世界一健康長寿のニライの風来坊

豊饒を齎す理想郷は海の彼方の蓬莱島!ニライの島夢郷!!その桃源郷を求めて南の風来坊は今日も迷走する。

「小さな政府」と「市場経済」(1) 

2006年01月22日 | Weblog

はじめに・・・「小泉構造改革」を理解するには、その基底になる「現・経済社会」の理念・構造を理解する必要がある。そこで吾が日本の社会に現出した事象(事例としての不公平、不平等、等々・・・)等の基底にある構造の理解なくしては真相の解明が出来ない。昨日(06/01/21)のNHKの”日本の、これから”を視聴して益々その感を強くした。そこで渉猟して得た結果を以下に援用し開陳する。

1.「小さな政府」・・・アダム・スミス以来の伝統的な自由主義に立脚した思想から生まれた「経済政策」。政府の市場への介入を最小限にし、個人の自己責任を重視し、国家による社会政策を最小限にする考え。それを徹底したものを夜警国家という。「安上がりの政府」とも言う。基本的に、GDPに占める政府活動の割合を低下させるために、低い税率と、より少ない歳出を志向する。主に古典派経済学者及び資本家が主張する「政府形態」である。

 ―概 要― 「小さな政府」は、経済全体に占める市場取引の割合を増加させる。インフラストラクチャーや公共サービスなどの公共財も、なるべく市場により供給されるような施策をとる。このような「市場主義」の背景には、「神の見えざる手」により市場がコストと価値に見合う最適な資源配分を達成するという期待がある。市場への依存は必ずしも、低価格化を意味しない。それは、今まで政府の支援により低価格で提供されていた財・サービスがコストに見合う価格へ調整される可能性があるからである。ただ、市場(民)での競争がコスト低減をもたらすことは期待されている。いずれにせよ、市場(民)に任せることで効率性の高い経済が実現されると考えられている。ただし、<公平性は保障されない>。所得再分配機能の低下による「格差の拡大」や「失業の発生」がありうる。「小さな政府」の政策では、そういった問題に対して最低限の保障を与えることで対応する。現実には「弱者保護を目的」とした「福祉の削減」により<貧困層が増大>し、階層社会として固定化する可能性が問題視される。しかし、「効率性を重視する」<小さな政府>の政策においては「格差拡大は是認される」。消費性向の低い高所得者層から消費性向の高い低所得者層への所得再分配機能が緩められるため<消費の停滞>が懸念される。

2・「市場経済(英 market economy)」・・・、市場機構(需要と供給)を通じて需給調節と価格調節が行われる経済のことである。対立概念は、<計画経済>である。また、市場機構を重視する経済のことを、特に「市場主義経済」とか「自由主義経済」などと呼ぶことがある。

―特徴― 市場経済を特徴づけるものとしては、次のものをあげることができる。分権化された経済主体・・・個人・企業などの経済主体は、<政府の指示ではなく>、「みずから意思決定」を行う。価格システムは財・サービスの価格および取引量は、市場機構と呼ばれる需給を均衡させるしくみで決定される。

 ―市場経済の利点と欠点― 市場経済は優れた経済システムであるが、「市場の失敗」と呼ばれる市場機構の限界が存在するため、これらの問題を解決するために「政府が必要」となっている。

●利点・・・市場経済は、何をどれだけ生産し、誰にどれだけ配分するかという経済の根本機能においては他の経済システムより優れている。市場経済においては必要で不足している商品は価格が上がり、利益水準が高まるため、生産が増加する。このため、経済的需要に応えやすいメカニズムになっている。また、より利益の出せる効率のいい生産体制を持つ企業がより強い資源購買力を持つため、効率的な生産を行える者へ自然と資源配分されるシステムになっている。このため、商品生産において過剰や過少が温存されることなく、効率的な経済となる。競争を促進する機構が働くため、生産力の増強・投資を誘発して経済成長が起きやすくなる。

●欠点・・・市場経済自体の欠点資源配分が効率的になるが、「公平になる」とは限らない。このため、<貧富の格差>が拡大する可能性がある。

{参考出典}フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用