八咫烏の声

神社の行事、社務などの日記です。

東日本大震災復興支援活動

2011年08月06日 12時44分21秒 | 神道青年会

8月に入り暑い日が続きます。

熱中症など体調には充分お気をつけください。

こんにちはI権禰宜です。

さて、私は8月2日から4日までの3日間、福岡県神道青年会有志17名で行う、先の震災の災害復興支援活動に参加して参りました。

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今回我々が向かった支援活動先は福島県いわき市の久ノ浜地区。

ここ久ノ浜地区は60名以上の方が今回の震災で命を失った地域で、いわき市内では2番目に被害の大きかった地域です。今現在も10数名の方の行方が分からない状況との事です。

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復興支援活動の拠点となった久ノ浜諏訪神社。

社殿自体は外観にそれほど大きな損傷は見られないものの、境内の石灯籠は震災の影響で多くが倒壊しておりました。

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諏訪神社の高木宮司様より今回の震災の被害状況を 受ける福岡神青会復興支援団一同。

被災直後のお話では、その想像を絶する状況に一同思わず息を飲みました。

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海岸沿いの住宅地の様子です。これでも相当片付いたとの事です。

海岸沿いの地区は津波とその後に発生した火災によって壊滅的な被害を受けていました。

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町中のあちこちで震災で受けたの被害の大きさが見うけられます。

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津波と火災で朽ちた郵便ポスト。

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こちらは同じく被害を受けた自動車です。

表現が適当では無いかもしれませんが、「爆撃で焼け野原になってしまった」という感じです。

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星之宮神社です。震災によって現在は何も残っていません。

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堤防の近くに鎮座する稲荷神社です。

周りの建物が津波と火災で消失する中、奇跡的に残った神社です。

これには今回一緒に活動した福島県の若手神職さん達も「不思議」と言っておられました。

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海辺の状況です。

奥にある山は地震の影響で半分崩れてしまったようです。浜辺には津波で流され、さらに引き潮で戻された消波ブロックが無造作に転がっておりました。津波の力の大きさが分かります。

今回、我々の行った復興支援活動では合計3件の家屋の片付けを行いました。

(※一応、「解体許可」とはなっていましたが、各家庭の思いがこもっているでしょうから写真掲載は控えさせていただきます)

震災から5ヶ月近く放置された家ですので、内部の痛みが激しく困難ではありましたが、福島・福岡の両神青会が一致団結して片付けをさせていただきました。

活動中に家から見つかる写真や想い出の品などを見る度に、かつてそこあった「日常」を感じられ心を痛めました。

活動中、地域の方とお話をさせていただく機会がありましたが、年配の方はやはり故郷が恋しいと避難先から帰還する方が多いとのことでした。

しかし、若い世代は被害の大きさから止むを得ず故郷を捨てる方も多いようです。故郷を捨てざる得ない選択とは本当に辛く悲しいものであったと推察します。

この震災で特に福島の浜通り地方は地震・津波・火災そして原発事故と何重もの苦しみに見舞われています。今回我々の活動が正直どれほどの力になったのかわかりませんが、実際にこの目で見た被災地の状況を、自分達の住む地域の方々に一人でも多く伝えるのが一番大きな役割であると思います。

今現在も被災地の方々は前を向いて精一杯頑張っておられます。

そして例え何十年、何百年懸かろうとも、元の故郷の姿に戻すために一生懸命に日々を過ごされています。

その姿に私はとても感動を受けました。

子や孫、そして曾孫の為に日本国民全体でこの困難を乗り越えてまいりましょう。

必ず復興を遂げる事を信じてやみません。

I権禰宜