甲斐さんが連載されていた、日刊スポーツ「見るTV」に
北京五輪・女子柔道の塚田真希選手が
終了8秒前に背負い投げで、逆転の一本負けを喫した試合を挙げられ
「勝負事だから、もちろん勝ってくれた方が嬉しいに決まっているが
勝負を度外視しても[よくやった]と
声をかけてあげたいと思える瞬間がある」と書かれてました
「いつも帯をゆるめにしといて
注意されるとほどけた帯を締め直しつつ、休み休み冷静に相手を焦らす
老練なアノ中国の選手を相手にしての勝負
全知全能を駆使して、全ての気力を振り絞り
その結果ゆえのあの溢れ出る思いを止められないクシャクシャな泣き顔
いいものを見せて貰ったと思った。忘れません」と甲斐さん
予てより「大事な大会の前夜に
熱が出たり、お腹を壊したりするというのは
ホントに申し訳ないんだけど
それもその人の実力だと思うのね」とおっしゃっていた方ですから
「言い訳」や「逃げ道」のない、持てる「実力」そのものを
全て注ぎ込んでの敗戦に惜しみない拍手を贈られたんでしょうね
柔道五輪3連覇の野村忠宏さんは、初出場のアトランタ五輪の時から
「言い訳が出来ない状況を作ることを常に意識していた」そうで
アトランタ本番2ヶ月前に膝を負傷された時も「何とかなる」ではなく
「何とかならなかった時の後悔は取り戻せない」と
「最初で最後の五輪」と思って臨まれたという
2回目のシドニー、3回目のアテネでは
「ああしろ、こうしろと言うコーチが居なくなって
勝つも負けるも自分の責任になった」と野村さん
「畳の上では自分一人、誰も助けてくれない
だから、自分をいかに持つかが大事
そういう部分は本当にわがままだった
扱いづらい選手だったと思うけど
勝つために貫くわがままはあっていい」と話されているんですが
現役時代には野村選手のそういう思いを知らなかったのにも関わらず
「野村選手大好き♪」と言っていた奥さん(笑)
見た目(笑)やプレーだけじゃなく
「わがままよっちゃん(笑)」的な匂いを嗅ぎとっていたのかも知れません(笑)
今回、引退後初の五輪をキャスターとしてご覧になるにあたって
野村さんは…「選手は全てをかけて五輪に挑む
普通の人には想像もつかない時間や情熱をかけて舞台に立つ
だから、選手も周りの人も結果を求める
でも、全ての人が結果を出せる訳じゃない
目標に届かなかった選手は、言葉の上では敗者かも知れない
でもそれは責められることじゃない
もちろん勝った選手が注目されるし、そうであるべきなんだけど
そうじゃないもの…悔しさ、涙、ある種の後悔
…を伝える場所があればいいな」とおっしゃっていて
その言葉通り、初出場ながら優勝候補の呼び声高かった
81キロ級の永瀬選手の銅メダルは
「[よくやった]という銅ではない
本人にとっては悔やまれる銅と言っていいだろう」と評され
「この日を[いい経験]にしなくてはいけないが
負けたことがいい経験になるのではない
負けた時の悔しさを次の場面で生かした時に初めて
このリオでの敗戦がいい経験と言えるようになる」と話されてます
もっとも、やはり3位決定戦の末に、銅メダルを獲得された松本薫選手が
そのメダルを見ながら「銅だと嬉しくないんですね」と感想を漏らされた時
野村さんいわく…嬉しくない…のかな?
