ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

甲斐報(VOL.130)その2

2016-06-08 10:37:00 | 日記
奥さんが、前回も今回もビルボード・ツアーが始まる前に
「ディランだ!」と騒いでいた(笑)のは

甲斐さんが「インサイド・ルーウィン・デービス」みたいなライブ…とか
「古くて新しけりゃ…」というセリフにグッと来て…と
おっしゃったことが主な原因なんですが(笑)

前回のビルボード・ツアーのライブレポが掲載された甲斐報には
「ボブ・ディランの出現と成功により
フォークは大きな市場性を獲得し
その後たくさんのフォロワーを生みながら
巨大なムーブメントに発展していく」との一文があったり

名古屋でのクリスマス・ライブについての特集にも
「萩原健太氏渾身の著作・ボブ・ディランは何を歌ってきたか…を読むと
タイトル通り、ディランの軌跡をたどりながら
同時に日本人がどんな風にアメリカ音楽を受け入れてきたか
ということについて改めて思い致すことになる」と書かれていたり

【喫茶店で聞いた会話】を披露された際に、その収録アルバムである
「[翼あるもの]のレコーディングをともにしたミュージシャン達は
ディランの[ナッシュビル・スカイライン]と
ニール・ヤングの[ハーヴェスト]から厳選したとMCで話していた」と

今ツアーで【卒業】を歌われる時のMCと同じフレーズが登場していたり
…と、知らず知らずの内に刷り込まれていたんじゃないかと?…(笑)

おまけに今年は、ディランが来日したし
セイヤングで【コーヒーもう一杯】が流れたし…(笑)

ともあれ、さらに続きを読むと…
「[ナッシュビル…]はフォーク・ヒーローだったディランが
[ロック化]した後、ザ・バンドとのセッションに明け暮れた日々を経て
ナッシュビルでレコーディングした
[カントリー・アルバム]とも言われる内容の作品だ」と記され

昨年の甲斐さんが「新しい切り口のフォークソングに挑んだ
ビルボード・ライブ・ツアーに始まり
グルーヴィかつタイトなギター・ロックの真髄を極めた
[愛ろく3]で締めくくられ」

今年「再びアコースティックな編成による
ビルボード・ツアーから始まるというその展開を
『単純にエレキ・ギター編成とアコースティック・ギター編成との間の
[行きつ戻りつ]と捉えていたら
面白みが半減するよ』というサジェッションではないか」との考察が…

我が家では、甲斐さんがよくおっしゃる
「テーゼとアンチテーゼの間こそが表現の幅だ」という言葉の通り
甲斐バンドからソロ、エレキからアコギ
ホール・ツアーからライブハウス・ツアーといった対照的なスタイルが
それぞれお互いに次の展開への確認作業になっているのかと…?

でも、昨年の甲斐報レポに
「かつての[MY NAME IS KAI]というプロジェクトは
アコースティックでありながら、とてもロックな表現スタイル」であり

「バンド編成で完成されている楽曲を
ギターと歌のみで再構成する
オーディエンスは今まで何度も聴いて来た代表曲の
新しいロック的な切り口を見つける」ものだったのに対し

「フォークを基本テーマに置いたこのライブは
フォークという表現ジャンルに合致する曲のみを
とてもフォーク的なアプローチで組み合わせている
そこにあるのは、60年代前半のNYのフォークシンガーのような
歌いたいことを聴いてくれる人だけの前で歌いたい
甲斐のシンガーとしての本能なのだと思う」と書かれていたり

イチローさんとの初タッグのライブレポでも
「二人が共にアコースティック・ギターを抱えていても
二人の演奏がロックになることは言うまでもないだろうが
その一方で、アーシーなカントリー・ブルース的テイストを
そこはかとなく意識しているのが感じられた」ことから

「アコースティックだからフォーク」ではなく
「アコースティックなのにロック」でもなく
「アコースティックだからこそカントリーやブルースといった
アメリカ音楽のルーツに遡った表現に
現代的なセンスで切り込んでみる」という展開は

