アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

『現代アイヌの生活と意識』

2010-03-25 20:25:46 | インポート
blogを読んで下さっている皆様はすでにご存知かと思いますが、
北海道大学アイヌ・先住民研究センターが2008年に北海道アイヌ協会の協力を得て行ったアイヌ民族に関する調査の分析とまとめ『現代アイヌの生活と意識』が同センターのURLにUPされました。
160ページもので、pdfファイルでダウンロードできます。 http://www.cais.hokudai.ac.jp/

道はアイヌ民族の人々の生活の実態を把握するために1972年から’79年、’86年、’93年、'99年と7年毎に調査を行って来ました。その最新である2006年に実施された「平成18年アイヌ生活実態調査報告書」によれば、北海道に住むアイヌ民族は72の市町村に23,782人(8,274世帯)となっています。しかし、その調査方法が問題ありで、調査で用いられたアイヌ民族の定義は「地域社会でアイヌの血を受け継いでいると思われる人、また、婚姻・養子縁組等によりそれらの方と同一宇の生計を営んでいる人」であり、かつ、「各市町村が把握することができた人口」であり、さらに「個人や世帯に対する調査は、自らがアイヌ民族と表明した人が属する300世帯とその世帯で生活をともにする15歳以上の712人を対象にしたにすぎない」のだそう。
そのやりかたは過去の「調査すべてにおいてほぼ同一であり、北海道アイヌ協会を始め、関係者からは対象者が少なすぎて実態を十分に反映しきれていないとの問題が指摘されている」ようです。

これらを踏まえて北大アイヌ・先住民研究センターは専門家を集めてチームを組織し、北海道在住のアイヌ民族を対象に「総合的な生活実態調査を実施」。昨年から4年をかけて、初年は質問紙を用いた「量的調査」を開始し、その概要と報告書が今回まとまったということです。
内容に関してはじっくりと読んでみたいと思います。
(「」内は「現代アイヌの生活と意識」P.8参照)

ちなみに、以前にも紹介させていただきましたが(09/10/5 blog)、ジャーナリストの中村康利(道新勤務)さんが、18名のアイヌ民族の皆さんへ直接にインタビューされ、「調査」分析を含めた著書「アイヌ民族、半生を語る-貧困と不平等の解決を願って」(自由学校「遊」)を昨年7月に出版されました。
語られるアイヌの皆さんの生の声が心に刺さります。
中村さんのように現実のアイヌの声を聴く耳を養いながら、現状を変えていけることが出来ればと思います。


昨日と同じオビラシベ川の22日の朝。猛吹雪の中を霧立峠を越えて名寄へ向かう途中。