ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

最近、気になった言葉3

2022-08-25 15:15:00 | 日記
奥さんが「甲斐バンドや甲斐さんの記事がアップされるかも知れない」という
不純な動機でチェックしている(笑)西日本新聞の公式サイトに
光石研さんのエッセイが連載されているんですが

「『酔う』にも色々な種類がある。車だったり、船だったり、お酒だったり…
共演者に有名な方が多い時、僕は『オーラ酔い』してしまう」という書き出しの回があり
その続きには、北野武監督の「アウトレイジ ビヨンド」に出演なさった際に
「有名人だらけ、しかも先輩だらけ」の現場で
「当時、とうに五十を過ぎていた僕だが、控室では諸先輩にお茶を配っていた」とか(笑)

「ただただ緊張の北野組ではあったが、沢山のオーラに囲まれて心地よい酔いを味わった
今まで飲んだことのない高級なワインやブランデーを楽しい会話と共に戴いた時のように
帰り道、夜風にあたりながら、いつまでもニヤニヤが止まらなかった
そんな酔いだった」…といった説明をされているんだけど

イヤイヤ!光石さんだって、甲斐さん絶賛のドラマ「最愛」で
ひたすら我が子を愛する優しい父親を演じられたかと思ったら
今クールの「純愛ディソナンス」では、冷酷非情な経営者になりきられているし
様々な役をこなされる名バイプレイヤーでいらっしゃると思います

あっ!ただ、鶴瓶師匠が、映画「おとうと」に出演なさった時
小林稔侍さんが「椅子から立ち上がって、廊下に出て行く」というだけのシーンで
何度も何度も、山田洋次監督からダメ出しを受けていらしたと話され
そのNG連発について、小林さんは「吉永小百合さんがいると思うと
ついウキウキしてしまうのが、監督には判るのかな?」とおっしゃったらしく(笑)
同じ役者同士とはいっても、やはり「スター」の方は特別な存在なのかも知れないなあと…?

ともあれ…光石さんは「労働者や職人の衣装を身につけると、必ずと言っていいほど褒められる
『イヤー、ドカジャンが似合いますね』とか
『その作業着に長靴、着こなしますね、自前のようです』とか
スタッフの皆さんが、口々にそう言って下さる。確かに自分でも似合ってると思う
ちょっと髪をボサボサにして、首にタオルを巻き、無精ひげでも生やせば完璧だ
実際のお仕事の方を上回るクオリティだ

十数年前は喜んでいた。俳優は役になりきってこそ俳優だと…
役が憑依し、日常でも目つきが変わったり、言葉使いが役のままになったり
撮影後のインタビューで『イヤー、役が抜けずに大変だったんだ』などと呟く
なんだったら、ドカジャンと作業着のまま帰り、翌日もそのまま現場に現れる
これこそが俳優だと思っていた

しかし、しかしだ、それってさあ、衣装に負けてるってことでしょ?
っていうか、あまりにオーラがなさすぎて、衣装に助けて貰ってるってことでしょ?
名優の方々は、どんなものを着ていようとオーラが出まくる
衣装をオーラが包みこみ、その方本人が浮き上がる。それこそが名優ってものでしょ?

高倉健さんはドカジャン着ていても、高倉健さんだ
緒形拳さんが作業着を着ていても、緒形拳さんなのだ
衣装に馴染んで喜んでるなんて、まだまだ
ああ、オーラって、どうやったら身につくのだろう
ああ、オーラが欲しい。どなたか売ってるところ、知りませんか?」と記されていて(笑)

まあ確かに、高倉健さんや緒形拳さん、あと田村正和さんや木村拓哉さんなど
どんな役をどんな衣装で演じられても、ご本人が「浮き上がる」という方々がおられますが
逆に、光石さんのおっしゃる「憑依型」の俳優さんも大勢いらっしゃる訳で
一度、その方のなりきられた役を観てしまったら
もうその役を他の俳優さんが演じられても違和感しかない…といったことになるんじゃないかと…?

