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アルコール依存症対策強化 医療と相談の拠点整備

2016年06月01日 15時55分16秒 | 行政
アルコール依存症対策強化 医療と相談の拠点整備
2016年5月31日 (火)配信共同通信社

 政府は31日、アルコール依存症対策の基本計画を閣議決定した。全都道府県に専門医療機関と相談拠点をそれぞれ1カ所以上整備すると明示したのが特徴。依存症当事者や家族が、居住地域で相談から治療、回復まで切れ目ない支援を受けられる体制づくりを目指す。

 国内のアルコール依存症の人は推計で100万人超に上るが、実際に治療を受けているのは約5万人とされる。こうした状況の解消に向け政府の有識者会議が2月に基本計画案を取りまとめた。

 計画では、専門医療機関は治療の中心となるだけでなく、人材育成や病院間の連携拠点の役割も担う。一方、相談拠点は、依存症当事者や家族と専門医療機関や支援団体をつなぐ役割を担う。

 また計画は、生活習慣病のリスクを高める量の飲酒をしている人の割合について、2020年度の目標を設定。男性は14年の15・8%から13・0%へ引き下げ、女性は8・8%から6・4%に引き下げるとした。

 酒類業界には、若年層の不適切な飲酒などを避けるため広告に関する自主基準の改正を求めた。

 健康づくりの目標を定めた厚生労働省の「健康日本21」は、生活習慣病リスクを高める1日のアルコール量を男性40グラム以上、女性20グラム以上としている。ビールの場合、ロング缶(500ミリリットル)で男性は2本以上、女性1本以上。
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テルモが心臓シート発売 心不全治療用

2016年06月01日 15時35分50秒 | 医療情報
テルモが心臓シート発売 心不全治療用
2016年5月31日 (火)配信共同通信社

 医療機器メーカーのテルモは30日、心不全患者の太ももから筋肉のもとになる細胞を取り出し、培養して治療に使う細胞シート「ハートシート」の販売を始めた、と発表した。心不全治療用の再生医療製品として販売するのは世界初としている。

 シートは重症心不全の患者から採取した細胞を培養。患者の心臓表面に移植すると、心臓の筋肉が活性化し機能回復が期待できるという。患者は医療機関で治療の一環として活用でき、今回は1例目の患者向けに細胞採取キットを発売した。

 ハートシートは昨年、厚生労働省から製造販売の承認を受け、公的医療保険の対象としても認められた。新しい医療技術を使った治療を患者が受けやすくなるとの期待が高まっていた。テルモは、今後年間20~30例の治療での使用を見込んでいる。
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たばこ警告は画像効果大 成人7割、導入に賛成

2016年06月01日 15時14分18秒 | タバコ
たばこ警告は画像効果大 成人7割、導入に賛成
2016年5月31日 (火)配信共同通信社

 国立がん研究センターは30日、たばこのパッケージに示す健康リスクの警告表示は文字だけよりも画像付きが効果的で、国内では成人の7割が画像付き警告の導入に賛成と推計されるとのアンケート結果を公表した。

 31日は、世界保健機関(WHO)が定めた「世界禁煙デー」。国内の喫煙率は近年、下げ止まり傾向にあり、がん研究センターの担当者は「がん死亡者を減らすには喫煙率減少が重要で、諸外国より大きく対応が遅れている警告表示の見直しが急務だ」としている。

 現在、国内で販売するたばこには画像付き警告は義務付けられていない。アンケートは4月にインターネットで実施、成人2千人、未成年440人が回答した。

 アンケート結果を基に喫煙率や年代構成などで調整したところ、画像付き警告の導入に賛成の成人は69・8%、警告スペースを大きくすることには成人の71・8%が賛成との結果となった。

 喫煙でがんができた肺や患者の写真に加え、「喫煙は肺がんを引き起こす」と書かれた2種類の警告表示と、文章だけの3種類について、内容を読むと思う順位を聞いたところ、画像付きのいずれかを1位とした人は喫煙者で58・5%に上った。心筋梗塞や受動喫煙、未成年の喫煙などの警告でも画像付きの順位が高かった。
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ナノ造影剤で低酸素領域の癌細胞可視化

