アイヌの娘・キミコが「先生、先生」と言っていると、自分の身体から自分が抜け出し、先生の後を追う、だが、そこに先生はいない、次の村に行く、
「ここは、先生の伝道所だ」
自分は、そこに立ち止まる、おおぜいの人が集まっていた、だが、先生はいない、おかしいと思って奥の部屋にいくとそこにいる、
「ああ、先生」
先生に按手してもらったら、ずいぶん楽になる、キミコが、そこに留まろうとすると、
「大丈夫だ、安心して、早くお帰りなさい」
ここからが不思議なのだが、
「どうしようかと思ってふりかえると、白銀のヒモが野を越え山を越え、ずっと続いているではないか」
「そして、自分の魂がそのヒモにしゅっと引き寄せられ、自分の身体にもどってきた」
そこで、びっくりして目が覚めた、そして、それ以後、見違えるように元気になったという。