日々

穏やかな日々を

ひょうご:臨床美術で右脳活性化 認知症の改善に期待

2016年06月24日 23時49分20秒 | 地域
ひょうご:臨床美術で右脳活性化 認知症の改善に期待
2016年6月23日 (木)配信毎日新聞社

 高齢化が進むなか、右脳を活性化させ認知症の症状の改善や、予防につなげたいという期待が「臨床美術」に寄せられている。独自のアートプログラムの訓練を受け、NPO法人「日本臨床美術協会」(本部、東京)に所属する臨床美術士は県内に約70人いるという。神戸市や阪神地域で活動する臨床美術士グループ「アートふるKOBE」代表の細見典子さん(59)=同市灘区=の教室に参加してみた。【松本杏】

 神戸市須磨区の高台にある特別養護老人ホーム「KOBE須磨きらくえん」。今月17日、陽光が差し込む共有スペースに70~90代の女性7人が集まった。この日の講師は細見さんら臨床美術士4人で、プログラムは型押しによる「スタンピングで描く紫陽花(あじさい)」。3カ所のテーブルに青紫や赤紫、水色のアジサイが飾られていた。

 「アジサイに何か思い出がありますか」。講師の一人、川本治さん(51)=同=が尋ねると、すぐに「藤色。(赤紫を指して)昔はこんな色は無かった」「市場の花屋で1、2本買うねん。けど、高いよ」と次々に答えが返り、和やかな雰囲気に。参加者は葉やがくを眺め、においをかいだり触ったりしてから制作に取り掛かった。

 90分の制作中には「難しい絵、描けへんで」「ああ手が痛い」「もうええわ」という声も。その度に山本恵美子さん(52)=東灘区=ら講師が寄り添い、「楽しそう」「大丈夫ですよ」「無理しないで押してくださいね」と励ました。「やかましいわ。したいようにしたらいいやないの」と腹を立てる人にも「はい、そうですね」と穏やかに受け止めた。

 完成に近付いた頃、ある女性が自分の作品を指して「どなたのか分からない」と言って席を離れ、少しして戻ると「私でけへんねん」と硬い表情でつぶやいた。「お帰りなさい」と作品の素材を示し、制作を勧める細見さん。作品に貼る和紙を選んで光にかざし「向こうが見えますね」と話し掛けると、女性の口元がわずかにほころんだ。

 制作の最後の作品鑑賞会では「上手」や「へた」は禁句で、臨床美術士は質感や構図の良さを具体的に褒める。「やかましいわ」と言った女性も「絵の具の盛り具合がいいですね」と褒められ、「ありがとうございます」とうれしそうだった。岡田喜代さん(77)は「娘が来ると『いいのできたなあ』と言ってくれるんです」と目を細めていた。

 細見さんは母親の認知症の進行を少しでも遅らせたいと考え、臨床美術と出合った。3年前に臨床美術士になり、神戸市垂水区や尼崎市の特養や通所介護施設でも定期的に活動する。これまで、コミュニケーションが難しかった高齢者が気持ちを伝えるようになったり、潔癖症の人が手の汚れを気にしなくなったりする変化を見てきた。

 細見さんは「参加者の言動を否定しないよう細心の注意を払う難しさもありますが、臨床美術を体験した皆さんの満足そうな顔を見るのが喜びです」と話す。代表を務めるアートふるKOBEは近くNPO法人となり、「アートゆるり」と名前を変えて活動の場を広げていく。

………………………………………………………………………………………………………

 ■ことば

 ◇臨床美術(クリニカルアート)

 認知症の症状改善のため1996年、医療や美術、福祉の壁を越えて日本で研究がスタートした。絵に苦手意識を持つ人でも無理なく取り組むことができ、五感を刺激する独自のアートプログラムを開発。心理分析を行うアートセラピーと違い、本格的な創作活動を通じて脳を活性化させ自尊感情と生きる意欲を引き出す。NPO法人「日本臨床美術協会」が認定した臨床美術士の活躍の場は、医療機関や高齢者施設、子どもや社会人のメンタルケアなど多方面にわたる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

IT機器で糖尿病防止へ 健康意識を向上、経産省

2016年06月24日 23時36分57秒 | 行政
IT機器で糖尿病防止へ 健康意識を向上、経産省
2016年6月23日 (木)配信共同通信社

 経済産業省が、糖尿病予防のため、装着型の電子機器などITを活用して運動量の情報を送り、医師が監視、警告をすることで健康改善に役立てる仕組みを導入することが22日、分かった。今夏から半年間、実証実験する。

 一般的な定期健診だけではなく持続的な計測によって、本人の健康意識を高めるのが狙い。参加する企業にとっても従業員の重症化を防ぎ、長期休職のリスクを下げる効果が期待できる。

 運営に参加するのは名古屋大や野村総合研究所など8事業体。トヨタ自動車の従業員や岡山県のタクシー運転手、埼玉県の一部地域の住民らを対象に、投薬や透析までに至らない糖尿病の軽症者や予備軍から、本人の同意を得た上で計約千人を選ぶ。

 腕などに取り付けるウエアラブル端末で歩数を計測するほか、体重や血糖値などの情報を送り、臨床医や産業医が確認する。症状の悪化があった場合、医師が電話やメールなどで警告する。本人が健康状態をスマートフォンのアプリでも確認できるようにする。

 実験では、参加者と非参加者の効果の差も調査する。今後、情報共有のため、多くの会社が参入できるデータベースも作り、糖尿病に限らず、生活習慣病の予防や労務管理にも利用できるようにしたいとしている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

認知症予防に大規模調査 生活習慣のリスク探る 40歳以上、ネットに登録

2016年06月24日 23時33分29秒 | 医療情報
認知症予防に大規模調査 生活習慣のリスク探る 40歳以上、ネットに登録
2016年6月23日 (木)配信共同通信社

 認知症予防に役立てるため、40歳以上の健康な人にインターネットで登録してもらい、定期的なアンケートを通じて発症に関わる生活習慣のリスクを探る研究を始めると国立精神・神経医療研究センターなどが22日、発表した。

 本年度は8千人、5年間で数万人の登録を計画しており、患者ではない人を対象とした初の大規模研究。7月5日からホームページで登録を受け付ける。

 認知症の多くは、長期間かけて軽度認知障害などを経て発症し、予防や超早期の発見が課題。食事や運動などの生活習慣が発症に関わる可能性も指摘されている。

 希望者は氏名や性別、学歴などの基本情報を登録し、病歴や睡眠、食生活、日常の認知機能などに関する約160項目のアンケートに答える。その後、電話で単語の記憶を確かめる検査も受ける。アンケートと検査は半年ごとに繰り返す。

 研究チームは大量に集めたデータを分析。記憶力の低下につながる生活習慣の要因を調べ、発症の予防に役立てることを目指す。

 登録者には、認知症に関する最新の医療などの情報が提供され、希望すれば開発中の治療薬や予防薬の治験に参加するための案内も届く。

 アドレスはhttp://iroop.jp
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

投票ボタン

blogram投票ボタン