2016年06月01日 14時54分14秒 | 医療情報
ナノ造影剤で低酸素領域の癌細胞可視化
iCONMなど、転移リスク高い悪性癌のイメージング病理診断技術として実用化目指す
化学工業日報2016年5月31日 (火)配信 癌検査に関わる問題

 川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)、東京工業大学、量子科学技術研究開発機構の研究グループは、判別が難しく悪性度の高いがん細胞が存在する腫瘍内低酸素領域を、高感度で可視化するナノマシン造影剤を開発した。がん組織の低ph環境で造影剤をリリース、がん組織たんぱく質と結合して核磁気共鳴画像法(MRI)信号を増幅する。臨床現場で広く普及している低磁場1テスラMRIで低酸素領域を高解像度で解析できる。転移リスクが高い悪性がんを見逃さないイメージング病理診断技術として実用化を目指す。

 開発したナノマシン造影剤は、血液中(pH7・4)では安定だが、がん組織(pH6・5~6・7)に到達すると溶解するリン酸カルシウム粒子に生体適合性に優れた高分子材料で覆ったマンガン造影剤を搭載した。1・5ミリメートル径の大腸がんの肝転移モデルの計測では、既存の造影剤(プリモビスト)より優れた検出力を示す。

 モデルマウスに投与したところ、30分で腫瘍全体が造影され、時間とともに中心部の信号が増強されることが分かった。とくに顕著に信号が増幅した部分は低酸素領域と一致した。

 十分に酸素が供給されない腫瘍内低酸素領域は、一般的に抗がん剤や放射線治療においても抵抗性を示す。また、低酸素環境では、がん細胞が転移・浸潤能力に長けた悪性度が高いがん細胞に変貌するといわれている。低酸素領域診断には放射線による検査法があるが、解像度が低いのが現状だった。
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母乳の亜鉛欠乏リスクが予想以上に

2016年06月01日 14時52分04秒 | 医療情報
母乳の亜鉛欠乏リスクが予想以上に
神戸大など、TNZDの変異を複数確認
化学工業日報2016年5月31日 (火)配信 小児科疾患産婦人科疾患その他

 神戸大学、京都府立医科大学などの研究グループは、母乳に含まれる亜鉛の量が少ないことで乳児が被る「一過性乳児亜鉛欠乏症」(TNZD)の発症にかかわる遺伝的変異を複数確認した。亜鉛は微量栄養素で、摂取不足が乳児の成長障害につながる。発症リスクの度合いの研究については国内報告がほとんどなかったが、今回の研究により予想以上に数多く発生していることが示唆された。

 乳児の成長に必要な亜鉛は体重当たり成人の2~3倍量。そのため母乳には通常、非常に多い量の亜鉛が含まれている。欠乏すると成長障害、皮膚炎、脱毛などの症状が出る。

 研究グループは症例児の母親の協力を得て、血液から回収した母親のDNAを解析。その結果、いずれの母親も乳腺で母乳中へ亜鉛を分泌する機能を担う「ZnT2遺伝子」(亜鉛の膜輸送を担うたんぱく質を産生)上にこれまで報告のない変異(ヘテロh接合体)を見いだした。培養細胞を用いた解析で、これらの変異によって同遺伝子が作る輸送たんぱく質の輸送機能を失わせ、「低亜鉛母乳」を招くことが明らかとなった。

 これまでに複数の研究グループが低亜鉛母乳が遺伝的要因で起こることや遺伝子の変異も同定していたが、変異の発生率やTNZDの発症リスクがどの程度あるのか不明だった。TNZDは乳児への亜鉛補充療法で症状が改善するが、変異情報の蓄積と遺伝子解析により予防技術を発展できる可能性がある。

 国内のTNZDの症例報告数は2007年から14年の8年間で20例。それ以前の26年間の報告数と比べても顕著に増加している。乳児用粉乳に頼らず生後6カ月まで完全母乳栄養を続ける母親が50%以上に増加しているが、対策を打ち出さないとTNZDの発症症例が増えることが予想されるという。
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ウイルス以外の肝がん増加 目立つ生活習慣の問題 予防研究が重要に 「医療新世紀」