「2015年のビルボード・ライブ・ツアーで披露された
甲斐バンド初期曲へのアプローチにも通じているように思われる」と結ばれていたりして

ふと、今まで「ホールとライブハウス」が
「ロックとアコギ」に呼応していると思い込んでいたことに気づいた奥さん

考えてみれば、押尾コータローさんとの「MEETS」を含めた
「MY NAME IS KAI」シリーズも
松藤さんや前野さんとのアコギツアーも
ステージ上の編成は少人数ながら、立派なホール・ツアーだったし

逆に、バンド編成での「ロッキュメント」や「愛ろく」ツアーの方が
コンパクトなハコで行われているんですよね(苦笑)

「コンセプチュアルな内容のステージを通常のホールではなく
空間的な個性を持った会場で披露することを選ぶ」のは
この「フォーク・ツアー」が初めてじゃなかった訳ですが

「インサイド・ルーウィン…」の映像から
ビルボードのステージをイメージなさったのかな?と漠然と思っていたら

今回のブルーノート名古屋のライブレポに
「往年の名ジャズピアニスト・モンクは
サックス・ソロの間に最前列の客から
タバコを貰って、火をつけて貰ったという
当時のジャズ・スポットの空気と距離感」に触れた文章があり

昨年のビルボード大阪ライブレポには
「実質3階建て構造のビルボード東京とは違い
客席のどこからもステージが見やすく、新密度も高い
まるでNYのハイグレードなジャズクラブのよう、と思っていたら
元は[ブルーノート大阪]だったそうだ(笑)」と書かれていて

また、甲斐さんが今ツアーのMCでおっしゃった
「昨年、このシリーズが大阪から始まったことは
俺たちにとってラッキーだった」という言葉の裏づけ?とも取れる

「『今夜はフォークです』その端的な説明は
大塚まさじや有山淳司を輩出し
KAIいわく『人種として、跳ねてる(笑)』大阪人に対する
信頼の表れであったのかも知れない」との一文に目ウロコ状態(笑)

ブルーノート名古屋での「席取り」の記述に続いて
AGライブ・アポロシアターの映像にも
「身を乗り出すようにして見つめるオーディエンスと
その鼻先と言っていい位置で歌うKAIの姿を
ステージ下手から捉えた美しい場面があった

ステージ間近でその視点を手に入れられるだけでも
通常のホール・ライブとは違う興奮を味わうことができる」

…と記されてるんだけど、その「NYボックス」に収録される
「AG LIVE AT THE APOLLO」のディレクター・翁長裕さんによると…

「カメラマン一人ひとりが、一人の表現者として
小賢しいことに紛れず感動したことが
ストレートに映像に留められることだけに気持ちを向けて撮った映像には
カメラマンの念も収まってる」そうですが

「撮ろう」と思わずとも、自然に「撮らされる」アーティストは
「なかなかいない」らしく(苦笑)
「隙のない構図の積み重ねで、ごちゃごちゃ動かない映像になっているのは
甲斐さんが撮らせてくれた」ものなんだとか…

モノクロになっているのは
「ビデオで撮ろう」という甲斐さんのオーダーによって
何回も見て貰えるような作品にするために、ビデオの生々しさを軽減し

「それに、大人の男の、しかも品行方正ではない(笑)男の光と影を描こうとすれば
ひとつの結果として色を抜くということになった」かららしい
…ビデオデッキを引っ張り出して観てみようかな?(笑)

余談ですが…今ツアー前に実施された
各界著名人の方への「アンケート」で

「通常のホール・ツアーとは違う今回のようなスタイルのツアーに
どんな魅力を感じますか?」との質問に
一言「距離感!(笑)」とお答えになった小須田さんが

「どんな曲を演奏してほしいですか?」という質問に挙げられた
【荒馬】だけが…厳密には、前回演奏された
【500マイル】と【吟遊詩人の唄】を希望された方もおられましたけど…
見事、セトリに加わってました(笑)

もしかしたら、甲斐さんに似た
「プロデュース」眼を持った方なのかも知れませんね(笑)
コメント
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