ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

甲斐報(VOL.130)その3

2016-06-09 11:28:00 | 日記
「NYボックス」のブックレットのために
甲斐さんが「3時間半インタビューされた 」とおっしゃっていた
萩原健太さんへのインタビューが掲載されているんですが

萩原さんが「とてつもなく濃密なディケイド(10年)」とおっしゃる
「KAIが80年代に残した作品群」の中の「NY3部作」について
「当時の甲斐バンドと彼らを取り巻く状況に説明を加えてくれた」そうで

萩原さんによると「自分たちのサウンドをレコードに定着させる上で
何やったっていいんだということを
非常にポジティブに打ち出したのが
あの頃の甲斐バンドだった」

「たくさんのスタジオ・ミュージシャンの名前が並んでる中に
自分たちの名前もあるというのを面白い試みとして
松藤さんや大森さんは受け止めているように僕には思えました」

「ただ、やる側はそういう風に楽しんでいたんだけど
聴く側がそれを楽しめるほどには成熟していなかったというのが
正直なところかなという気はします」

「日本では[顔が見えてるものが音を代表している]と
思ってしまう傾向が海外以上に強いから、そういう土壌の中で
ああいう表現を実現するのは相当大変だったと思うけど
それでも出来上がった音の強力さの前では
その方向に向かわずにはいられなかったということだと思うんですよね」

…と、話されているんですが
正に今までボクが奥さんから聴いていた
「NY3部作」後の「女子離れ(笑)」の理由とも言える?
アルバム「ラブ・マイナス・ゼロ」のレビューをご紹介します

「甲斐よしひろという男はある種
昔の日活映画のヒーローのようなカリスマ性を持ち
ボーカリストとしても、ソング・ライターとしても強い個性の塊だが

甲斐の歌というのは、男と女の悲しい恋物語を
これでもかとばかり吐き捨てるようなもので
【ポップコーンを…】や【メモリーグラス】【氷のくちびる】等
その歌の背景には、必ず甲斐自身の実像が投影されている
…と思わせるリアリティがあった
だからいつも思っていた
【観覧車】のような歌と実話を作ってしまった後はキツイだろうなと…」

「甲斐は現在2度目の幸せな結婚生活を送っている(と思う)
そのせいか、前作の「GOLD」から彼の歌作りが変わり始めた
彼はもうあまり自身の恋の痛みを歌わなくなった
というか、その必要もないのかも知れない」

「その分、彼は[街]や[ならず者]の物語を歌おうとしている
それらは素晴らしいエンジニアリングと
一段と充実したバックの演奏に乗って
見事なソング・テラー足りえているし
サウンドや全体の構成は、よりグレードアップしているのにも関わらず

私は、甲斐のあの振り絞るような悲しい男と女の物語が聴きたいのだ
明るくなった甲斐バンドにそれを求めるのは酷だろうか?」

これが当時の「最新アルバムのレビュー」というのもスゴイけど(笑)
筆者の方が男性っていうのも軽い衝撃です(笑)
でも、この文章はその変化に「ついて行けなくなった」
古くからの甲斐バンドファンの方々の心情を著しているんじゃないかと…?

甲斐さんご自身によれば、第1作目の「虜」は
「一生聴けるアルバム、死ぬまで聴けるものを作りたい」という思いで
取り組まれていたそうで

「いくら興行的にコケて、大批判されても
自分の中で最高に満足にやりとげたって自負さえあれば
作り手ってのは何ともないんだよね」と…

ただ「やっぱり誰からも見向きされなかったし
取材で訊かれることは相変わらず
詞がどうした、俺の生き方がどうした…みたいなことばかりでね(笑)
誰もサウンドのことを訊かない」

「で、次に「GOLD」を作った時は、お金かかるでしょうね?とか
そういう質問ばっかり、余計なお世話だっての(笑)」

「で、ようやく3枚目「ラブ・マイナス・ゼロ」作った時さ
みんな初めて気づいた訳じゃない?
でね、学びました、僕。いい勉強になった
やっぱり3度やらなきゃわかんないだなって…世の中はね」