2016年06月01日 11時28分44秒 | 医療情報
ウイルス以外の肝がん増加 目立つ生活習慣の問題 予防研究が重要に 「医療新世紀」
2016年5月31日 (火)配信共同通信社

 日本の肝臓がんの原因の大半は、C型を中心とする肝炎ウイルスが占めてきた。だが近年、ウイルス感染のないがんが増え、専門家の注目を集めている。多くは肥満など生活習慣の問題が関係しているとみられるが、詳細は未解明。リスクの高い人を早めに見つけ、がんの予防につなげる研究が重要になりそうだ。

 ▽「非B非C」

 肝臓がんの原因で何が多いかは国や地域により多少の違いがある。日本ではかつて、原因の9割以上がB型とC型の肝炎ウイルスとされていた。

 最も多いC型は、血液を介して感染する。高精度の検査が導入された1992年以降、輸血による感染はほとんどなくなった。また治療が進歩し、発がん前のウイルス排除に道が開けたこともあり、C型ウイルスが原因のがんは徐々に減ってきた。

 代わってじわじわと増えているのが「非B非C」とも呼ばれるB、C型ウイルス以外が原因である肝臓がんだ。これにはアルコール性肝疾患をはじめ、さまざまな原因が含まれることが分かっているが、数の少なさなどから「従来は十分な分析が行われてこなかった」(専門家)という。

 ▽20年間で倍増

 東京大の小池和彦(こいけ・かずひこ)教授(消化器内科)を中心とする共同研究チームは、肝臓がんの診療を手掛ける全国の主要な53医療機関を対象に非B非Cがんの実態調査をした。各施設が91~2010年に診療した患者計約5300人について、年齢、性別のほかがんの原因とみられる肝臓疾患や他の持病、さまざまな検査数値などを報告してもらった。

 その結果、91年に肝臓がん全体の10%だった非B非Cがんは、10年には24%を占めるまでに増加。これを基に全国の非B非Cがんの患者数を推計すると、10年時点で約1万1600人。割合だけでなく実際の患者数も増加したことが明らかになった。

 データの分析を担当した建石良介(たていし・りょうすけ)東京大特任講師(消化器内科)によると、患者の4人に1人はアルコール性肝疾患で、飲酒の影響は大きいとみられた。また、飲酒量は少ないが肥満などにより肝臓に脂肪がたまる「非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)」と診断された患者が1割程度いたほか、約半数はがん以外の持病として糖尿病があったことから、生活習慣の影響が大きいと推定された。

 ▽五つのタイプ

 ただ、肝臓疾患の診断基準を満たさず「分類不能」とされた患者も半数余りいた。

 建石さんは「従来の診断基準では拾いきれない複数の要因が重なって非B非Cがんを起こすのではないか」と考え、症状や検査数値などに共通点がある患者同士をグループにまとめ、各グループの特徴を探る手法で分析を実施した。結果的に、五つの典型的なタイプが浮かび上がった。

 第1は、酒はあまり飲まず、肥満で内臓脂肪が多いメタボリック症候群の男性。第2は、高齢の肥満女性。肝硬変になっていることも多い。第3は、中等度の飲酒習慣があり、肥満で脂肪肝の男性。第4は、大量に飲酒し肝機能が低下している男性。第5のタイプとして、中等度の飲酒をするが肝機能は良好で、一見何の問題もなさそうな男性もいた。

 肥満は、五つのタイプのうち三つに含まれており、特に重要な要因と考えられた。建石さんは「今回の分析は2010年までの20年間が対象だが、診療現場の実感では、肥満やメタボの影響は近年になるほど大きい。新しいデータを加えて分析を続け、がんのリスクが高い人の絞り込みに役立てたい」と話している。(共同=吉本明美)
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血管の若さ、持久力と関係 有酸素運動が有効か 「医療新世紀」

2016年06月01日 11時23分37秒 | 医療情報
血管の若さ、持久力と関係 有酸素運動が有効か 「医療新世紀」
2016年5月31日 (火)配信共同通信社

