甲斐さんが「最初に本気で好きになったレコード」として
ゴダール監督の映画「女と男のいる舗道」のサントラ盤を挙げられ
「ヌーヴェル・ヴァーグがどうとか、そんな崇高な理由など何もない
だって、こっちは小学3年生だもの」とおっしゃったり(笑)
甲斐さんお気に入りの南佳孝さんのアルバム「冒険王」に収録されている
【PEACE】という曲(作詞は松本隆さん)の中に
主人公の恋人らしき女性が「ゴダールの映画って難しくて嫌い」と話す歌詞があったりと
「難解」が代名詞のような作品で有名な監督ですが
「気狂いピエロ」と「勝手にしやがれ」の新訳を手がけられた
元シュガー・ベイブのベーシスト寺尾次郎さんは…
「字幕は長くても6秒しか出ないので
すぐに判る言葉に置き換えればいいのですが
ここで、それをすると監督を裏切ることになる
その判らなさを持ち帰って、自分の中で時間をかけて
咀嚼してくれたらなと思います」と話されていて
やはり同じ作り手として、事細かに解説するより
それぞれ自由に受け取ってくれればいい…
といったミュージシャンらしい捉え方が似ていらっしゃるんだなあと…(笑)
武者小路千家家元後嗣・千宗屋氏も…
「わかりやすさというのは、親切なように見えて
実は、非常に不親切なことなのかも知れません
その人が気づく機会を奪うから」…と話されてますけど
映画・ジャズ評論家の植草甚一さんは…
「エリック・ドルフィーの吹くフルートやバスクラリネットには
死地に赴くような切迫感があった」と絶賛されたものの
その分類不能な前衛の試みは、理解可能な型にはめて評されがちで
レギュラーバンドも持てない悲運のジャズ奏者をおもんばかり
「いい加減な誉め方をするのは、可哀想なことだ」と憤っておられたようで
都合のいい解釈で判ったつもりになるのではなく
判らないことは「判らない」と認めた上で
「ただ、私はこう思う」というスタンスから
掘り下げて行くのが良いんじゃないかと…?
昆虫採集で諸地域を回られる養老孟司さんも…
「自然のことは、今もって判らないことばかり
判らないけれど、これは大事と知ること
判らないものを前にして、判らないままそれに正確に対処できることが重要
世界のことが判って来たような気になるのは
判らないものを切り捨てて行くからである」と記されてますし…
でないと、風媒社出版代表の稲垣喜代志さんがおっしゃるように
「『ものわかりの良さ』こそ
私たちが駆逐しなければならない最大の敵である
空気を読むとか、老後のことまでそつなく考えるといった『冷めた人間』が溢れ」
著述家の菅野完さんが…
あからさまな指示がなくとも、上の意向を察して
一様に無反省に動く人々を「全自動忖度機」と命名なさって
「忖度」は本来、他人に思いを馳せ
心中を推し量るという想像力を意味する言葉のはずが
今や「『組織人の悲しいまでにいじましい習性』となってしまった」…と嘆かれたり
社会学者の岸政彦さんが…
「この社会では、人を理解することも、自分が理解されることも諦め
人と距離を置くことと、お互いを尊重することが、一緒になっています」
と末期的症状を憂慮なさることに…(汗)
一方で、翻訳家の柴田元幸さんは…
幼い頃から「自分は世界に求められていない」
「世界は筋が通らない場所だ」と感じていらしたらしく
「自分がやっている仕事で、誰かが喜んでくれるだけで、とても嬉しい
世界に対する期待が低いと、幸せを感じるのも割りと簡単なのかも」…と話され
脚本家の山田太一さんも…「私たちは少し、この世界にも他人にも自分にも
期待し過ぎてはいないだろうか?
