フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

8月18日(木) 雨のち晴れ

2022-08-19 13:40:59 | Weblog

9時、起床。

丸パン、ベーコン&エッグ、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。丸パンは昨日「パン日和あをや」で購入した。

本日の『ちむどんどん』。失った開店資金200万円は良子夫婦から借りられた。海外旅行のために貯めていたお金がちょうど200万円あったのだそうである。違約金も開店資金も海外旅行費用も一律200万円である。開店資金を基準に考えると、違約金も海外旅行費用も高すぎないだろうか。すべては物語のためである。金は天下と回り物というが、ここでは200万円というお金が物語を回していくための小道具なのである。

朝から降っていた雨は昼には上がった。

2時半ごろ、「吉岡家」へ昼食を食べに行く。

客は私だけ。テレビでは高校野球が流れている。大阪桐蔭の試合だ。

冷やし中華。外で食べるのは今年初めて。とくに冷やし中華が好きというわけではないが、一夏に一度は食べておきたい。トッピングされた具材は「かきまぜない派」である。理屈はセパレートティーをかき混ぜないのと同じで、かき混ぜてしまうと見かけの美しさが損なわれるからである。あちらを食べたり、こちらを食べたり。

今日は外を歩いていても暑苦しくはない。このままちょっと遠出しよう。

品川で京浜東北線(上り)から山手線(外回り)に乗り換える時、昔の癖で、つい階段を上がって隣のホームに移動してしまう。だいぶ前から同じホームの向かいの電車に乗ればいいように変わったのだが、今日も階段を上がってしまった。

恵比寿で下車。久しぶりに東京都写真美術館に行こう。

長い動く歩道を歩く。歩かなくても歩道が動いて出口まで連れて行ってくれるのだが、どうしても歩いてしまう。

恵比寿ガーデンプレイス。

東京都写真美術館に来るのは4月30日以来である。

開催中の展覧会は3つ。いずれも年間パスポートをもっていると無料で観られる。

最初にTOPコレクション「メメント・モリと写真ー死は何を照らしだすのかー」を観る。「メメント・モリ」(死を想え)をキーワードに所蔵作品の中から選ばれた写真(有名なものが多い)が展示されている。

戦場で撮られた写真や病院で撮られた写真はストレートに「死」を意識させるけれども、日常の人物写真や風景写真もそれがすべて過去のものである(遠い過去であれ近い過去であれ)という点においては、「死」あるいは「無常」を意識させるものである。

たとえば、私の春学期の「日常生活の社会学」を受講している学生が、私のブログを読んだ感想をレビューシートに書いて来た。(原文そのままではないが)こんな内容だった。「そこには先生の日常が書かれていて、私は読みながら泣いてしまいました。幸せな日常が続いているのに、それは永遠に続くわけではなくて、絶対に終わりがある。先生には失礼なコメントでしたらすみません。私は平穏で幸せな日常に弱いようです」。

非日常的な写真も日常的な写真も「死」あるいは「無常」を意識させるものであるとすれば、「メメント・モリ」というテーマはどんな写真展にも使える汎用性の高いもので、逆に言えば、言わずもがなのもののように思えるが、人気のあるテーマなのだろう、図録は完売してしまっていた。

2階のショップ前のテーブルでちょっと休憩。

次に「アヴァンガルド勃興ー近代日本の前衛写真ー」を観る。昭和戦前期に前衛写真のブームが日本各地のアマチュア写真家の間で起こったのだが、それを「大阪」「名古屋」「福岡」「東京」という地域別に検証した展示会。

海外の作品の模倣から始まって、それがしだいに「日本化」していくというのは、写真に限らず日本文化のあらゆる領域にいえることであるが(加藤周一はそれを日本文化の雑種性と呼んだ)、この時期の前衛写真については「日本化」していくために十分な時間がなくて(戦中期に突入してしまった)、模倣の段階にとどまったような印象を受けた。

たとえば永田一修のこの作品(タイトル不詳)は、

マン・レイの「映画『ひとで』より」を真似てみたものだし、

小石清の「疲労感」という作品は、

ダリの「記憶の固執」からアイデアを得ているだろう。「上手いな」という印象は受けるが、感動は少ない。

もう1つの展示会「イメージ・メイキングを分解する」は、時間がなくて、早足でしか観られなかったので、感想は述べずにおく。

3つの展示会は会期が違う。

 「アヴァンガルド勃興ー近代日本の前衛写真ー」は8月21日(日)まで。

 「メメント・モリと写真ー死は何を照らしだすのかー」は9月25日(日)まで。

 「イメージ・メイキングを分解する」は10月10日(月・祝)まで。

館外に出たのは5時を回った頃。

恵比寿タワービルに登る。

最上階は39階だが、一つ下の階でエレベーターを降りる。

38階の方が窓が広くて写真を撮るには適しているのだ。

南側の窓から。

西側の窓から。

大きな鳥のような雲が太陽を遮っている。

一階に降りて、コンビニのイートイン・スペースで乾いた喉を潤す。

地上から先ほどの雲を見上げると、かなり形が変わっていた。上空は風が強のだろう。

ビルの壁面に映る雲。

さて、帰ろう。

帰宅してチャイの散歩。

メメント・モリ。お前もいつかいなくなる。

「あなたの方が先かもしれませんよ」

本日発表の東京の新規感染者数は27453人。首都圏では減少傾向が続いているが、日本全体では増加中である。変化はまず中心部でおこり、それが周辺部に波及するから、必然的にタイムラッグが生じる。いずれ日本全体も減少傾向に転じるはずだが、そのためには首都圏の減少傾向がさらに進まなくてはならない。

夕食は海老団子と茄子のピリ辛トマト煮、サラダ、玉子とキャベツの味噌汁、ごはん。

妻の得意料理の一つだが、「最近は団子が煮崩れしないようになったわ」と妻。誇らしげである。「何かコツをつかんだの?」と聞くと、「よくこねるのよ」と答えた。うん、基本ですね。

食事をしながら『プレバト』(追っかけ再生)を観る。

デザートは葡萄(小粒なシャインマスカット)。

風呂から出て、今日の日記を付ける。

1時半、就寝。

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