 持久力がある人は、加齢による動脈硬化が食い止められている可能性があるとする研究を、国立健康・栄養研究所のチームが専門誌に発表した。

 同研究所健康増進研究部の丸藤祐子(がんどう・ゆうこ)研究員らは、東京都と岡山県の26~69歳の健康な男女計470人について、持久力がその後の動脈硬化の進み具合とどう関係していくかを調べた。

 持久力は、自転車をこいでいる間の1分当たりの最大酸素摂取量で評価。動脈硬化の度合いは、血管を脈の波が伝わる速さで判定し、研究開始時から2年後までに血管がどれだけ硬くなったか、変化を調べた。

 対象者を研究開始時の持久力で「低い・中間・高い」の3グループに分け、年齢や体格、血糖値、中性脂肪などの影響を考慮して比較した。その結果、持久力の低いグループはほかのグループより動脈硬化が進行していたのに対し、持久力の高いグループでは2年後にも変化がほとんどなく、動脈硬化が食い止められていたことが分かった。中間グループの進行度合いは、その中間程度だった。

 持久力の高いグループには、ジョギングや水泳、ダンスなど有酸素運動を習慣にしている人が多く、活動的だった。これらの運動は持久力を高める効果があるとされる。持久力は、過去の研究でも、死亡率低下や心血管疾患発症率の低下と関係があることが示されている。

 丸藤さんらは今後、筋力や瞬発力、柔軟性といった持久力以外の体力と動脈硬化との関係も明らかにし、ストレッチのような、より取り組みやすい運動でも動脈硬化を予防できるかどうかを確かめたいとしている。
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わが人生、よかったかな

2016年06月01日 11時00分04秒 | 私自身や健康
わいわいわーーーーい

アガパンサスに蕾4本ほんとよかったよ

土も変え、肥しもやった、よかった~
これから毎年咲いてくれるね。

パソコンルームを変えたよ。
今までは、庭の見渡せる窓のある部屋だったけど
今は、カーテンが引いてあって
外は見えない、
窓が汚くて、カーテンは開けたくない
そんな東北東の畳の部屋
ここがもともと老人部屋
父母が住み、そして、私が寝るところ。
でも、孫が遊び着替え汚すところ。
5歳になったばかりの孫は
婆、寂しいから寝てあげるね、と言って時々、殆ど毎日寝に来るところ。

メインの庭は見えないけれど、映像でしっかり婆には見えるので
庭仕事のプランを立てるには支障なし。

しかし、家に一日いると、ほんと、忙しいね~
やりたいことが次々出てくるわ出てくるわ、焦るな焦るな
でも、夕食づくりをかなりさぼっている。
バランス弁当を買って帰ること多し。
いけないね、でも、心臓が弱っているから仕方ないよね。ということに・・・・・・・・・・

ここのところ、やっと、わが人生、よかったと思えるようになりつつあり、
認知症の勉強をして、みなさんの前でお話したら
わが人生、まだ、認知症になってなくてよかった~~~~~と
思えるようになったからかな?

特に若年性認知症にならなくてよかったよ。
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夏の楽しみ、朝顔など

2016年06月01日 00時13分08秒 | 草花
6月になりました~~~~~

1,2,3月、は長かったけど、4、5月は、早かったかな?
時の流れは、花々とともに、なんて、園芸科みたいだけど
婆は草ぬきとともに、日々を送るかな?

今日も、2時間雑草と戦う。
明日も、2時間戦おうかな?
その間、陽が当たらない場所。

今年は、去年買ったホタルブクロが咲いたよ
宿根草で、すごく、増えそう。

今年は、ミョウガができるといいな~
植え変えて、2年目だから。

今年は、久しぶりのグラジオラスと
孫が学校で植えた朝顔の種を、沢山まいて、沢山双葉が出て、大きくなりつつあること
が、楽しみ。

も一つ、植え変えた、アガパンサスも花が来るといいな、
日陰に植えていたから花が来なかったからね。

去年、巨大ヒマワリが3本、
鳥が種をまいたのか、大きくなって
びっくりしたけど、
もしかして、宿根?
だといいなと思って
楽しみにしていたけど
期待通り
沢山芽が出て大きくなりつつあり。
ものすごく大きくなったので
このふさふさの沢山の芽がでておおきくなりつつあるのも、
去年みたいに巨大になるかな~?~

