野楽里倶楽部 in 那須 ~のらり~

田舎での日々の暮らし・山野草       

べラ帰る

2008-03-19 20:02:25 | 花藍
幼い頃から動物が大好きだった
ところが母はあまり好きではなく、それでも私が拾ってきた子猫を
シブシブ飼うことを許してくれた
もう何十年も前のことなので猫の名前は忘れてしまったけれど
猫は順調に育って大人になり
ある日近所で飼っていたカナリアを銜えて帰ってきた
母はすごく怒って、私を連れて近所の家に誤りに行った

それ以来猫はなんとなく苦手になって

再び猫を飼うことはなかった

ところが7,8年前、埼玉の家のテラスに
野良猫が住みついて子猫を2匹生んでしまった
初めて子猫を見つけたとき
目は目ヤニで潰れ、ガリガリにやせて

そのままにしておくわけけにもいかなくて
動物病院へと連れて行ったところ
先生はどんな病気を持っているかわからないし
もう助からないかもしれないから処分したほうがいいといって
引き取ってくれるところを紹介してくれた

迷いながら家に連れて帰ると
子犬を亡くしたばかりのチビが
お乳をあげ、目の周りを舐めて、取り上げると
せつない声を上げて泣いた・・・しばらく様子をみることにして
子猫をチビに預けた

チビノ献身的な世話で
助からないから処分した方がいいと言われた2匹の子猫は
みるみる元気に育っていった

そして1匹は友人に貰われ

尻尾が鍵型に曲がった真っ黒い子猫を飼うことになった
ベランダで生まれたので名前はべラ

イヌ7匹に囲まれてスクスクと育ち・・・
ところが犬と一緒のせいかオシッコのしっけが出来ない

べラ専用の砂を入れたトイレを作ってあげても
家中すきなところにオシッコをしてあるく
一番困ったのはキッチンのシンク
臭いが何時までも取れない
いくら怒ってもなおらずとうとう埼玉の家のベランダで飼う事に

たまに那須に連れてくるとクロベイと寄り添うように寝て
散歩のときは二ャー二ャ泣きながら犬の後は必死に付いてきた

嫌いじゃないけど犬のようには好きになれず
大人になってからべラは大部分の時間を埼玉で一人過すようになった

時々2,3日いなくなり顔に大きな傷を負って帰ってきた
そうこうしているうちに姿を消したまま帰ってこなくなった
車にでも引かれてしまったのか?

それから5,6年
べラのことを思い出すこともなくなった

ところが先日埼玉の家に帰ったとき
庭の落ち葉の上で日向ぼっこしている黒い猫が

左の目の下から頬にかけての傷跡
カギ型に曲がった尻尾・・・それはまぎれもなく

家人に聞いたら数日前から姿を見かけるようになったとか

こんなに長い間どこえ行っていたのか
そして家を忘れずよく帰ってきた

私があまり猫は好きじゃないことを感じ取っていたのか
いっも一定の距離をおいてジッとこちらの様子を覗い
餌の時以外はけして足元に寄って来る事はなかった

「べラ」と名前を呼んだら以前と同じように
ジッと様子を覗うような目で私を見つめ
近づくとスートやはり以前と同じように移動してしまった

犬と平等に可愛がってあげなかったことを後悔
でも無事に生きていてくれたことで
後悔を取り戻せるかも・・・・