岸政彦・柴崎友香『大阪』(河出書房新社、2021年)
岸政彦の大阪本なのだが、ほとんど自分のことしか書いていない。それも大学を卒業してからの数年のことばかりと言ってもいい。
新聞の書評欄だったか、あるいは読者欄だったか、ある若者が岸政彦の『東京の生活史』を図書館で借りて読んでいたら、父親が、そんな本は自分で買って、辞典のように読むのがいいのだと言って、お金をくれたというような話を読んだことがきっかけであった。
私は大阪の住人で、東京のことは知らないから、『東京の生活史』を読んでもつまらないので、大阪本はないかと思ったら、『大阪」というタイトルの本があったので、図書館で借りてみた。
たぶん『東京の生活史』とは似ても似つかない内容なのだろうと思う。きっとこちらは学術的なレベルのものなのだろうが、『大阪』は上にも書いたように、彼の回想にすぎない。
もちろん興味深いところもたくさんあるのだ。とくに大阪の良さには、いまだに差別を裏に隠した側面があるという指摘など。これはこの本に書いてあったことではなくて、知り合いから聞いた話だが、いまだに、知り合いの出自を探って、周囲の人に言いふらす人間がいるというのが、私には信じられないのだが、表に出てこないだけで、現実はそうなのかもしれない。(こういうことは東京ではすでに消えたことなのだろうか?)
私はどちらかといえば根無し草的な人間だと思っている。ここにもふるさとのことをよく書いているが、もうあちらに帰って暮らすことはないだろうし、かといって大阪の人間にはなりきれない。
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岸政彦の大阪本なのだが、ほとんど自分のことしか書いていない。それも大学を卒業してからの数年のことばかりと言ってもいい。
新聞の書評欄だったか、あるいは読者欄だったか、ある若者が岸政彦の『東京の生活史』を図書館で借りて読んでいたら、父親が、そんな本は自分で買って、辞典のように読むのがいいのだと言って、お金をくれたというような話を読んだことがきっかけであった。
私は大阪の住人で、東京のことは知らないから、『東京の生活史』を読んでもつまらないので、大阪本はないかと思ったら、『大阪」というタイトルの本があったので、図書館で借りてみた。
たぶん『東京の生活史』とは似ても似つかない内容なのだろうと思う。きっとこちらは学術的なレベルのものなのだろうが、『大阪』は上にも書いたように、彼の回想にすぎない。
もちろん興味深いところもたくさんあるのだ。とくに大阪の良さには、いまだに差別を裏に隠した側面があるという指摘など。これはこの本に書いてあったことではなくて、知り合いから聞いた話だが、いまだに、知り合いの出自を探って、周囲の人に言いふらす人間がいるというのが、私には信じられないのだが、表に出てこないだけで、現実はそうなのかもしれない。(こういうことは東京ではすでに消えたことなのだろうか?)
私はどちらかといえば根無し草的な人間だと思っている。ここにもふるさとのことをよく書いているが、もうあちらに帰って暮らすことはないだろうし、かといって大阪の人間にはなりきれない。
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