超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

LOSTAGE「ECHOES」全曲レビューその7「僕の忘れた言葉達」

2013-01-16 18:20:38 | LOSTAGE 全曲レビュー









7回目です。









7.僕の忘れた言葉達









「僕の忘れた言葉達」は、ロストエイジの中でも割とポップサイドに位置する楽曲ですが
音自体はそこまで抜けの良さを売りにしている訳でもなく、オルタナとポップの中間的な、
両サイドのファンが満足出来る類のちょうどいい感覚で鳴らされている一曲だと個人的には思います
メロディやコーラスから満ち溢れる多幸感とポジティブなエネルギーが冴え渡る
正に福音と表現しても違和感のない決定打的なアンセムになってるかと
勿論その根底には既に忘れ去られた存在、
必要の無い存在
ブレブレになってしまった自分・・・等のネガティブな背景があったりもするのですが
だから「このままでは終わらない」「負けたままでは終われない」、もう一度自分の存在を
この声を思い出してくれ、と
割と自らの立ち位置に対して自覚的な印象を持つ曲で
だからこそ聴き手の心境と重ね合わせて勇気に似た何かを、シンパシーを貰える
そういう「得れる」楽曲だと私的には感じる曲で、お守りのように響いてくれる楽曲でもありますね。

経験だったり、真っ白なキャンバスを塗り潰される外的な侵食だったりで真っ直ぐな心を失くした
僕の忘れてしまったいくつもの感情や言葉、そして揺ぎ無かった(はずの)想い・・・
それらをもう一度取り戻しに行く為の誇り高き自己啓発ソング。
黒く塗り潰されちゃダメだ、
むしろ何度も何度も白く生まれ変わるべき、脱皮を繰り返して進んで行くべき。
個人的にはそういう教訓やメッセージを受け取れる新譜の中でも特に好きな一曲です。
忘れてしまった言葉、誰にでもいっぱいあると思います。
忘れた以前に忘れざるを得なかった言葉達。
でもそれって、
冷静に考えたらどうみてもおかしいですから。奪われたら自分の手で取り戻す、ただそれだけですね。

これもあくまで個人的な印象ですが「点と線」の続編、
或いはあの曲と伝えたいテーマ性は案外一緒なんじゃないかと思います
一回落ちても、落ちたままでは終われないと告げる実にロックバンドらしいナンバー
「雨のち晴れの空」というフレーズも、決して夢見ではなく自ら手繰り寄せる意思を感じる
決意と能動に満ち溢れた指標のような最新型ポップ・アンセム。
大好きな一曲ですね。








【闘っているフリをしてる】

ただ、気分だけで盛り上がって結局なあなあになる危険性もこの曲は加味してると思っていて
ポーズだけじゃダメなんだよって気付けも存在しているのが尚素敵ですね
まだ僕は「ここにいるよ」って、終わった訳じゃないんだよって
そういう健気な告発が印象的な沁み入る楽曲、
ライブで聴くと更に感動的に響くので是非。