1人で出来ることも、衆知を集めて出来ることも、たかが知れている
人の生の通奏低音は『無力』である
可能性を極点まで探るのもいいが、そうすると、自他への不満を抱え
追い立てられるように生を終わることになる
可能性があっても、どこかで断念することも大事
『力点』を間違えてはいけない」…とおっしゃっていて
承認欲求が強すぎるのも考えものなのかも知れません
ただ、行動経済学者のダン・アリエリー氏は…「何も期待しないことの害は
それ以上何も得られずに終わってしまうかも知れないということだ
場の雰囲気が、前評判が、高めの価格が
味覚を、鑑賞の歓びを、薬効を高めることがある
人の満足は、それほどに情報や期待に左右されやすい
『期待しなければ失望もない』という教訓は
人を過ちの手前で思い留まらせはするが
『肯定的な予測』なしに幸福の到来はない」…と指摘しています
「世界一貧しい大統領」と呼ばれた
ウルグアイの前大統領ホセ・ムヒカ氏の
「私が思う『貧しい人』とは、限りない欲を持ち
いくらあっても満足しない人のことだ
人はモノを金で買った気でいるが
実は、その金を稼ぐために費やした人生という時間で買ったのだ
買い物と引き換えに、人生の残り時間が目減りしては元も子もない
その点、私は質素なだけで貧しくはない」という言葉に1票かなあ…
ゴダール監督の映画「女と男のいる舗道」のサントラ盤を挙げられ
「ヌーヴェル・ヴァーグがどうとか、そんな崇高な理由など何もない
だって、こっちは小学3年生だもの」とおっしゃったり(笑)
甲斐さんお気に入りの南佳孝さんのアルバム「冒険王」に収録されている
【PEACE】という曲(作詞は松本隆さん)の中に
主人公の恋人らしき女性が「ゴダールの映画って難しくて嫌い」と話す歌詞があったりと
「難解」が代名詞のような作品で有名な監督ですが
「気狂いピエロ」と「勝手にしやがれ」の新訳を手がけられた
元シュガー・ベイブのベーシスト寺尾次郎さんは…
「字幕は長くても6秒しか出ないので
すぐに判る言葉に置き換えればいいのですが
ここで、それをすると監督を裏切ることになる
その判らなさを持ち帰って、自分の中で時間をかけて
咀嚼してくれたらなと思います」と話されていて
やはり同じ作り手として、事細かに解説するより
それぞれ自由に受け取ってくれればいい…
といったミュージシャンらしい捉え方が似ていらっしゃるんだなあと…(笑)
武者小路千家家元後嗣・千宗屋氏も…
「わかりやすさというのは、親切なように見えて
実は、非常に不親切なことなのかも知れません
その人が気づく機会を奪うから」…と話されてますけど
映画・ジャズ評論家の植草甚一さんは…
「エリック・ドルフィーの吹くフルートやバスクラリネットには
死地に赴くような切迫感があった」と絶賛されたものの
その分類不能な前衛の試みは、理解可能な型にはめて評されがちで
レギュラーバンドも持てない悲運のジャズ奏者をおもんばかり
「いい加減な誉め方をするのは、可哀想なことだ」と憤っておられたようで
都合のいい解釈で判ったつもりになるのではなく
判らないことは「判らない」と認めた上で
「ただ、私はこう思う」というスタンスから
掘り下げて行くのが良いんじゃないかと…?
昆虫採集で諸地域を回られる養老孟司さんも…
「自然のことは、今もって判らないことばかり
判らないけれど、これは大事と知ること
判らないものを前にして、判らないままそれに正確に対処できることが重要
世界のことが判って来たような気になるのは
判らないものを切り捨てて行くからである」と記されてますし…
でないと、風媒社出版代表の稲垣喜代志さんがおっしゃるように
「『ものわかりの良さ』こそ
私たちが駆逐しなければならない最大の敵である
空気を読むとか、老後のことまでそつなく考えるといった『冷めた人間』が溢れ」
著述家の菅野完さんが…
あからさまな指示がなくとも、上の意向を察して
一様に無反省に動く人々を「全自動忖度機」と命名なさって
「忖度」は本来、他人に思いを馳せ
心中を推し量るという想像力を意味する言葉のはずが
今や「『組織人の悲しいまでにいじましい習性』となってしまった」…と嘆かれたり
社会学者の岸政彦さんが…
「この社会では、人を理解することも、自分が理解されることも諦め
人と距離を置くことと、お互いを尊重することが、一緒になっています」
と末期的症状を憂慮なさることに…(汗)
一方で、翻訳家の柴田元幸さんは…
幼い頃から「自分は世界に求められていない」
「世界は筋が通らない場所だ」と感じていらしたらしく
「自分がやっている仕事で、誰かが喜んでくれるだけで、とても嬉しい
世界に対する期待が低いと、幸せを感じるのも割りと簡単なのかも」…と話され
脚本家の山田太一さんも…「私たちは少し、この世界にも他人にも自分にも
期待し過ぎてはいないだろうか?
1人で出来ることも、衆知を集めて出来ることも、たかが知れている
人の生の通奏低音は『無力』である
可能性を極点まで探るのもいいが、そうすると、自他への不満を抱え
追い立てられるように生を終わることになる
可能性があっても、どこかで断念することも大事
『力点』を間違えてはいけない」…とおっしゃっていて
承認欲求が強すぎるのも考えものなのかも知れません
ただ、行動経済学者のダン・アリエリー氏は…「何も期待しないことの害は
それ以上何も得られずに終わってしまうかも知れないということだ
場の雰囲気が、前評判が、高めの価格が
味覚を、鑑賞の歓びを、薬効を高めることがある
人の満足は、それほどに情報や期待に左右されやすい
『期待しなければ失望もない』という教訓は
人を過ちの手前で思い留まらせはするが
『肯定的な予測』なしに幸福の到来はない」…と指摘しています
「世界一貧しい大統領」と呼ばれた
ウルグアイの前大統領ホセ・ムヒカ氏の
「私が思う『貧しい人』とは、限りない欲を持ち
いくらあっても満足しない人のことだ
人はモノを金で買った気でいるが
実は、その金を稼ぐために費やした人生という時間で買ったのだ
買い物と引き換えに、人生の残り時間が目減りしては元も子もない
その点、私は質素なだけで貧しくはない」という言葉に1票かなあ…