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"It never gets easier, you just go faster."

不定期連載ロードレース講座 "フランドルの石畳"

2012年02月25日 | レース
今日、春のクラシックシーズンが始まります。
CNに面白い記事があったので紹介します。

注:この記事は下の記事の翻訳ではなく、要点の抜粋です。

『スチーブン・ギャラハーによるレースデータ分析』

本稿では春のクラシックシーズンの開幕を告げる、オムループ・ヘット・ニュースブラッドのレースデータを解析する。このレースはシーズン前半の石畳スペシャリストの調子を見る上でも注目のレースである。コースはヘントの町をスタートし、フランドル地方をうねり、69km地点から全身をゆさぶる石畳のベルグ(丘)が始まる。ここからは石畳のベルグの連続だ。

過去数年の同レースのデータを解析すると、共通のパターンが見えてくる。テレビ中継の始まらないレースの最初の30-40分は、虎視眈々と逃げを狙うアシスト陣による攻撃的な逃げの打ち合いとなる。30人前後の選手が同じように逃げに乗ろうと企んでいるので、逃げを決めるのは困難を極める。

逃げを決めるためには、出力体重比5-6W/kg以上のアタックを20-30分持続させる。もちろんこの逃げを作る/逃げにブリッジするために、30秒から1分の最大パワーを混ぜなくてはいけないのは当たり前だ。
(作者注:体重75kgの私ですと375W-400Wですか・・・無理を越えている。だがカンチェならL4か)

この数字を見るだけでも、アシストの仕事のつらさがわかる。勝負を決めるフランドルの丘が始まることには、逃げにのったアシストも、集団内でエースを前に引き上げる仕事をしたアシストも、VO2Maxゾーンに入りきっている。


シクロワイアードより

この瞬間、がレースでもっともストレスのかかる瞬間である。つまり、丘への平坦区間で長い間閾値の上で耐え(=VO2MAX, L5)、丘では2分間最大パワーで踏み(=Neuromascular, L6)、そして丘をこえてからは閾値ぴったりで耐え続ける(=Thresold, L4)、この連続である。これに耐える脂質、じゃない資質がエースにもアシストにも求められる。クラシックを走ったことのある選手は、丘の前後は耐えがたい苦痛をもって走ることになるのを知っている。


L5


L6


L4

これらの1-3分の急峻な坂を登る能力が勝者に求められているのは言うまでもないが、常にこの努力を継続しなくてはいけない、ということでもない。しかし、石畳をきりぬけるテクニックや、通常の舗装路とはちがうペダリングスキルも必要とされている。長時間のVO2Max域への耐性と、トップ集団に居残るケイデンステクニック、トラブル回避、的確なラインの選択、そして運。これらがあいまって勝者を決める。私(筆者)のデータには600-750 (9-11W/kg)のスパイクが多く記録されていた。これらのほとんどは集団の中での位置取りもしくはブリッジ、そしてポジションアップにつかったものであった。

今年のスタートリストを見る限り絶対の本命はいないが、ボーネン、チオレック、フレチャ、ハウスッラー、ジルベールあたりだろうか。

Welcome to the Classics.

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