工事で切られてしまったコデマリも咲いたし
深い真紅の山茶花が切られた横から数本芽が出てきて、来年までにどこまで
大きくなるか
これも楽しみ。

今年は山芋のツルを大きくし、どうなることやら。

梅雨が来ると、雑草のオンパレードとなる。
覚悟しとこう。
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「選ばれた患者」に学ぶ=天野篤・順天堂医院院長

2016年06月01日 00時05分29秒 | 
「選ばれた患者」に学ぶ=天野篤・順天堂医院院長
2016年5月30日 (月)配信毎日新聞社
ひたむきに生きて

 ◇高齢者への手術進歩

 今回は、後に天皇陛下の心臓手術の成功へとつながるきっかけとなった、私にとって思い出深い手術について書いてみたいと思います。

 現在、私が心臓手術をする患者の約1割は80歳以上の高齢者です。しかし、私が心臓外科医を志した30年前は、70代の手術もまだ珍しい時期でした。ある時、80歳の神父が激しい胸痛で病院にやってきました。心電図の変化があまりに強烈だったため、心臓の栄養血管である冠動脈を映し出す心臓カテーテル検査を緊急で行い、直ちに手術となりました。

 さっそく、私が所属していた心臓血管外科のチームは患者の診察に向かいました。チームの決断は比較的スムーズでした。患者はこれまで何一つ病気になることなく、房総の外れの地域で数少ない教会を滞りなく運営していたことから、私たちは高齢でも十分に手術に耐えられると判断しました。3本の冠動脈に血液がきちんと流れるよう迂回(うかい)路(バイパス)を形成するバイパス術を実施したのですが、80代でこの手術は関東圏でも初めてというくらい、当時はとても珍しかったのです。

 術後も一時的な不整脈が出たこと以外は極めて順調。退院後も教会の仕事をしっかり続けられ、90歳を過ぎてから別の病気で亡くなられました。その後も、80代の患者は何例か緊急手術で出会うことになりましたが、患者らの共通した特徴は、日常を元気に過ごされ、外見も至って健康そうな点でした。

 ここで、私が考えたのが「選ばれた患者」です。当時の80代は、そのほとんどが太平洋戦争に敗れて家族や友人らを大勢失い、それでも戦後の動乱の中を生き延びてきた人たちです。そして、健診などがなくてもがんで倒れることなく、戦争から50~60年もたってから冠動脈だけが傷んだため手術する日を迎えたというケースが多いのです。

 こうした患者らとの出会いによって、心臓という臓器は特に頑丈にできているという考えに改めさせられました。超高齢者でも「選ばれた患者」なら、堂々と手術すれば元通り以上の生活に戻れるということを教えてくれたのです。と同時に、生き抜くことが宿命として選ばれた人に対し、その後の生活に支障を来さないよう、合併症をとことん減らさなければならないと決意しました。

 この時から、高齢者の心臓手術をどうしたら良い結果に導けるかが私のライフワークとなりました。そして、試行錯誤する中で出合ったのが、心臓を動かしたままバイパスを形成する「心拍動下冠動脈バイパス術」という画期的な術式でした。その後、この手術を繰り返し行い、従来の手術法よりも高齢者で成功率が高く、貢献度が高いという結果が得られたのです。

 このころは、2012年にこの心臓手術を天皇陛下に行うとは夢にも思っていませんでした。しかし陛下がお元気で各地を訪問されるための礎は、こうして着々とでき上がっていったのです。=次回は6月26日掲載

………………………………………………………………………………………………………

 ■人物略歴

 ◇あまの・あつし

 1955年生まれ。埼玉県出身。83年日本大医学部卒。亀田総合病院、新東京病院、順天堂大教授などを経て、2016年から現職。12年に天皇陛下の心臓バイパス手術を執刀したことで知られる。
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