世界一健康長寿のニライの風来坊

豊饒を齎す理想郷は海の彼方の蓬莱島!ニライの島夢郷!!その桃源郷を求めて南の風来坊は今日も迷走する。

「小さい政府」とは?その未来像は?(2)

2005年11月13日 | Weblog
「小さい政府」推進派・・・「財政規模の縮小と政府干渉を軽減し民業に任せる。」概算800兆円に近い国家累積赤字は年々増えていく。そのままでは国家財政が破綻をきたす。経済力の強化しか方途はない。・・・国、地方とも財政が逼迫し大きな政府では財政の破綻を招く。肥大化した組織をスリム化して支出を削減するしかない。戦後経済復興による初期の目的は達したのだから、これからは官民癒着の談合を根絶し天下りの温床をも断ち切って徹底した民営化を推進すべきである。冷戦後の国際化からグローバル化への米国主導のアメリカ型経済政策に転換し市場原理を尚一層、推進し民間の活力と競争を推し進め質とサービスの向上を図るべきである。親方日の丸の公務員では効率が悪く余剰人員を抱え込み経費の無駄と支出が膨れ上がるばかりである。高給の保証と手厚い福利厚生では民間の入り込む余地がなく民業圧迫である。財務、国土交通、厚生労働の各省は「官の権威」を残留させたままの「形式だけの民営化」を断行しているとの指摘もあるのでアウトソウシング等の民営化を一層、断行し自由競争の基で経済の活性化を図りたいとしている。
「小さい政府」反対派・・・政府支出の財政規模は2,004年、GDP比約37%、EU平均の約49%とかなり低い。国民負担の社会保障費、税金も同傾向。EU諸国より、かなり「小さい政府」になっている、と主張。少子化による財政は厳しいし国債発行も限界に達している。経費削減では財政の建て直しは無理で限界。それに社会福祉の面では民営化による地域格差が生じる。小さい政府の理念の新自由主義では「全ての企業、個人に公平な参入機会を与えよう」しているが「結果の公平さ」は考えられていない。だから起業も二の足を踏む。競争が熾烈になり米国型の成果主義・能力主義が蔓延すると殺伐とした社会になる。全てを米国に準じる姿勢では将来の日本の為にならない。・・・では、どうするのか。両方の主張には、それぞれ理があるのだが。・・・論点は「経済の側面」のみに基軸を置いている。・・・
両派の主張からは「日本国家の在るべき姿」が観えて来ない。憲法草案の前文に堂々と明記すべき「この国の容(かたち)」<未来永劫(改正もあり得るが)>の記述すべき事項がない。どこかおかしい。原初に還って「国家の容・国民・国家の役割、帰属意識等」と「国民の安全・保障・健康と国家の責務等」が不問にされている。そういう大前提の基に「小さい政府」論議も推進すべきである、と思う。国家の大計と方向を決定する「構造改革」にもっと関心を持たなければならないと、自省している昨今である。