俺、持ったことがないから判らへんねん
…って、ですよねぇ(笑)
女子70キロ級・田知本遥選手は、ロンドン五輪の際も今回も
実績でご自身を上回っていた姉の愛さんが出場できなかったのに
ご自身が2度も出場できることが不思議だったそうですが
「遥は勝負強いんだよ」と塚田真希コーチ(笑)
また、野村さんによれば
2回戦、準々決勝の延長で田知本選手が勝負を決めた大外刈りは
「強引に技に入ると、返されるリスクも大きい
そこで勝負に行く勇気、それを持つ者と持たない者とで結果が分かれた」
「決勝は、相手の技を返して寝技に入ったが、無我夢中だったと思う
気持ちも柔道も前を向いていた
[ロンドン五輪の後、結果を出したいと思う気持ちだけが
自分を支えていた]という彼女の言葉を思い出した」
「気力、体力、技術が揃った選手が集まるだけに簡単には勝てないのが五輪
外国勢のレベルを考えれば、田知本の優勝は難しいと思っていた
でも田知本からは勢いと執念が感じ取れた」ということらしい
田知本選手ご自身も「前回のロンドン五輪では7位だった
この4年間で執念深くなれました
五輪への思いも強くなった
色々なことを経験して、酸いも甘いも知った
4年前は甘さしか知らなかった」とおっしゃってます
ただ、開幕前には五輪の目標を訊かれても
「金メダル」ではなく「五輪チャンピオン」と答えておられた田知本選手
ミスチルの【ギフト】の冒頭に出て来る
「一番きれいな色って何だろう?一番光っているものって何だろう?」
…という歌詞が胸におありだったらしく
「頂点に立った時に、どんな[きれいな色]が見えるか知りたかった」そうだ
「決勝の前になると、やっぱり金が欲しくなった
でも、試合後に見えたものは今までの過程です
それが一番大事で(金メダルは)そのおまけ」なんだとか…(笑)
余談ですが…
例えば、男子柔道の「全階級でメダル」は素晴らしいと思うし
「強いことと勝つことは違う」と「一本」へのこだわりよりも
「指導」ひとつの差でも「勝ちは勝ち」という考え方も納得できるし
「代表の誇りを持て」と選手たちに身だしなみから叩き込まれたり
「自分の経験が今の選手に当てはまるとは限らない」と
選手一人一人に向き合われた井上康生監督の涙にもグッと来ました
ただ「メダル数」の多さを喜ぶだけのテレビ番組には
少々ウンザリしている我が家(苦笑)
メダルに手が届かなかった選手の思いはもちろん
手にしたメダルの「色」を当の選手がどう感じておられるか
そこが一番大事なんじゃないかと…?
北京五輪・女子柔道の塚田真希選手が
終了8秒前に背負い投げで、逆転の一本負けを喫した試合を挙げられ
「勝負事だから、もちろん勝ってくれた方が嬉しいに決まっているが
勝負を度外視しても[よくやった]と
声をかけてあげたいと思える瞬間がある」と書かれてました
「いつも帯をゆるめにしといて
注意されるとほどけた帯を締め直しつつ、休み休み冷静に相手を焦らす
老練なアノ中国の選手を相手にしての勝負
全知全能を駆使して、全ての気力を振り絞り
その結果ゆえのあの溢れ出る思いを止められないクシャクシャな泣き顔
いいものを見せて貰ったと思った。忘れません」と甲斐さん
予てより「大事な大会の前夜に
熱が出たり、お腹を壊したりするというのは
ホントに申し訳ないんだけど
それもその人の実力だと思うのね」とおっしゃっていた方ですから
「言い訳」や「逃げ道」のない、持てる「実力」そのものを
全て注ぎ込んでの敗戦に惜しみない拍手を贈られたんでしょうね
柔道五輪3連覇の野村忠宏さんは、初出場のアトランタ五輪の時から
「言い訳が出来ない状況を作ることを常に意識していた」そうで
アトランタ本番2ヶ月前に膝を負傷された時も「何とかなる」ではなく
「何とかならなかった時の後悔は取り戻せない」と
「最初で最後の五輪」と思って臨まれたという
2回目のシドニー、3回目のアテネでは
「ああしろ、こうしろと言うコーチが居なくなって
勝つも負けるも自分の責任になった」と野村さん
「畳の上では自分一人、誰も助けてくれない
だから、自分をいかに持つかが大事
そういう部分は本当にわがままだった
