アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

インカルシペ・アイヌ民族文化祭2010

2010-01-30 17:52:29 | インポート
今朝のWEB報道には、昨日開催されたアイヌ政策推進会議の初会合のニュースが入っていました。
昨夜の午後6時に首相官邸で第一回目が開催されたのですね。
とある情報によると、この会議内容はオープンにならないとのこと。「有識者懇」は資料や議事録が見る事が出来ましたが、今回は閉ざされているようです。どうしてでしょう?

報道によると「政府は総合的なアイヌ施策を確立するため、生活実態の調査や象徴となる空間の設置に向けた作業部会を設けることを決め、1年以内をメドに調査結果をまとめる」ことにしたとのこと(MBSニュース http://www.mbs.jp/news/jnn_4343686_zen.shtml)。

昨夜、同じ時間に札幌の2・7かでるで開催された「インカルシペ・アイヌ民族文化祭2010」でも、司会者がこの作業部会の設置と推進会議にアイヌがもうひとり増えるということを述べていましたから、アイヌ協会には情報が流れているのでしょうね。でもなぜ、クローズなのかが不思議。そして残念です。


「インカルシペ・アイヌ民族文化祭2010」は200名はいたでしょうか。今回の「推進会議」開催について「記憶に残る日」と期待を語る司会者の言葉の通り、皆さんからの熱気が感じられました。

基調報告では上村英明さん(市民外交センター・恵泉女学園大)が、「2010年に植民地主義とアイヌ民族の権利を考える-国内政策を『整理』する時-」と題して1時間ほどの話をされました。

いくつか要点のみ紹介させて戴きます(毎度のごとく、個人的なものです)。
はじめに、最近のアイヌ民族に対するバッシングに関して、日本の「排外主義」が進んでいることと、「現在の法規則を守れ」という言い方で排除を正当化していることの危惧を話されました。
規則を守るのはもっともの事です。が、そもそもその規則に不備や誤りがある場合もあるわけです。2009年3月に道議会でアイヌ民族修学(大学・短大)資金貸付制度への異議が出されましたが、これは1976年に給付制度として開始された後、1982年に貸与制度に移行になります(但し、卒業後の経済状況によって返還免除)。貸与になったにも関わらず返還されているのが少ない、制度の悪用だとの批判でした。しかし、実際に北大のアイヌ民族生活実態調査でアイヌ民族の生活状況・こどもたちの進学情況を見ると(特に76.1%が経済的理由で進学断念)、82年で貸与にしたこと自体が誤っていたと言わざるを得ない、と上村さんは指摘。
この誤りのもっとも大きな原因は、上村さんのことばを少しくだいて言うと、①勝手にアイヌ民族の住む地を奪って支配し(植民地支配)、アイヌ民族を差別して貧しさへと追いやった(周縁化)こと ②国のアイヌ政策を考える際にアイヌ民族が入っていなかったこと ③政策も公にせずに関係者しかわからない手続きをしたこと などだ、と。

今後の役割として、有識者懇の報告書のP.13「今後のアイヌ政策のあり方」②アの一文「国連宣言は、先住民族と国家にとって貴重な成果」であるという一文が入っていることが紹介され、国連宣言を使ってアイヌ民族の権利要求を具体化させていくこと、また植民地主義に対する反対として韓国や沖縄との連帯が必要だと話されました。今年は韓国併合100周年ですし、沖縄にとって昨年は薩摩藩の侵略400周年でした。

次に行なわれた「アイヌ女性の人権」についてのシンポジュウムも意義深いものでした。アイヌであり女性であることの複合差別の訴え、アイヌ女性としての苦悩など、4名のパネラーによって紹介されました。複合差別の理解がアイヌ民族内外にさらに理解されることを願います。


上野・国立西洋美術館庭の「地獄の門」 (ロダン構想) この扉の上方に「考える人」がいるのですね。今回はじめて知りました。


「くまとやまねこ」(文/湯本香樹実・絵/酒井駒子 河出書房)という絵本に出会いました。とてもいい本で、店頭で泣いてしまいました。死生学でも話題になっているようです。別れは辛く悲しいいものです。癒しには時間がかかるものです。
次男の好きだった「ずっとずっと大好きだよ」(ハンス・ウイルヘルム 評論社)を思い出しました。
絵本ナビ:http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=18832



久しぶりに家にいたので近所のこどもたちが遊びに来ました。明日の準備を机のうえに積んだまま少し遊びました。
「くまとやまねこ」を読んであげると、やはりこどもは感性が豊かですね。しんみりとなりながら字のない頁からもしっかりと感じとっているのがわかりました。いい時間でした。

今日はこの調子で静かに過そうと思ったのですが・・・やはり最後は教会堂いっぱい使っての鬼ごっこ!
しかも最近学校に来たCAPの教え(不審者に追いかけられたときの叫び方)を大声で練習!
ハンパなかった! CAPの合言葉 「安心・自信・自由」も連呼! よく復習できました。
もちろん、「ごりらの鼻くそ」喜んで食べて行きました。
(CAPについては過去blog記事や以下へ: http://www.cap-j.net/)