ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

グリーンブック1(ネタバレあり)

2019-03-21 21:16:48 | 日記
甲斐さんのオススメ映画であり、アカデミー作品賞に輝いたとあっては

観ない訳には行かないだろう(笑)…ということで

珍しく?意見と休日が一致した我が家(笑)

ただ、これから何かと忙しくなる奥さんの主張により

もうひとつ気になっていた「運び屋」との2本立てとなりました(笑)





山形国際映画祭以来、映画のハシゴに慣れている奥さんと違って

ボクには若干の不安があったんだけど

この2本を立て続けに鑑賞したことで

それぞれを単独で観ていたら味わえなかったかも知れない?点もあり

まあ、結果オーライかな?(笑)





…で、まず「グリーンブック」ですが

前評判通り…イヤ、それ以上に素晴らしい♪

「グリーンブック」というタイトル…

正しくは「黒人ドライバーのためのグリーンブック」…が示す通り

人種差別というシリアスな問題が取り上げられているものの





生まれも育ちも性格も価値観も何もかも正反対の2人の男性が

バディとなって旅をする様子をコミカルなテイストで描いたロードムービーは

爽やかな風が吹いたような、暖かいお茶を飲んだような後味





パンフレットに「起承転結」がしっかりした作品との一文がありましたが

それが「まあ!よく出来た話!」ではなく

「実話」に基づいたものだということに改めて感動します





その「起」では、ナイトクラブ「コパカバーナ」の用心棒…

ヴィゴ・モーテンセン演じるトニー「リップ」バレロンガの腕っぷしの強さや

黒人業者が使ったコップを捨てるような偏見に満ちた点に触れ





コパカバーナの改装のため、仕事を探すトニーに

「ドクターの運転手」という話が舞い込み

指定された住所を訪れると、そこはカーネギーホールで

マハーシャラ・アリ演じる「ドクター」は

音楽、心理学、典礼芸術の博士号を持つ

黒人天才ピアニストのドナルド・シャーリー





カーネギーホール上層の高級マンションで

「玉座」みたいな椅子に掛けたドクターから

「黒人との仕事に抵抗が?」と訊かれ、即座に「ないね」と答えたものの

仕事の内容が、運転だけでなく、身の回りの世話も含むと知り

「俺は召し使いじゃない」と断るトニー





でも、1962年当時のディープサウスは、黒人差別が合法化されており

公立学校、公衆トイレ、バス、ホテル、レストランなどが

白人用と黒人用に分けられていたことはもちろん

往来でも、黒人が立ち止まったり、座っていい場所が指定されていたり

夜に黒人が外出することを禁止する町もあり





知らずに足を踏み入れると、差別的な言葉で罵倒され

暴力を振るわれ、逮捕されることになるため

シャーリーは、どうしてもトニーに同行して欲しかったらしく

トニーの言う通りの給料を支払うと約束





…が、トニーは、その南部ツアーに出発する朝から

シャーリーの荷物をトランクに積み込もうとせず

妻のドロレスが持たせてくれたサンドイッチをほおばり

タバコを吸っては、ペラペラと喋りまくり





シャーリーから、手はハンドルの10時と2時の位置に…とか、前を見て…とか

少しは静かにしてくれないかと注意され

シャーリー用のサンドイッチまで平らげてしまう…といった不穏なスタート(苦笑)





まあ、ガサツで無教養なイタリア系アメリカ人と

ストラヴィンスキーに「神の域の技巧」と絶賛され

ケネディ大統領を始め、上流階級の人々の前で演奏する孤高のピアニスト

到底、相容れそうもないですよねぇ…





休憩先で売られていた翡翠石が、地面に落ちていたのを

トニーが、こっそり拾ってポケットに入れたことを咎めるシャーリー

トニーが「ただの石ころだ、お守りだ」と言い訳しても取り合わず

ムカッ腹で売り場に石を置くトニー





カーラジオから聞こえる流行りの曲ひとつを取っても

「リトル・リチャードを知らないのか!?」

「アレサ・フランクリンは、ブラザーだろ」とトニーは、いちいち驚き





「ケンタッキーといえばフライドチキンだ!

黒人のソウルフードだろう」と決めつけ

食べたがらないシャーリーの鼻先にチキンを差し出し





「手は、10時と2時に置かなきゃいけないんだろ?」…で一本取ったものの(笑)

チキンが入っていたパッケージを窓から投げ捨てたトコで

車がバックしてゴミを拾うカットが…(笑)





「承」では、シャーリーが、コンサートの関係者…

いわゆる上流階級の人々に、トニーを紹介したいと申し出たものの

トニーは、言葉遣いや態度を改める気がなく

会場の外から演奏を眺めることに…





でも、イタリア系の血が騒いだのか?

それとも、コパカバーナで夜毎奏でられる音楽で鍛えられたのか?

シャーリーの演奏が、とんでもなく素晴らしいことに気づき

シャーリーを見る目が少し変わったようで





ある会場に着いたら、スタインウェイ製のピアノが用意されておらず

しかも、ゴミにまみれたピアノを見て

「ドン・シャーリーは、スタインウェイしか弾かないんだ!」と

力づくでピアノを用意させたり

グリーンブックに載っていた粗末なホテルを見て「ウソだろ!?」と憤ったり

高級紳士服店で、スーツの試着を断られたシャーリーの代わりに怒ったり…





一方、シャーリーも、白人バーで殴られたところを

トニーに助けられたこともあり、信頼度を増して行き

トニーがドロレスに書いている手紙を添削指導(笑)

…って、まあ、シャーリーが口述するのを、トニーが書くだけですが(笑)

ドロレスはもちろん、周囲の女性陣は全員胸キュンキュン♪(笑)





黒人たちが農作業しているそばで、タイヤがパンクし

白人であるトニーがタイヤを交換するのを見ていた農夫たちが

車の後部座席に座ったままのシャーリーに気づき

信じられないものを見たように表情を強張らせているシーンは

当時の空気を強く感じさせると共に

トニーがごくごく自然に、当然の仕事としてタイヤ交換する姿が印象的でした

コメント
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