静聴雨読

歴史文化を読み解く

「金太郎飴」現象

2008-09-27 06:51:08 | 社会斜め読み
私には社会を斜めに見る習慣がありますが、社会現象で最も注目するのが、一つは「金太郎飴」現象であり、もう一つは二重基準(ダブル・スタンダード)です。今回は、「金太郎飴」現象を採り上げます。

身近な政治の場では、毎年恒例の首相交代劇があって、政界歳時記の9月の季語に「投げ出し」が載るほどです。

新総理の麻生氏が、福田前総理や安倍元総理と違うのか同じなのか、が当面の問題でしょう。

政権を突然投げ出した安倍元総理と福田前総理には、ご本人が否定しようとも、まぎれもない共通点がありました。それは:
・選挙で選ばれたわけではなく、突然舞い込んだ「総理の座」をつかんだにすぎない
・政治家の二世か三世の世襲議員である
・自民党という万年与党にどっぷり漬かった政治家である、
などが挙げられます。

麻生・新総理はどうかといえば、上の3点に見事合致しています。次の総選挙の洗礼を受けるまでは、麻生・新総理に安倍元総理と福田前総理と違った画期的な政策を期待するのは無理です。

個人の性格や個別の政権ビジョンに違いがあっても、それらを飲み込んでしまう大きな因子があるのが汲み取れます。それが「金太郎飴」現象です。どこを切っても同じ模様の顔が現われるが「金太郎飴」。安倍元総理・福田前総理・麻生新総理の3人にはまぎれもない同じ遺伝子が流れていることがわかります。その遺伝子を名づければ、「戦後自民党政治」とでもなりましょうか。
(2008/9)