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介護の山は大きい 高齢施設の虐待3割増、認知症と関連も

2016年02月13日 07時31分29秒 | 行政
高齢施設の虐待3割増、認知症と関連も
施設では自立度IIIで身体的虐待が有意に多い
厚生労働省2016年2月12日 (金)配信 一般内科疾患精神科疾患その他

 厚生労働省は2月5日、2014年度に確認された高齢者虐待についての調査結果を公表した。介護従事者による虐待は300件と、家族・親族・同居人による虐待約1万6000件よりはるかに数は少ないが、前年度の221件に比べ35%の大幅増となった。入所系施設では、認知症が「日常生活自立度III」の場合に身体的虐待を受ける割合が高くなることも分かった。

 調査は、同省が高齢者虐待防止法に基づき2007年度から実施している。今回は14年度中に新たに相談・通報があった、あるいは前年度に通報があったが確認や対応が14年度になったものについて集計された。

 14年度に判断された施設や居宅サービス事業などの介護事業従事者(養介護施設従事者)による虐待件数は300件で、前年度の221件より35.7%増加した。高齢者の世話をしている家族や親族、同居人(養護者)による虐待は1万5739件で、前年度からほぼ横ばい(+0.1%)だった。

 施設従事者が虐待に至る要因で最も多かったのは「教育・知識・介護技術などに関する問題」で62.6%。次いで「職員のストレスや感情コントロールの問題」(20.4%)、「職員の性格や資質の問題」(9.9%)となっていた。虐待が確認された300件の施設・事業所のうち、59件は過去に何らかの指導を受けていた。

 施設従事者による被虐待高齢者の総数は691人で、複数回答で尋ねた虐待種別は身体的虐待(63.8%)、心理的虐待(43.1%)、経済的虐待(16.9%)の順に多くなっていた。

 入所系施設での虐待における認知症と虐待種別の関連をみると、被虐待高齢者に認知症があり、かつ日常生活自立度がIIIの場合、身体的虐待を受ける割合が統計的有意に高くなることが分かった(自立度IIIの被虐待高齢者147人中106人、72.1%)。

 今回の調査期間中に施設従事者の虐待による死亡事例はなかったが、介護している親族による事件は計25件発生しており、「養護者による殺人」(12人)、「ネグレクトによる致死」(7人)、「心中」(3人)などが確認された。

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