扱いづらい選手だったと思うけど
勝つために貫くわがままはあっていい」と話されているんですが
現役時代には野村選手のそういう思いを知らなかったのにも関わらず
「野村選手大好き♪」と言っていた奥さん(笑)
見た目(笑)やプレーだけじゃなく
「わがままよっちゃん(笑)」的な匂いを嗅ぎとっていたのかも知れません(笑)
今回、引退後初の五輪をキャスターとしてご覧になるにあたって
野村さんは…「選手は全てをかけて五輪に挑む
普通の人には想像もつかない時間や情熱をかけて舞台に立つ
だから、選手も周りの人も結果を求める
でも、全ての人が結果を出せる訳じゃない
目標に届かなかった選手は、言葉の上では敗者かも知れない
でもそれは責められることじゃない
もちろん勝った選手が注目されるし、そうであるべきなんだけど
そうじゃないもの…悔しさ、涙、ある種の後悔
…を伝える場所があればいいな」とおっしゃっていて
その言葉通り、初出場ながら優勝候補の呼び声高かった
81キロ級の永瀬選手の銅メダルは
「[よくやった]という銅ではない
本人にとっては悔やまれる銅と言っていいだろう」と評され
「この日を[いい経験]にしなくてはいけないが
負けたことがいい経験になるのではない
負けた時の悔しさを次の場面で生かした時に初めて
このリオでの敗戦がいい経験と言えるようになる」と話されてます
もっとも、やはり3位決定戦の末に、銅メダルを獲得された松本薫選手が
そのメダルを見ながら「銅だと嬉しくないんですね」と感想を漏らされた時
野村さんいわく…嬉しくない…のかな?
俺、持ったことがないから判らへんねん
…って、ですよねぇ(笑)
女子70キロ級・田知本遥選手は、ロンドン五輪の際も今回も
実績でご自身を上回っていた姉の愛さんが出場できなかったのに
ご自身が2度も出場できることが不思議だったそうですが
「遥は勝負強いんだよ」と塚田真希コーチ(笑)
また、野村さんによれば
2回戦、準々決勝の延長で田知本選手が勝負を決めた大外刈りは
「強引に技に入ると、返されるリスクも大きい
そこで勝負に行く勇気、それを持つ者と持たない者とで結果が分かれた」
「決勝は、相手の技を返して寝技に入ったが、無我夢中だったと思う
気持ちも柔道も前を向いていた
[ロンドン五輪の後、結果を出したいと思う気持ちだけが
自分を支えていた]という彼女の言葉を思い出した」
「気力、体力、技術が揃った選手が集まるだけに簡単には勝てないのが五輪
外国勢のレベルを考えれば、田知本の優勝は難しいと思っていた
でも田知本からは勢いと執念が感じ取れた」ということらしい
田知本選手ご自身も「前回のロンドン五輪では7位だった
この4年間で執念深くなれました
五輪への思いも強くなった
色々なことを経験して、酸いも甘いも知った
4年前は甘さしか知らなかった」とおっしゃってます
ただ、開幕前には五輪の目標を訊かれても
「金メダル」ではなく「五輪チャンピオン」と答えておられた田知本選手
ミスチルの【ギフト】の冒頭に出て来る
「一番きれいな色って何だろう?一番光っているものって何だろう?」
…という歌詞が胸におありだったらしく
「頂点に立った時に、どんな[きれいな色]が見えるか知りたかった」そうだ
「決勝の前になると、やっぱり金が欲しくなった
でも、試合後に見えたものは今までの過程です
それが一番大事で(金メダルは)そのおまけ」なんだとか…(笑)
余談ですが…
例えば、男子柔道の「全階級でメダル」は素晴らしいと思うし
「強いことと勝つことは違う」と「一本」へのこだわりよりも
「指導」ひとつの差でも「勝ちは勝ち」という考え方も納得できるし
「代表の誇りを持て」と選手たちに身だしなみから叩き込まれたり
「自分の経験が今の選手に当てはまるとは限らない」と
選手一人一人に向き合われた井上康生監督の涙にもグッと来ました
ただ「メダル数」の多さを喜ぶだけのテレビ番組には
少々ウンザリしている我が家(苦笑)
メダルに手が届かなかった選手の思いはもちろん
手にしたメダルの「色」を当の選手がどう感じておられるか
そこが一番大事なんじゃないかと…?