ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

ハードボイルドだど♪その2

2013-07-21 07:20:28 | 日記
甲斐さんはご自身が書かれる歌詞について

『男と女のラブソングの向こうに
社会や政治がチラッと見えるようなものを書きたい』
とおっしゃってましたけど

それが違う意味で真似されることにウンザリして

ラブソングについて話すことを
数年間やめておられそうだ(苦笑)

【虜】を出した時も歌詞の話ばかりで
頭にきていたらしい(笑)

インタビューで質問されても

『自分で書いた歌詞だから
俺は絶対に歌詞を間違えない』(爆)とか

『歌詞について深く考えてません』(笑)
などと答えておられたという(爆)


岡本おさみさんと対談された際
【虜】について甲斐さんは

銃やギャングが出て来ないハードボイルドを書きたかった

ハードボイルドとは
感情を非常に抑え込んだ文体

贅肉を削って削って
スパッと取り出した文体を書きたかった
と話されているんだけど

【ブライトン・ロック】を聞いた岡本さんに

『日本にマシンガンや銃撃戦なんてない』と言われて

なんでメンタリティの話として受け取ってくれないんだと
めまいがしたそうだ(汗)


それはさておき…

【郵便配達は二度ベルを鳴らす】に代表される
50年代のアメリカン・ハードボイルドが

当時の甲斐さんには
非常にフィットするものだったらしい

女は波の方に頭を向け、男は足を向けて寝そべって

波が寄せるたびにその波を被りながら話しているシーン

お腹にいる子供のこと
二人の愛が本当なのか
生活がよくなるためには…等々

根本的には命や愛や暮らしについて話しているけど
それを確立する手段は殺人しかないという現実…

大不況の時代
実際に起きた保険金殺人を元にして描かれた話から

甲斐さんは
ご自身の感情をリアリティのある形で表現するために

ハードボイルドという方法・スタイルを選ばれたそうだ

ただ後になって

ハードボイルドという方法は
わかりやすくするためのアピールで

底辺にあるのはラブソングなんだと話されてます(笑)

『書くこと』をやめる時は
もう自分が終わる時だと思ってる

歌うことよりもまず書くことなんだとも…


ツアー先のホテルやバーのカウンターで(笑)
多くの曲を書いて来られた甲斐さん

それが単調に思えて来るほど習慣化して
刺激が足りなくなってしまったという(汗)

言葉の書き手というのは
流れて、移動していないと書けない
安住するとダメなんだと

東京・福岡・ニューヨークに
それぞれ家を持つことも考えていたという

東京で頻繁に引っ越しをされていたのも
ひとつの窓に飽きたら
違う窓を捜したくなるからだそうだ

ちなみに

この窓が気に入ったから(笑)と引っ越した部屋で
【GOLD】に入っている全ての曲を書かれたらしい

勿論、部屋の窓から見える景色を
そのまま書いた訳じゃなくて(笑)

甲斐さんが書きたくなるような
刺激に溢れた窓だったということでしょう(笑)


【荒野をくだって】は
ある街から田舎の町へ向かっている曲だけど

『メキシコにいて街を思う、
荒野にいてアメリカを思う』というコピーの通り

甲斐さんは
街はずれからも街を思えるし
街にいながら荒野を思えるようになったという

だから、新宿の雑踏にいて
新宿を歌う時代は過ぎ去ったと…

【ガラスの動物園】で都会と格闘していた青年は

闘う相手と闘いの場所を変えて
次のステージに上がったということでしょうか?(笑)


余談ですが…

照和のライブで歌われた曲は
東京のことを書いた歌詞でありながら

実は博多に向けて歌っていた曲だったと言われたのは

やはり当時の甲斐さんが心のどこかで
生まれ育った場所を引きずっていたというか

それを拠り所にしないと
都会に飲み込まれてしまうという危機感と
闘っておられたからなのかなぁ…?
コメント
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