奥井みさき、旅の記録と徒然日記

仕事の合間に旅行、旅行の合間に仕事。
フリーライター・奥井みさきの旅日記と、日々思うこと。
札幌からです。

八重山と那覇を旅した4日間 … 人頭税廃止百年記念の碑(石垣島)

2015-10-19 05:34:30 | 道外の旅日記
6日





人頭税とは、全ての住人に一人当たり一定額の税金を課す制度。
沖縄では琉球政府が八重山、宮古両地方に課税していました。

日本の他の地域でこの税制があった例を私は知らない。
多分ここが唯一の人頭税だったのではないか(詳しくご存知の方はお知らせください)。

さてこの地では15歳から50歳まで男性はお米で、女性は布で納めていたそうです。
課税開始は1637年からといわれていますが、もっと古くからという説もあります。

これはかなり過酷な課税だったようで、、島から集団で脱走した(パイパティローマ伝説など)、
堕胎による人口調整、「くぶらばりの伝承」などの話が伝わっています。

人頭税が廃止されたのは1903年(明治36年)、なんと維新後しばらくこの税制が続いていた。

どうして八重山と宮古両地方に他では見られないこの税制があったかというと、
それはこの地が琉球政府の被支配地だったから。

簡単に言うと支配者による収奪だ。
このあたりは北海道における和人とアイヌ人の関係に似ていますね。

この地の支配者である琉球政府もまた、独立国でありながら薩摩藩の支配下にあった。
歴史というのはいろいろなことが積み重なって今に至るものなのだとわかる。

さて八重山博物館の敷地内にあるこの石碑は、
その人頭税廃止100年を記念して建てられました。

今まで沖縄本島を2回訪問しましたがそれ以外の島を訪れたのは今回が初めて。
そこで見つけたのがこの石碑です。

沖縄県といっても、その歴史は本島と八重山は全く違います。
それがほのかに見える、この石碑です。
コメント
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