超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

NICO Touches the Walls「PASSENGER」全曲レビューその10 「サドンデスゲーム」

2011-07-29 22:10:37 | 音楽(全曲レビュー)






NICO Touches the Walls「PASSENGER」全曲レビュー、その10は「サドンデスゲーム」です。

この曲は去年のシングル時に一回レビューしたのですが
1年経って印象も変わってるので改めて。
これを含めて残り2回。最終回まで頑張ります。





10.サドンデスゲーム




【突然終わりの通告で 鳴り止まない深夜の非常ベル】

なんでもそうなんですけど
終わりって言うのはあらかじめ決まった中で訪れる訳じゃなくて
ある日突然何の前触れもなく起こってしまうもので
例え自分がそれを意識してなかったとしても
水面下では色々な情報が動いていて
気付いた時には終わりの合図はとっくに鳴っていて、その時点では為す術がない訳ですよね。
それに対して何一つの対策も出来なかったし
何一つのリアクションも起こせなかった。
のはきっと
いつ何が突然終わっても不思議じゃないってのを意識できなかった所為であって
本来ならばもっと頑張れたはずとか
何とか出来た筈、とか
残るのはやっぱり後悔だらけで、でもそれもある意味では仕方のない話なんですけど。

【後悔はもう 流行ってないぜ】

そんなこんなを繰り返していく内にですね
気付けば後悔だらけだった事に気づきます。
人生後悔だらけ
後悔のバーゲンセール
空っぽの自分に残ったのは後悔だけ。そればっか繰り返して生きている
自分の中で「後悔」ってジャンルが非常に流行っていると。
で、それを廃らせる必要があるっていうか
達成感とか
到達感
充実感で、それを消さなければ、自らを満たす必要がある訳で
そのせめぎ会いこそが人生っていうか
それこそStereo Fabrication of Youthの歌詞にもありましたけど「終わらないゲーム」だと。
どっちか片方が勝つまで決して終わる事のないゲーム。
後悔が勝つか
満足が勝つか。
どっちを勝たせたい?
どっちを負けさせたい?
それを決めるのは、実行するのは、他でもない自分自身で。


【死んでもまた 再起動です】

しかも、そのゲームは降りる事を許されない。
途中で止めるって選択が出来ない。
コンピューターゲームが例えGAME OVERになっても何度もコンティニュー出来てしまう様に
人生も何度負けても強制的にコンティニュー、再起動を余儀なくされる。
勝つか負けるか
引き分けは許されていない。
だからこそ、また同じ種類の扉を開いて
コンディションも精神力も整えて
後悔以外の何かを手にするまで
想像力も行動力も実行力も何もかも養って、悪夢のようなサドンデスゲームに勝てるように。
後悔ばっかが残らないように。
相手を喜ばせないように。
何度も再起動できるって事実に、逆に救われる事だってある。そんな揺ぎない事実を抱えて今日もまた―。





楽曲自体はシンプルでキレのあるNICO流ロックンロール
丁度「泥んこドビー」とかその辺に近い印象。
和製ロックを感じさせつつ、サビ直前ではオールディーズの匂いも感じさせるフレーズが出てきたり
そんな微調整もまた上手いって思える曲ですね。では次回最終回で。




No.6 第4話「魔と聖」 感想

2011-07-29 02:09:28 | アニメ






そいつ・・・俺のなんだ。





ネズミのなんだ(笑)。いやあなんかえらいニタニタしてしまったんですけど、
正直面白さが加速してきた印象です。
キャラも掘り下げられてきたし、世界観もこの後の展開も結構分かってきて楽しさも倍になったような感覚。
元々原作の評判はいいようですしこの後の展開を見守るのも本当楽しみ。

まず書いておきたいのは
西ブロックは西ブロックで厄介な土地、って事ですね。
No.6が水面下で悪行を働いてる都市ならば、西ブロックは直接的な被害を受けるような場所。
それはいざこざによる死だったり、娼婦の強引な誘いだったり、必要以上に攻撃的な相手だったり・・・
とにかく何もかもが行き過ぎた印象で
あっちはあっちで生きるのが厳しい場所ならば、こっちはこっちで獰猛な場所であることには変わりがなく
正直どこいっても心休まる場所なんてないような印象で。
でも分かりやすいからこっちのがマシなのか?

そこからNo.6と関わりのある人物を探し出して、
要は紫苑と同じくそこから追われた身の人々ですね。
このブロックはそんな方々の集まりなのでしょうか?
尋問と探りを入れて
No.6の悪行を暴いたり、若しくは壊滅に向けて動いていく流れになって行きそうです。
今回は取り分けNo.6の創設メンバーらしき?人物の写真を入手、後々重要な複線になってきそうな。

どっちもどっちならば、膿を出してNo.6を本当の意味で美しい場所にしたい、って想いがあるのかな、と。


そんな厳しい場所を生き抜いてきたネズミだけに
人を疑い、
人を憎んで、
人を欺き続けてきた、そんな彼ですけど
だからこそ人を疑う事を知らない、純粋さの象徴とも云える紫苑には惹かれてる部分があるというか
口では皮肉嘲笑を出しつつも、イヌカシの云った通り想う所は大きいんでしょうね。
誰も彼も信頼できない醜い世界で、唯一本当に裏切らないって心から思える人物。
そりゃあ弱くもなっちゃうよなあ。
でもそんな翻弄されるネズミを観るのは正直楽しかったりもしますね。

一方で紫苑は紫苑で、そんなツンデレっていうか
なんだかんだいって最後は自分を守ってくれるネズミに惹かれてるじゃないですか。
そりゃこんだけ親切にされりゃあ心も傾くわな。
彼は純粋過ぎるが故に
この世の汚さも悪も何も知らずに生きてきたけれど
その分この世の全てを知っているかのようなネズミには憧れてる部分も大きいのかな、とか。
 要はどっちも恩義固い訳で、そう考えると二人ってある意味似たもの同士なんだな
とかそういう風にも感じられましたね。
早くも「絆」って言葉も浮かんでくるような、そういう意味で捉えると素敵な一話でした。
この先の二人の関係性を見守るのも非常に楽しみです。
いくら反発しあっても、同じ想いならばきっと分かり合えるはず。





しばらくはこの西ブロックで生活しつつ、造反の計画を進めていく方向性でしょうかね。
イヌカシもイヌカシで犬に育てられたとか
人間に対する不信感だとか
そういう心の闇が垣間見れた気がします。それとさり気に母親と連絡を取ってくれたネズミの優しさにも感動。

「君の事をもっと知りたい。」・・・冒頭見出しと繋げると見事に相思相愛ですね!(笑)。