役の上で「本人が浮き上がる」って「ザ・スター!」って感じはするものの
キャスティングありき…というか、主演を張られる方にアテ書きする場合
その俳優さんの魅力を最大限に活かした作品になって当然だと思うし
純粋にストーリーを楽しむ上では「どんな色にも染まります」という
「カメレオン俳優」さんの方がイイような気が…?まあ、あくまで個人の見解ですけど…(笑)

よく著名人の方が、映画やアニメのアフレコをなさったりしますが
あまりに声が際立って聞こえると、スクリーンや画面に映っているキャラクターが
かすんでしまったり、ストーリーがイマイチ入って来ない…なんてことがあったりするし
…って、甲斐さんが声優を務められた「スコップさん」は
キャラクターの方が、甲斐さんに寄せてありましたしね?(笑)

そういえば…「刑事コロンボ」で、小池朝雄さんの声に馴染みすぎてたせいで
ピーター・フォークが他の作品に出演しているのを観た時
「えっ!?誰?なに、この声?」と落ち着かない気分になったことがアリマス(笑)

それはともかく…素の状態で、いわゆる「芸能人オーラ」が出ることと
作品の中でオーラが出ることは、また違うものなんでしょうけど
奥さんは、甲斐バンドの楽曲をモチーフにしたオムニバス映画
「破れたハートを売り物に」の中の1本に出演された光石さんを、その舞台挨拶で間近に拝見し
「すごくお洒落な人だったし、もし街でスレ違ったら、絶対に気づくと思うよ」と申しておりました

…ということで、続いては、今年の「春の叙勲」を受章された桃井かおりさんのコメントです
気だるい独特な言い回しをよくモノマネされておられるくらい「桃井さんと言えば…」という
「その桃井かおりのイメージが強くなりすぎて、捨てた方がいいと思った」と桃井さん

アメリカに移られ「SAYURI」などに出演なさったことで
「今は、日本語のセリフを言う時に、全然違った感じになった。少しは俳優になってきた感じ(笑)
私は、文学でも音楽でも表現できない何かを目指している
セリフを手がかりにして、その人の人生を体験し、構築する
AIには出来ない。人間がやらないといけない仕事です」とおっしゃっていて

「個性」というのは、本来「武器」となるはずのもので
「この役にピッタリ!」とか「これを演じられるのは君だけだ!」と
役者として、かなり嬉しいんじゃないかというオファーのされ方に結びつきそうな一方で
それが「当たり役」「ハマリ役」みたいに、イメージが決まってしまうと
幅が狭まったり、マンネリ化したり、それを打破すべく新たな役に挑んでも
「しっくり来ない」などと言われたり…(汗)

桃井さんのように、生活の拠点を変えるなど、大きな方向転換をなさるか
例えば、三浦友和さんみたいに、年齢を重ねられることで
自然にそれまでのイメージが払拭されるのを待つか?(汗)
だって、奥さんの世代の皆さんには、超正統派の二枚目俳優で
百恵さんと結婚なさってからは、良き夫、良き父というイメージでいらしたのが
今や、それこそ「アウトレイジ」…「全員悪人」ですもんね?(笑)

余談ですが…桜木紫乃さんが、カルーセル麻紀さんをモデルにお書きになった小説
「緋の河」の続編となる「孤蝶の城」の中で…
モロッコで下半身の手術を受けた主人公に
「見た目をどんなに女陰に似せようと、この体にとっては『傷』なのだ
あたしは、あたしの本物にならなくちゃ」と言わせ
「自分らしく」あることが、いかに細く険しい道かということを突きつけておられます

同作についてのインタビューでは…カルーセル麻紀さんには
小説を書くことの承諾のみ取りつけられただけで、あえて取材はなさらず
古い週刊誌の記事や麻紀さんご自身の著書などを資料に
「泣いて認めて貰おうとする子供ではなく
泣かないで生きてきた人の声に耳を傾ける時なんじゃないか」との思いでお書きになったと話され

更に…「気分は素人。楽しくってしょうがない
本にならなくてもいいや…とまで思ったのは
『ラブレス』とこの2冊だけです」と明かされていて
栗本薫さんが「この作品のタイトルは、甲斐よしひろの同名の曲から…」と書かれた「翼あるもの」も
プロの作家として、締切に追われることも、制約に縛られることもなく
また、どなたにお見せになるでもなく
ご自身の書きたいものを書きたいように、ただひたすら、お書きになるという
「蜜月」の中で完成した作品だと、おっしゃっていたことを思い出しました
コメント
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