つのる喪失感

　あまりに突然のことに実感がわきません。安間百合子さんのお通やは、六本木ヒルズを臨む永平寺別院長谷寺。生前の活躍が偲ばれる大勢の参列者。華やかで凛とした遺影の前には、日本芸術院賞を受賞された書道家、杭迫珀樹氏の揮毫　”不滅”　の二文字。

　

　私に残された彼女からの、縁のお品の数々。お互いに話し合わなければならないことがあったのに、もう不可能。

　　

「夕べ、話したの・・・」「その日の朝お話したのよ・・・。」泣き崩れる共通の友の肩を抱きながら、私も深い喪失感に苛まれていました。