萩原さんは、その辺りのことをくみ取っておられたので
「どーでもいい話(笑)」を交えながら
3時間半も話されたんでしょうね?(笑)

あっ!でも、当時の記事に「俺はボブの全てを知っている
…って書いてあるじゃない?誰が言ったの?(笑)」とおっしゃいつつ
「ひとまずの区切り」「3部作完結編」となった
「ラブ・マイナス・ゼロ」について

甲斐バンド解散10年後に甲斐さんいわく…
音はむちゃくちゃいいんだけど
極端なテンション出して、ねじれてるよね

どんなバンドでも、そういう時期があると思うんですよ
ナンでこんなにサウンド・テンション高いの?っていう時期が

正にこの1枚がそうだね
もう今、こんなミックス出来ないよ
80年代の徒花だね(笑)

このアルバムは、最初にニール・ドルフスマンと組まれたものの
【イエロー・キャブ】はボツになり
【フェアリー】と【キラーストリート】がシングル発売されただけ…(汗)

チト河内さんと新しいアレンジでやり直されて
ニールの【野獣】はお蔵入り(苦笑)

やり直した【野獣】は、シングル候補として
ボブに6種類のミックス(笑)を依頼なさったそうですが

「色んなバージョンを作るのは
第一に、その中から最良のものを選ぶため
第二に、ひとつの曲にも色んな切り口があるんだってことを示すため」と甲斐さん

「美獣篇」「咆哮篇」「徘徊篇」(笑)と名づけられた
その中のひとつが、12インチ・シングルとなり
クリスマス・プレゼントとしてリリースされた訳だけど

奥さんにとっては、切り口の違いよりも
限定5万枚のシリアル・ナンバー
…1~4番は甲斐バンドのメンバーが保有し(笑)
5番は佐藤剛さんがお持ちだとして…

市場に出回っている中で、イチバン若い番号は何番なのか?(笑)
といったことの方が気にかかっていたらしい

これは、先行シングルとは全て異なったバージョンを収録した
「ラブ・マイナス・ゼロ」そのものや
その後リリースされた「ラブ・マイナス・ボイス」に関しても同じで(苦笑)

緻密なサウンドを「読む」ことよりも
ジャケットの英文やことわざの意味に気を取られるという形で
甲斐さんの期待を裏切ることになったんだとか…(汗)

その反省の意味もあって(笑)
いち早く「NYボックス」を予約したんだけど
ビルボード東京では、それまでの名古屋や大阪に比べ
現物を手に取らせたり、申込書をクリップボードに挟む等
積極的な勧誘が行われていて

さらに、ツアーファイナルの大阪では
クリップボードを持った男性が
開演前の客席を球場の売り子さんよろしく歩いておられ
「ビールひとつ!」といった調子で(笑)
その男性を呼び止めていらした方も…(笑)

ボーナス・トラックや「AGライブ」のDVD化はあっても
既に手元にあるアルバムのリマスタリングという内容に
「二の足」を踏まれる方が多いのか?
Amazonとの価格差が大きいのか?
甲斐さんのMC通り「大人買い」なさる方ばかりではないようです(苦笑)

そうそう!奥さんは、知り合いの甲斐さんファンの男性が
このボックスのプロジェクトに参加していることに驚いていたんだけど
甲斐報にもコメントが載っていてビックリ⁉(笑)

その男性のご友人でもある甲斐友さんが、クリップボードの男性に
かつてのボックス・セット発売の時みたいに
発売記念のサイン会やイベントを企画してはどうか?と提案されたそうですが
ユーキャンの専属販売とは違うので
今のところ、そういう予定はないとのことだったらしい(苦笑)

ただの「いちファン」の男性が「NYボックス」を予約するだけでなく
その売り上げ向上の心配までしてしまうくらい(笑)
甲斐さんって愛されてるんですね♪(笑)
コメント
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