ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

機関紙BEATNIKその16

2016-02-03 09:57:51 | 日記
Vol.16は、1983年4月7日
甲斐さん30歳のお誕生日に発行されてますが

表紙の言葉は「ぐちをこぼしてるんじゃない
ぐちをこぼすくらいなら、このけちな競争に勝った方がましだ」
(シリトー「長距離走者の孤独」より)

「シリトー」ってくらいだから、映画じゃなくて小説の方でしょうね?
ジョン・オズボーンらと共に「怒れる若者たち」と呼ばれた作家だけど

奧さんによると、この小説の中でも
体制への反発や偽善的な権力者に対する憤りが
主人公をある行動に走らせるらしく

ちょっとウィキってみたら
「俺は俺の考えている誠実が、この世で唯一のものだと思っているし
同様に奴も奴の考えてるのが、この世で唯一のものだと思ってやがる」とか

「自分が最後に取り残された人間のように感じるのは嫌だ
だから俺はこんな嫌な感じは蹴飛ばし
この世で最初の人間のように行動するのだ」というセリフがあったり

「運ってヤツは絶えず変わる
今、後頭部にガンと一撃くわせたかと思うと
次の瞬間には、砂糖を頬ばらせてくれたりする
問題はただ一つ、へこたれてしまわないことだ」

「勝つというのは、生き残ることだ
五分の魂を失わないで生き残ること
それが勝つということだ」という
シリトー自身の名言もありました
この号に上記の言葉を選ばれたBEATNIK編集部にシビレますね♪

…で、このVol.16の特集は「FIGHT」
中島みゆきさんの「ファイト」の歌詞
「闘う君の唄を闘わない者たちが笑うだろう」をきっかけに

「闘う…果たして、こんな言葉が
今、どこまで伝わるものだかわからない
もう、死んでしまった言葉なんだろうかという気もする
この唄によって触発されたとしたら
それは何なのだろうということを話し合ってみた」そうだ

佐藤剛さんは「ファイト」を「嵐の季節」の返歌だと思われたらしく
「直感なんですよね。どこまで彼女が意識したかは別にして
嵐の季節の感じ方、捉え方と非常に近い所から
この歌が出来ているような気がした」と話され

一方、亀和田武さんは
「嵐の季節は、血液中のアドレナリンが増えて
ゾクッとするようなカッコ良さがあるけど
この曲のメロディは、どっか違和感がある
それと歌い方ね。7つの声を持つ女(笑)みたいな…
何て言うのかなあ…上手いんだよね
それだけに小憎らしいって言うのかな」

「誰かが、中島みゆきっていう人は
70年代の、物事が全て曖昧になり稀薄化していく時代に
その薄い空気を凝縮することに成功した
数少ないライターだって書いてたけど
薄い空気から濃い物を凝縮して掴む方程式みたいな
ノウハウで作られた歌みたいな気がするんですね」とおっしゃってます

でも、佐藤さんは「その手口っていうのは感じてるけど、イヤだなと思う反面
こういう手口でここまでやった人はいないという感心の仕方もある
この手の歌って、知らず知らずフタをしてた部分があると思うのね
決着を着けないまま、居心地のいい所に来ちゃって
まあイイじゃないかって風潮になってしまった
その中で彼女が今出して来たことについて考えてみたかったんです」と…

亀和田さんによると、甲斐さんは
「フォークでもいいし、ロックでもいい
この10年くらい、現場にかなり近い所にいた人って
この歌を聴くと、かなりグサッて来るんじゃないか」と話されていたそうで

佐藤さんの中にも「胸キュン」に近いものがあるのでは?と訊ねられて
「何度も聴くとね、理性には非常に訴えかけて来る歌ではあるけど
感性にはあまり…魂の高揚というものをぶつけられるってのはないですね」

田家秀樹さんによれば…
昔の岡林信康さんみたいな「闘う」というテーマの曲は
実際に目に見えて闘っていたり
闘おうとしている人に向けて歌われていたけど
この曲は「闘えない、闘わない」人への歌だから
高揚感がないんじゃないかと…?

そもそも「闘い」とは何か?って話になり
亀和田さんは「人生の全てが闘い、家庭も職場も闘いっていうのは
それも大変だけど、違うと思う
日常性からの飛翔っていうか、非日常への憧れというイメージ」で

佐藤さんは「楽な方へ楽な方へと行きたがる自分への抗いと
もう一つは、規制されること、束縛されることと抗うこと
何かしようとした時に手枷足枷があって
それが理不尽に思えて、それと闘うっていうイメージですね」

田家さんは「比較的日常的なことをイメージしてる
例えば、どうせ○○じゃない…とか
所詮○○じゃない…っていうのを拒否することって思ってる」

…と、お三方それぞれ表現こそ違え
闘いとは「流さない、流されない」ことだと思っておられるようです

余談ですが、亀和田さんと田家さんが雑談のように…
「女性のソングライターの片方にユーミンがいて
もう片方に中島みゆきがいる」

「海を見た時に、外国に行ってみたいと思うタイプと
私の人生は何なんだろうと思うタイプがあって
前者がユーミン、後者がみゆきって気がする」

「矢野顕子ももう一つのタイプだね」
「あれは何だろう?」
「海を見て、ケラケラ笑い出す(笑)」
…と、話されてるのに思わず笑ってしまいました(笑)スミマセン!m(__)m
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする