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梅雨の合間にエクストリームトレラン 甲斐駒ケ岳黒戸尾根

2017年07月09日 | 登山


中央本線に乗って甲府盆地を過ぎ、韮崎を過ぎると車窓に南アルプスの山塊が肉薄してくる。山に詳しくなくても、なんか男らしい山々だなぁ、と思った人も多いだろう。その中でほかの連山から独立して聳え立ち、山頂に花崗岩の白砂を湛える2966mの独峰が甲斐駒ケ岳である。(写真は借り物)

今は北沢峠から登るのが一般的で、これならうちの保育園児(五歳)でも登れる数少ない3000m級百名山である。そんな甲斐駒ケ岳、昔は尾白川沿いの渓谷から延々と尾根沿い標高差2200mを9時間以上かけて登るルートしかなかったらしい。この黒戸尾根ルートはもともと山伏が甲斐駒ケ岳を開闢したときのルートで、登山道沿いには多くの仏像や祠、剣(エクスカリバー)が奉納されているらしい。


日本三大急登のなかでももっとも距離が長く厳しいとされる黒戸尾根。生半可な気持ちの登山者を寄せ付けない漢向けの登山道である。

どのガイドブックを読んでも片道9時間、往復16時間のハードコアルート、日帰りは不可能的なことが書いてあるのだがどうやら本気のトレイルランナーにとっては、ある意味試金石的、一度は挑戦してみたいコースらしい。走れば日帰りが8~9時間で可能とのこと。そんな変態コースを走ろうとしている友人が二人いる情報を前日の金曜日にキャッチし、ドタ参を金曜日午後に決意。梅雨の合間の晴れ間、しかも南アルプスの3000m級とあれば迷いない選択でした。


出発時刻/高度: 06:27 / 767m
到着時刻/高度: 15:31 / 799m
合計時間: 9時間3分
合計距離: 19.41km
最高点の標高: 2925m
最低点の標高: 763m
累積標高(上り): 2747m
累積標高(下り): 2715m

歩くペース 0.4~0.5(とても速い)
※ヤマプラ掲載の「山と高原地図」標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率(全コースのうち89%の区間で比較) [注意事項]

トレランといっても登りは実質スピードハイク。序盤笹の平までは心拍140台限定で一部走ったりもしましたが、これじゃ持たないと判断しペースダウン。一人で行くとどうしてもオーバーペース気味になってしまうので、人と登るのが丁度よい塩梅。長すぎる樹林帯の尾根道、ずっと登りっぱなし、直角の梯子の連続、厳しい岩場、鎖、刃渡りなど、足だけではなく手も使って登る大変挑戦的なコース。男らしい山容の甲斐駒ケ岳の名にしおう日本一のひとつであろうハードルートでした。頂上がガスっていたので、次回は北沢峠から六歳児とゆっくり登ろうと決意。

下山はあまりの長さに足が悲鳴をあげコース途中でペースダウン。靴ずれもあって足を労わりながらの下山となりました。

それでは、フォトレポ開始です!

横浜を3時に出発、武蔵中原でウエダッチさんを拾ってから世田谷へ。そこで発起人のONOさんの車に便乗し、中央道を西へ。尾白川渓谷に到着したのは6時半だったか。


尾白川渓谷に向かう途中、今日歩く長大な黒戸尾根が見えました。


気合を入れてスタート。とはいいつつ走りません。


なぞのゆるキャラ系道標から登山開始


つり橋を渡るとすぐに登りが始まります。


登山道にはいるとすぐに、こいつに通せんぼされました。説得の後やっとどいてくれた。


途中笹の平までは心拍140台キープで。笹の平以降は快適な道になります。


刃渡りまでは展望の開けない樹林帯。ここで甲府の町が一望でき、電波環境がよくなって着信メロディが鳴ります。


見た目のインパクトほど危険ではないので心配するなかれ。


コースの中盤、刃渡りにやってきました。


日向山が見えました。あっちが標高1700mだからここの標高は2000m近い。






黒戸山を巻いて、一度高度を100mくらい落とします。そうすると大岩下の屏風小屋跡。大きな祠があります。


剣が突き刺してありました。


きょえ~!!


この後、七丈小屋まで直立する梯子が連続します。この時間は下山する人少なくすれ違い渋滞はなかった。




トレラン装備なのでこういうところはみんな軽やか




先行する女性が、満面の笑みでたっています。視線の先には雷鳥さん(おかあさん)


近くのハイマツのしげみにはおとうさんも!


これはアーサー王のエクスカリバー!

ここまでくると山頂までは30分くらいか。がんばって残りはタイムアタックすることにします。ここから上は岩場だらけ。


ここまで、休憩時間をふくまないタイムは3時間40分(正確かどうかは不明)くらい。最後は必死に追い込みました。
注:自分の時計はこのタイムだったのですが、どうやら私所有のTomTom Cardioウォッチはどうやら速度があまりにも遅すぎると反応しなくなる?疑惑がありタイムはあまり正確ではありません。TomTomサイトを見てみると時速2km以下はAuto Pauseになっていました。やっぱり。
所要時間は296分(4時間56分)




そして、ゴール!


うえだっちさんもあがってきました。


親父三人組、達成感に浸るの絵


イワカガミ:常緑の葉は丸く、光沢がある。花期は春から夏。花は淡紅色で、花弁は5つに分かれ、その先端はさらに細かく裂けている。花茎は10-15cmで、5-10輪の花を横向きにつける。和名のイワカガミ(岩鏡)は、岩場に生えることと、光沢のある葉を鏡に見立ていることに由来する。


キヌガサソウ:大きな葉を車輪状に広げた草で、一面に群れることが多い。名前の由来は傘状に広がる葉を、昔貴婦人が用いた衣笠にたとえたものとされている。
本州中部以北の日本海側の山地帯から亜高山帯の湿った林内や林縁に自生する日本の固有種。山の斜面の雪が溜まる下部に多く、雪解け直後の登山道脇で見かけることができる。


鎖で直滑降するところもあり、なかなかスリリング。冬には来たくない。




ハクサンイチゲ:ハクサンイチゲ(白山一花、白山一華)は、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。
高山植物の代表種で、中部地方以北から東北地方の亜高山帯から高山帯の湿った草原に生育する。花期は6 - 8月で、しばしば、雪渓が解けた跡に群生が見られる。


七丈小屋まではスリリングな岩場ダウンヒル


七丈小屋。ここでぺヤングソース焼きそば休憩。


ガリガリ君は売り切れていました。


この後、四人組のトレランナーと合流し、七人の集団で高速ダウンヒル。速かった。


ひとり健脚の女性がいて、後ろから終始プレッシャーを受けていました。


足をひきずり一人遅れて下山すると先に降りた二人が水風呂に入っていました。


火照った体をひやし、汗も流せて一石二鳥。さっぱりして帰宅の途へとついたのであります。

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