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"It never gets easier, you just go faster."

不定期連載ロードレース講座 "Multiple Hard Efforts"

2011年02月17日 | トレーニング

何度もアタックするレーサーの一人。

久しぶりのトレーニング理論ネタです。
今回も,出典はハンター・アレン大先生のサイトです。

原文へのリンクはこちら
複数回のアタックができるようになるには(原題:Multiple Hard Efforts)著者: ジェイ・ガンプ博士 USACエリートコーチ

パワーメータを使ってレースをする選手が増えた現在、レース中の強度が正確にわかるようになった。 驚くべきは、プロトンを破壊するために必要な強度は、「信じられないほどキツイ」と考えられている強度よりは実際は低いことである。 例えば、複数周回で8分の登りを含む地方のレースを例にとってみよう。 プロトンの大半のライダーにとって、もっとも強度の高い登坂は一周回目である。 そうであっても、頂上で集団はひとつのままであることが多い。 その後に続く登り区間で集団はばらばらになる ―― このような決定的な差がついた登りでの出力は一定か、前の区間よりも減じていることが多い。 いったい何が起きたのだろうか? 集団が疲れたのである。 ほとんどの選手は一回だけハードに追い込むことができるが、レースを通じて同じような努力を繰り返すことのできる選手は限られている。


全ての選手が疲れてしまった ―― これは驚くべきことではない。 問題は、あなたがどのように疲労と戦うか、であろう。 ロードレースで経験する疲労というのは、長時間の耐久レースの最後に経験する疲労とは違う。 ロードレースの疲労は、スレショルド(閾)上で長い時間走ることによって引き起こされる。 あなたの体によるこのエネルギー簒奪行為に対処する最善の方法は ―― もうばれてしまったかもしれないが ―― スレショルド(閾)より上のゾーンで時間を過ごすことである。 レースを通してベストコンディションに近づけたことのある「あなた」なら理解していただけると思うが、これ(スレショルドより上のゾーンで時間を過ごすこと)はレースやチーム練によって経験できる。 しかし、ほとんどのライドは最初ドッカーン、途中ヘロヘロ、最後思い出したようにちょっとだけスプリント、というパターンに陥ることが多い。

「ハード」な走りは確かにハードだが、みんなが疲れてしまうためあまり長続きしない。 インターバルトレーニングの強度を調節することによって、高強度における耐性能力の強化をカスタマイズすることができる。
個人の能力や、ターゲットレースの要求事項などを考慮にいれて、レース強度への耐性強化をはかるインターバルトレーニングのメニューを選択しよう。 ここでの共通項は、長時間維持できないぐらいの強度で、体に重い負荷をインターバルによってかけるということである。 インターバルの長さは1分~5分程度。いわゆるAT域とVO2 Max域にかかるくらいである。(L5 – L6) 「高強度での耐性」を鍛えるために、アスリートは目標とする強度を意図的に少しだけ下げる必要がある。それによって、目標とする強度で過ごす時間を増やすのである。

ここで、パワーメータが必須アイテムとして登場する。 インターバルの強度は、これから行うメニューの長さのPeak Powerの90%位に設定する。もちろん個人差はあるだろうが。 最重要ポイントは、負荷を一定にすること。1,2セット目はちょっと楽に感じることもあるかもしれない。 例えば、3分のPeak Powerが400Wのアスリートは、360W 3分のインターバルを行う。 最初の数セットは楽勝かもしれないが、5回目のインターバルはかなりつらくなってくるだろう。 この種のインターバルに初めて挑戦するアスリートなら、5セットもやれば望むオーバーロード(過負荷)効果を得ることができる。 上級者は8セット以上できるかもしれない。しかし、回数を増やすよりは、一回の時間を長くするほうが効果が見込める。

自転車レースに勝つということは、ある決められた時間内で、Xワットを出すということである、という単純なものでは当然ない。 しかし一方で、自転車レースに勝つということは、ある決められた強度を何回繰り返すことができるか、ということでもある。 この二つの要因を鍛えることができれば、集団の先頭でレースを支配するパワーを得ることができるだろう。



・・・さっそく家にかえって人体実験を敢行。
昨シーズンの3min Peak Powerは419W Aprilとある。
というわけで377Wをターゲットにする。
注:シーズンオフで怪我あけなのに昨シーズンのベストを指標にしているところに著者のアホさ加減が(以下略)



・・・果てました。こんなに追い込んだのはいつ振りだろう。小学校のマラソン大会以来鴨
ちゃんとレースで千切れる域までもっていけたと思います。ただし目標ワッテージが高すぎる。これでは3本が限界だ。

3分 VO2 MAX x 3 『死刑台ローラー』

一本目
Average Power, Watts 356
Average Heart Rate 164

二本目
Average Power, Watts 342
Average Heart Rate 171

三本目
Average Power, Watts 324
Average Heart Rate 171

・・・3本目の300W越えが平地に感じました。300Wが鼻歌になるなんて。
レース開幕、熊谷も迫ってまいりましたし、週一くらいでこういうのもはさんでいきましょう。今日の苦しさは忘れよう。