新保守主義(ネオコンサバティズム Neoconservatism)は政治的立場の一種で、最も頻繁に用いられる意味としては、1970年代頃に登場した「文化的な伝統主義」と「経済」だけ「小さな政府」を重視する立場を指す(アメリカのものは明らかに違う)。俗に「ニューライト」(New Right、新右翼)とも称され、また略称としての「ネオコン」はアメリカのそれに限定して使われる。「新保守主義」を含め上記の言葉は時代や地域によって指し示す対象がそれぞれ異なるようである。アメリカでは外交政策上は強硬で、軍事力の重視やイスラエルに対する積極的な支援を表明する傾向にある。経済的には政府による介入を排し、市場や企業の活動を放任する傾向にある。減税、福祉削減、規制緩和等によって特徴づけられる。また、家族、性道徳などを重視する保守的な価値観、倫理観を持ち、妊娠中絶、麻薬問題等の権利問題などをめぐる政策に反映される場合がある。1960年代、アメリカ東海岸の社会民主主義者(social-democrat)やトロツキストたちが当時の社会民主主義に失望し、保守化したことが始まりだとされる。 2,003年、イギリス保守党がサッチャリズムを「過去のもの」として新保守主義との決別を宣言した。
●各国における新保守主義
アメリカのレーガン政権、イギリスのサッチャー政権、日本の中曽根内閣が新保守主義の代表例・・・。中国では2,000年頃に台頭した絶えざる革命と制度の抜本的改革は社会にとって望ましくないとする保守主義の一種を指す。
●日本の新保守主義
日本では、基本的には保守主義と同じで過去から現在に至るまでの経過を尊ぶが状況により変化や断絶を積極的に行う考えを堅持。
1.外交的面では「憲法改正」と「日米同盟の強化」を基本理念とする。
2.限定的範囲内で中国や北朝鮮への強硬姿勢と国際秩序の維持の為の国家権力の行使。
3.内政的には「規制緩和」と「構造改革」と自由経済の尊重、福祉政策の基準を設けて最低限の社会保障を整備する。
4.道徳的には個人の「自助努力」を最も尊ぶべき価値観に据える。
※日本の「新保守主義」は「自民党」にも「民主党」にも存在する。主に若手議員で国防議論をすることに躊躇しないことを特徴とする。松下政経塾出身の議員に多い。
{参考出典}フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』