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現代医療の訳の分からなさ

2012年07月06日 | 日々の雑感
現代医療の訳の分からなさ

先週金曜日の夜に寝入りばなにちょっと油断をしたために寝冷えをして、喉にきた。最近は起きていなかったイガイガが喉の奥にできてしまった。これができるとなかなか治らない。放っておくわけにもいかないので、駅前にある耳鼻咽喉科に行った。4月に突発性の耳石によるめまい症になったときに、その的確な説明が気に入ったからだ。あの先生なら、適切な対応をしてくれるかもしれないと思った。

三種類の薬(タリオン、カフコデN、アンブロキソール)を処方してくれた。二・三回飲むともう効いてきたような感じになり、喉のイガイガがなくなって咳もでなくなった。まだヒリヒリ感はあるが、これで治りそうだと喜んでいた。ところが二日目くらいから毎日夜になると、まるで薬が切れたみたいに咳がひどくなり、夜中の1時・2時まで咳き込むようになった。でも翌朝になると嘘みたいに、また楽になる。朝に楽なので、まぁいいかと思い、とりあえず薬を処方された5日分全部飲んでみないと分からないからと、水曜日まで飲み続けたが、まったく同じ。夜の咳き込みの苦しいこと。

それで木曜日の朝に件の耳鼻咽喉科に言って状態を説明すると、これは「風邪の咳ではなくて、喘息性のものかもしれないから、ステロイド剤を入れた吸入をしてもらったほうがいい。だがうちは耳鼻咽喉科でそれができないので、かかりつけの内科に行って、それをしてもらいなさい」と言うので、紹介状に書いてもらった。

さて、木曜日は昼から仕事だったが、もう夜中の咳で声帯がやられたようで、声がかすれ、大きな声が出せない。その夜も咳で苦しむ。

今日、金曜日に、これまで行ったことがないけど、わりと近くにあって、昔からの内科医に言って事情を説明すると診てあげますということで、やれやれこれで治るわいと一安心。1時間近く待って、診察室に入ると、さっきの説明メモで診ると判断したのは看護師のようで、医者は私の書いていったメモも耳鼻咽喉科の紹介状もまだ読んでいない。それで経緯を説明すると、喉の中を見て、聴診器で呼吸の様子を診て、まぁ大したことないですね、と言うので、今は楽なんだが、夜になると1時・2時まで咳き込んで寝れないのだと説明する。

耳鼻咽喉科が言っていたネブライザーでステロイド剤というのは、私はてっきり医院のなかでするものかと思っていたら、どうも違うようで、最近は喘息治療のスタンダードとなりつつある、ステロイド剤の粉末を自分で吸入するものをくれた。医院に通ってするか、自分でするかの違いなので、どちらでもいいと言えばいいのだが、こんなの使ったこともないのに、一日朝昼晩に2回づつ吸い込むのだという説明だけで、いつまで続けるのかの説明もない(また聞きに行けばいいのだろうが)。処方してくれた薬も山ほど。

私は同じ病気に10数年前にもよくなっていて、最初は風邪からくる咳だったのだが、だんだんひどくなって、今回と同じように声がかすれるほどになったので、その頃かかっていたお医者さん(お年寄りで山羊の髭のお医者さん)はすぐに薬を変えて、その場でネブライザーをしてくれるようになった。これを毎日夕方に通って行い、薬も一粒だけの薬を1日分だけ処方してくれる。これで3日もするときれいに治っていた。こんなことが数年続いていたが、だんだんと起きなくなり、それ以来、そのお医者さんに行くこともなくなり(風邪もまったくひかなくなったということもあり)、ご無沙汰している間に、もともとかなりの高齢だったので、廃業され、さらにはお亡くなりになった。

もちろんこの山羊のお医者さんだって最初から名医だったわけではないだろう。かなりの勉強家のようだし、医院の建て替えのあいだは休診して針や東洋医学の勉強をしてその免許をとって、再開したときには鍼治療もしておられた。私の咳を喘息系だと判断して、ステロイド剤にすぐ切り替えた(と私は思うし、耳鼻咽喉科もその話をしたらきっとそうだろうと言っていた)というのも、あの時代としてはよく勉強していたからではないかと思う。

本当に的確に最小限の薬だけで治してくれた名医と言っていいお医者さんだった。薬の出し方も一日分だけなので毎日通い、状態を見ながら、処方してくれる。夕方だけの診察なので、仕事帰りに行くにはちょうどよかった。返す返すも、この山羊のお医者さんがどんな処方をしてくれていたのか、お元気なうちに聞いておかなかったのが悔やまれる。聞いていれば、他の医者に診てもらう時でも、これと同じ処方をしてくださいと言うだけですんだのに。

また長い長い回り道をしなければならない。


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