NICO Touches the Walls「PASSENGER」全曲レビュー、その10は「サドンデスゲーム」です。
この曲は去年のシングル時に一回レビューしたのですが
1年経って印象も変わってるので改めて。
これを含めて残り2回。最終回まで頑張ります。
10.サドンデスゲーム
【突然終わりの通告で 鳴り止まない深夜の非常ベル】
なんでもそうなんですけど
終わりって言うのはあらかじめ決まった中で訪れる訳じゃなくて
ある日突然何の前触れもなく起こってしまうもので
例え自分がそれを意識してなかったとしても
水面下では色々な情報が動いていて
気付いた時には終わりの合図はとっくに鳴っていて、その時点では為す術がない訳ですよね。
それに対して何一つの対策も出来なかったし
何一つのリアクションも起こせなかった。
のはきっと
いつ何が突然終わっても不思議じゃないってのを意識できなかった所為であって
本来ならばもっと頑張れたはずとか
何とか出来た筈、とか
残るのはやっぱり後悔だらけで、でもそれもある意味では仕方のない話なんですけど。
【後悔はもう 流行ってないぜ】
そんなこんなを繰り返していく内にですね
気付けば後悔だらけだった事に気づきます。
人生後悔だらけ
後悔のバーゲンセール
空っぽの自分に残ったのは後悔だけ。そればっか繰り返して生きている
自分の中で「後悔」ってジャンルが非常に流行っていると。
で、それを廃らせる必要があるっていうか
達成感とか
到達感
充実感で、それを消さなければ、自らを満たす必要がある訳で
そのせめぎ会いこそが人生っていうか
それこそStereo Fabrication of Youthの歌詞にもありましたけど「終わらないゲーム」だと。
どっちか片方が勝つまで決して終わる事のないゲーム。
後悔が勝つか
満足が勝つか。
どっちを勝たせたい?
どっちを負けさせたい?
それを決めるのは、実行するのは、他でもない自分自身で。
【死んでもまた 再起動です】
しかも、そのゲームは降りる事を許されない。
途中で止めるって選択が出来ない。
コンピューターゲームが例えGAME OVERになっても何度もコンティニュー出来てしまう様に
人生も何度負けても強制的にコンティニュー、再起動を余儀なくされる。
勝つか負けるか
引き分けは許されていない。
だからこそ、また同じ種類の扉を開いて
コンディションも精神力も整えて
後悔以外の何かを手にするまで
想像力も行動力も実行力も何もかも養って、悪夢のようなサドンデスゲームに勝てるように。
後悔ばっかが残らないように。
相手を喜ばせないように。
何度も再起動できるって事実に、逆に救われる事だってある。そんな揺ぎない事実を抱えて今日もまた―。
楽曲自体はシンプルでキレのあるNICO流ロックンロール
丁度「泥んこドビー」とかその辺に近い印象。
和製ロックを感じさせつつ、サビ直前ではオールディーズの匂いも感じさせるフレーズが出てきたり
そんな微調整もまた上手いって思える曲ですね。では次回最終回で。