を免れたものの、消火の際、2階から落ちてきた水で、大切な本の多くが水濡れの災害に遭ったとのこと。何とも痛ましい話です。
ご存知のように、水に濡れた本の商品価値はゼロです。このお店は在庫が豊富で、とくに全集類が多い特徴がありました。しかし、例えば20巻の全集の5巻が水を被ってしまえば、助かった残りは「端本」となり、商品価値は著しく低下してしまいます。この古本屋の損害は計り知れません。
今は、助け出した古本の残りを、電気の止まった店で、細々と商っているとのこと。
出火した隣家は跡形もなく取り壊され、すでに、整地されています。
それに引き替え、この古本屋は、なまじ1階が残ってしまったため、おそらく火災保険の「全焼」扱いにならず、下りる保険金も少なくなるでしょう。
新たに店を建て直すか、廃業に進むか、どちらかを決めないと、今のままでは立ち行かないのは目に見えています。
隣家との補償交渉が終わらないと、何とも先を見通せないらしい。
「気を落とさず頑張ってください。」と声をかけて店を出ました。ファンからすれば、是非、お店を再建してほしいと願っています。 (2009/9)