~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

室内楽の夕べ~Fresh Concert~

2013年04月06日 23時30分01秒 | 室内楽

3月は7つの演奏会とひとつのミュージカル(Cats)に行ったのですが、セミナーや法事などがあったせいもあり、ほぼレビューが書けてません。別に書く義務はないのですけど、何年かたったとき「この演奏会行ったはずなんだけどな・・・なにも書いてないなあ」というのもちょっとさびしいもんです。

なので、印象だけでも書いておきたいと思います。

※イニシャルにしようかと考えましたが、このおふたりまったく同じイニシャル。これから世の中に出ていただきたい思いもあり、実名でと思います。

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室内楽の夕べ~Fresh Concert~  4月6日(土)東区民文化センター 18:30開演 入場無料

Pf:大原知(高2) 大野志門(中3)、Vn:向田さおり、Vc:末永幸子

1.<連弾> 6つの小品 作品11より 第2曲『スケルツォ』 ・・・・・ラフマニノフ

2.<ソロ>  ピアノソナタ第3番 より 第4楽章・・・・・・・・・・・・・ショパン(大原 知)

3.<トリオ> ピアノ三重奏曲第1番より 第1・4楽章・・・・メンデルスゾーン(Pf 大野志門)

               休憩

4.<連弾> 春畑セロリ バッハメドレー

5.<ソロ> リゴレット・パラフレーズ・・・・・・・・・・・・リスト(大野志門)

6.<トリオ> ピアノ三重奏曲第1番より第1・4楽章・・・ブラームス(Pf大原 知)

     アンコール

ショパン:ワルツ第14番・・・・・大野志門

グリーグ:「ホルベアの時代から」より リゴードン・・・・大原 知

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例によってギリギリに入ったのですが、いきなり1曲目の連弾で疾走する若さになぎ倒されました。

あまりにも新鮮な気がしたのでなんでだろう???としばし考えました。

ラフマニノフのこの曲を初めて聴いたわけではないし、若い人の演奏もよくある。

なにが新鮮なんだ??そうだ・・若い男性二人という組み合わせをこれまで聴いたことがあっただろうか??

若い女性同士、若い女性と男性、はよくありますけど、若い男性ふたりはたぶん初めてだと思うんです。これちょっとすごいです。キレが違います。もちろんそれぞれが高レベルのテクニック・リズム感の持ち主であることが大いに関係しているわけではありますが。

本日のコンサート、なにがすごいって、このふたり、別々の先生に師事してるんです。つまり門下が別。

譜めくりのお嬢さんはさらに別門下からひとり。お手伝いのお母さん方も複数の門下から。

中学&高校生の自主企画のコンサートでこんなことができるということにまずびっくり。ホールは550席ですが、かなり埋ってまして、350くらいは入っているような感じでした。

もちろん親御さんの援助はあるでしょうけど、チラシもプログラムも広報も進行も、かなりの部分を自分たちの力でやりとげたことが伝わってきます。司会進行も交替でマイクを持ってました。

コンサートというのは、弾くだけで大変なこと。まして連弾や室内楽やトークをプログラムに入れていたなら、お互いの合わせ時間の確保もありますから、「これだったらソロリサイタルのほうが楽なのでは?」というくらい考えなければならないことがいろいろなあるわけです。でもあえてそれを学業のかたわらでやり遂げたということそのものがまずはすばらしい。

やはり、「こういうコンサートをやりますから、ぜひ聴いてください」という気持ちがチラシや広報の段階からほしいわけです。そういう「気」みたいなものは、不思議なことに、手元にたくさんチラシがあったとしてもどうしてもその1枚をスルーさせないなにかを発するものです(笑)。

演奏については、技術が高いのはこれまでの受賞歴などからもあきらかですし、どうしてあんなに弾けるんだろう??というレベルでおばさんただただびっくりなんですが、

それだけに、とくにアンサンブルの時などは、自分以外の奏者や客席が一緒に呼吸できるような間というか余裕がもうちょっとほしいとも思いました。とくにこれはコンクールではなくて、コンサートなので、お客さんは客席からステージを見上げて「すごい、すごい」とあんぐりしているわけではなく、一緒に呼吸し音楽を感じている、というか感じたがっているわけなので。

これだけの空間のこれだけの客数を巻き込むというのは大変なことだと思いますけど、中学高校生のころからこういう経験をすると、ほんとにいい演奏家になれると思うので、あえて子供扱いせずに一言、と思います。

このおふたり、見た目、似てなくもないのですが、けっこう音というか音楽は違っていて、連弾ではそれがいい具合に配されていて、すごくいい組み合わせだったと思います。これからもこのデュオを続けてほしいです。

大原くんは思慮深い優しい音を、大野くんはシャープでたまにドキッとするような音を持っておられ、それぞれがこれからどう変化していくのか大変楽しみです。

ヴァイオリン、チェロのお姉さま方、年長の経験者としてよくコントロールしていらっしゃったと思います。私からみたらみなさん4人ともお若いのだけれど、やはり演奏家としての落ち着きとか客席との空気感は(当然のことですが)やはりプロでいらっしゃいました。私も聴かせていただきながら、いろいろと学ばせていただきました。

そうそう、共演者が女性だった場合、男性の方はたとえお若くても、ぜひエスコートして差し上げてくださいね。レディーファーストでどうぞ(笑)。今日もしメチャクチャ手慣れたエスコートぶりを発揮されていたとしてら、それはそれで、おばさんびっくりしてしまいますが(汗)。  

・・・・・・というわけで、結局けっこうな勢いでレヴュー書いてしまいました。レヴューを一気に書かせるコンサートっていいもんです。