読書な日々

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体罰

2013年02月01日 | 日々の雑感
体罰

私は高校でボート部に入った。この年の三年生は一人しか部員がいなくて、この人はまったく艇庫に練習に来なかった。そもそもそんな人がいることさえ私たちは知らなかった。ところが私が入部してからひと月くらいして、ひょこりやって来た。そして、私たち一年生部員を並べて、海に向かって声出しをさせ(いったいどういう理由があるのか知らないが)、その後順番に一年生部員の頭をバリカンで坊主刈りにしていった(これもどういう理由があってするのか知らない)。そして帰っていった。

私はもともと中学校が全員坊主刈りが校則の学校だったので、坊主刈りにまったく違和感がなかったが、それでもこれから伸ばして長髪にしようと思っていたところであり、内心腹が立っていた。他の部員たちは初めて坊主刈りにされ、しかも本人の合意も納得もなく、たんに上級生だというだけで有無をいわさずに坊主刈りにされてしまったことで、半泣きになって、次の日に登校してみると、彼らは恥ずかしがってずっと帽子をかぶりっぱなしだった(私が高校の頃には男子生徒はみんな帽子をかぶっていた)。可哀想に。私はその後ボート部の同窓会があったり漕ぎぞめ式があったりして、この人に会っても一切挨拶しなかった。こんなヤツなんか糞食らえだ。

本人の意志や納得を無視した行為、人権を無視した行為は、体罰・いじめとまったく同じである。した本人はその時には悪意はなかっただろうし、後になってもまったく覚えてもいないだろうが、された側はいつまでも腸が煮えくり返る思いがなくならない。

柔道の日本代表のレベルで暴力があったことには驚いているし、昨年から何度も選手たちがJOCに直訴していたのに、まったく解決されなかったことも驚きだ。JOCは日本柔道連盟に解決させようとしたらしいが、この団体にはまったく自己解決能力がなかった。本来なら、この監督を解任しなければならないのに。本人が辞任してもなんら解決にならない。

よく不祥事が起きると、当人を辞めさせてトカゲの尻尾きりをしたとか言って非難されることが多いが、この場合はまったく逆で、この監督を解任すべきだったのだ。直訴されたJOCなり日本柔道連盟がきちんと調査をして、今回のことで言えば、監督を解任する、そして今後同じ問題が起きないようにするための道筋を提示する、というようにならなければならなかった。ところが日本柔道連盟はまったく事態の重要性を理解していなかった。提訴した選手たちは、こんな監督のもとでやっていられない、辞めさせてくれと訴えていたのだろうに、選手たちの話も聞かずに、監督継続を決めた日本柔道連盟には、まったく問題解決能力がないと言わねばならない。また同じことが起きるだろうことは目に見えている。

4年ほどまえにこんなシンポジウムがあったらしい。こうなるともうご立派としか言いようがない。

石原慎太郎には驚かないが、櫻井よしこってこんな人だったんだ。こんな人をちょっとでも持ち上げた自分が恥ずかしい。こちら


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