ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

機関紙BEATNIK(Vol.24)その3

2016-06-29 07:04:11 | 日記
続いて、吉田昌佐美さんの「甲斐バンド・この1曲」

「甲斐バンドのベストカセットを作るとしたら
この曲は絶対A面のラストに入れたい
B面までなんて待てないし(笑)
[最後の曲になりました]なんて重さもない【男と女のいる舗道】」

「なんかフワーッと気持ちよくなっちゃう曲なんだよね
他にもたくさん好きな曲はあるけれど、この曲はいつでも私の特別な曲
なんたって私が甲斐バンド狂いになるキッカケとなった曲だもの」

「1976年11月4日相模女子大学、後夜祭コンサート
[あの大ヒット曲【裏切りの街角】の甲斐バンドがやって来る!
314番教室、チケット400円]
この[大ヒット曲]と[400円]という値段にフラッと来て
思わずチケットを手にしてしまった
これが私のコンサート初体験
後々までこんなにこだわるコンサートになるとは思いもしなかった」

「黒板を背にしたメンバーと机を前にした私たち
なんか異様なムードで、ステージがとても暗かった
照明設備がキチンとしていなかったから
ギターを抱えた甲斐さんは、シルエットだったし
誰かがウッドベースを弾いていたけど、それが誰なのかも判らない
そんな中で甲斐さんの声だけが、ビンビン客席に投げつけられていた」

「そして、大ヒット曲が始まると…
周りの人が立つんです、踊りだすんです、遂には全員総立ち
拍手と歓声でめまいがしそうでホント驚いた
汗びっしょりで息を弾ませていた時に始まった【男と女のいる舗道】」

「ギターのイントロが、ホッと息がつけそうな優しいメロディライン
胸がピクンとするくらい良い曲だと思った
[優しすぎて、悲しすぎて]と甲斐さんは、フーッと息を吐くように歌う
優しく語りかけるように…」

「次の日[ガラスの動物園]を買ってしまって
それから数ヶ月間、1日1度は針を落とさずにはいられない特別な曲になった
歌詞もいいし、あの歌い方が断然いい!
レコードだと途中で、スーッと息を吸うところがあるんだけど
思わずクスッとしてしまう
疲れた時には、是非この曲を聴いてみて下さい
ほんとに空気みたいに気持ちがいい曲なんだから」と記されますが

この甲斐さんの「ブレス」については、奥さんもウルサイです(笑)
初期の頃、時々マイクが拾う甲斐さんの息つぎの音は
大きく口を開けて、一生懸命に歌っている「がんぜない」子供みたいで(笑)
当時の女子たちを企まずして「キュンキュン」させたんだとか…(笑)

もっとも、その後、ご自身の声を「武器」どころか
「凶器」にされるかのような「息づかい」をなさってる曲も増えて来て
文字通り、ヤられちゃったらしいんだけど…(笑)

ちなみに、奥さんのライブデビューは中1の時で
写真やテレビでしか見たことがない「生」の甲斐バンドが
目の前にいるという事実が信じられず(笑)
ライブの内容など全く覚えてなくて(苦笑)
音の大きさや照明の華やかさや「お姉さま」方の熱狂ぶりが
ただただ「スゴイ!」との印象だったそうです(笑)

工藤晋さんは「甲斐よしひろの熱狂的ファンである
少女Aに誘われるままに、ノコノコと武道館に足を運び
全く興味のなかった甲斐バンドのステージを観戦することになった」らしく

「[あなたに抱かれるのは今夜かぎりね]という甲斐の声と同時に
周りの客、遥か彼方の客までが申し合わせたように立ち上がる」ことに
「ブッ飛んでしまった。のほほんと座っているのは俺一人だけなんだもん」

「疎外感に苛まれながらも、あくまでツッパリを気どろうと思っていたけど
次々に耳に飛び込んで来るストレートで、シンプルで
それでいてフツフツと沸き上がる闘志がいっぱい詰まったフレーズに圧倒され
知らず知らずの内にのめり込んでしまっていた」

