フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

2月8日(金) 晴れ

2008-02-09 12:01:50 | Weblog
  8時、起床。朝食は卵焼き、トースト、紅茶。フィールドノートの更新を済ませから、『社会学年誌』の次号(いま校正の最終段階にある49号ではなくて、その次の50号)の特集論文の依頼のために、佐藤先生、正岡先生、浜口先生のご自宅に電話をする。われわれ教員はお互いを常日頃から「先生」と呼び合っているが、このお三人は、私が学部の学生の頃にすでに先生だった方々で(いまは定年退職されている)、私にとって本来の意味での「先生」である。電話をかけるのも緊張する。とくにお一人の方は、電話がお嫌いで、一刻も早く電話を切りたがっている様子が受話器の向こうからひしひしと伝わってくるので、こちらも焦ってしまうのである。原稿の方はみなさん引き受けてくださったので、ホッとした。
  昼から大学へ。途中、丸善丸の内店に寄って、文具のバーゲンセールをのぞいたが、とくに欲しいものはなく、バーゲン品ではないライフ社の「ノーブル・ノート・セクション」というノートを購入。見本品で書き味を試してみたが、万年筆で書いてもインクの裏抜けがほとんどない大変によい紙を使っている。机上において開いたときのフラット感もいい。朱色の表紙に「LIFE」の金文字が美しい。これから執筆する予定の『ライフストーリー分析』『ライフストーリーの社会学(仮題)』の準備ノートとして使おうかと思う。
  早稲田に着いて、「秀永」で昼食(油淋鶏定食)をとってから、研究室へ。現代人間論系の教室会議までまだ2時間以上ある。本を読んでいると、外線から電話がかかってきて、出ると、前にも一度かかってきたことのあるマンション販売会社の営業ウーマンからである。よく言えばフレンドリー、悪くいえば馴れ馴れしいトークをする人で、15分ほどお相手をする。初回の電話で「私が資産運用のためにマンションを購入するつもりはない3つの理由」を懇切的寧に話して理解してもらったと思っていたのだが、それがかえってあちらの営業魂に火を着けてしまったのか、あるいは営業の途中の暇つぶしでかけてきたのか、これから研究室にうかがってもいいですかという。営業で成功するためにはこういう図々しさが必要なのであろう。せっかくですが大学は昨日から3月初旬まで入試業務のため、学外者立ち入り禁止になっていますと告げる。キャンパスはしばしの冬篭りの季節に入ったのである。
  午後4時から教室会議。3月18日の進級ガイダンスは、(1)論系全体のカリキュラムの説明、(2)ゼミ担当教員の挨拶、(3)社会福祉士資格について、の3部構成。(1)は私の担当ということになった。科目登録の仕方など説明を間違えて混乱が生じないようにしっかり予習をして臨まなくてはならないが、こういうことには滅法強い、元教務担当教務主任ならびに前カリキュラム委員会委員長の安藤先生がいるから安心だ。講義要項の校正ゲラ(再校)が出たので、それも教室会議の時間内に片付ける。初校にはあった「教科書」欄が消えている! びっくりして事務所に確認したら講義要項のボリューム削減のため今回からそうすることになったそうだ。Web版で見られるとはいえ、また、生協が配布する教科書一覧というものがあるとはいえ、「教科書」欄を講義要項から削除するというのはないんじゃないのか。そういうことは事前には知らされていなかった。もし知ってたら講義概要(本文)の末尾に教科書についての情報を書き込んでおいたであろう。初回の授業に受講生が教科書をもってくるかどうかというのは、授業の進行に大きく影響するのである。しかたがない、多くの学生が教科書をまだ購入していないことを前提に初回の講義プランを立てるほかあるまい。どこもかしこも経費削減、経費削減だが、「小さな節約、大きな損失」ということもあるのである。
  研究室の本を10冊ほど自宅で読むために持って帰る。100円ショップで購入した2つの紙袋に入れて持って帰ったら、電車の中で小さな女の子や女子高生が私の方を指差して「かわいい!」と言った。今度は美しい風景の写真の紙袋にして、「きれい!」と言われてみたい。