「翌朝、レコード屋に駆け込み、甲斐バンドのレコードをゴッソリと買い込み
家に閉じこもって聴きまくったね
1週間が過ぎる頃には、全部の曲をすっかり覚えるまで進歩してたよ」

「そうなると次のコンサートが待ち遠しくて
81年9月18日、新宿厚生年金の前日は
まるで子供のようにウキウキして、はしゃぎっぱなし
当日、恋人にでも会いに行くような気分で甲斐の登場を待った
狙いは、武道館で一人だけ立ち遅れた【きんぽうげ】に
なんとしてでも周りの客と一緒に立ち上がること(笑)」

「時が近づき[さあ、今だ!]と立ち上がりかけた瞬間
流れ出した曲は、ナント【100万$ナイト】ではないか
あれ以来【きんぽうげ】は、オープニング曲から遠ざかっている
流れからいくと当然かも知れないが
あの時の悔しさは今でも忘れられない。チクショ〜!(笑)
俺の中に新しい血を注ぎ込んだこの曲こそ
マイ・フェバリット・ソングであり
想い出というには、余りにも悲惨な曲であるのは言うまでもない」

…甦った「BEATNIKツアー」の最終日
それまでアンコール曲だった【きんぽうげ】が
武道館ではオープニングを飾りましたけど
工藤さんはご覧になったんでしょうか?(笑)

工藤さんが「それはそれで衝撃的だった」とおっしゃる
【100万$ナイト】を選ばれたのは、井出情児さんと津島秀明さん
映像チームのお二人が共に同じ曲というのもさりながら
こうした企画は、トリビュート・アルバムと同様に
同じ曲にならないようにするものと思われるし、なかなか興味深いなあと…

でも、内容を読んでみると…
情児さんは、初めて甲斐バンドを担当された箱根ライブで
【100万$ナイト】を聴かれて「なんなんだ、これ?と思ったのね
だって何言ってるのか、ほとんど意味が判らない
判ったのは[ウォーッ]って叫び声だけ(笑)」

「僕の場合、どうしても絵ヅラからいくでしょう?
だから、マイク・スタンドを折らんばかりに握りしめ
ムチ打ちになるんじゃないかと思うくらい、のけぞらせた身体で
最後の[ウォーッ]って絞り出すような叫び方が、たまらなくイイんだよね」

「BIGGIGの時、お客さんも一緒に[ウォーッ]ってやったでしょう
もう最高だったね!僕の後ろから[ウォーッ]って来て
鳥肌が立って、背筋がゾクゾクとした
だから、ビデオ編集の時[絶対に100万$入れたい!]って言い張ったんだ
90分という制限からすれば長い曲だし、絵も暗いし
今さらって感じもあったけど、意地張ってガンバったもんね
あの[ゾクッ]っていうのをまた感じたいなんて思ったから…」と話され

一方の津島さんは「はじめのレコードでは聴いてないんです
ただ、タイトルを耳にした時、かるぅ〜い感じを受けたんですよ(笑)
めちゃんこR&Rしてて、ギンギンにミラーボールが回っている
…って思っちゃったんです(笑)
初めて聴いた時は、ギョッとしましたねぇ」

「かるぅ〜い、ルンルンした感じだとばかり思ってたから
ホント、ショックでしたよ
切々と訴えて来るバラードなんですもんね」

「サビの部分はそうでもないけど
男が女々しくなってしまった時には、こうなってしまう
…っていう典型だと思いません?
自分自身でさえ、もう信じられなくなってしまう姿というか
心の揺れ動きを歌うのは大変なことですよね
日本の音楽界史上、稀なこの鋭さは
名曲という言葉でしか、他に表現の仕様がないんじゃないかな」
…と絶賛なさってますが、正に「ギャップ萌え」の極みじゃないかと…(笑)

前島さんが「ミラーボールしかない!」と思われた曲としても有名だし
これほどツアー・スタッフの方に愛される曲ってスゴイですね
コメント
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