超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

花咲くいろは 第14話 「これが私の生きる道」 感想

2011-07-03 22:49:58 | アニメ





緒花が一番可愛いのにな~。男たち見る目ないな~。とか言いたい。





どんだけモテんだよアンタら!と言いたいけど
そんな中で緒花一人がある意味取り残されてて、それは自業自得ではあるんだけど
それでも今でもいじらしく引きずるあたりが
何と言うか本当に男子っぽい考えですね。
それとは対照的に、結名自身は逆に色々と割り切っている考え方のようで
その対比が面白かったのと同時に、ある意味スイさんと皐月さんとの関係の様にも思えて。
一体どこまで面白くなるんだこのアニメ、
とか言いたいくらいに本当に奥深い作品になってますね。

結名と許婚、噛み合わない想い。
それも正直観てると当然といえば当然で
あの許婚の男子は旅館経営云々よりも本当はただ結名とくっ付きたいが為に
それだけの為に頑張ってるような気がして。
だから彼彼女以外の旅館の事は眼中にない訳ですよ。
それは自身の旅館の従業員に対してもね。
あの人らもいい加減な所はあるけど、自分たちは機械みたいに扱われて
その一方で明らかに時間を割いてデレデレする相手がいる
それで腹が立つのも当然の事だし
スイさんの教えとは違って、ただ単にマニュアルだけって印象もありますよね。
まあ基本女の子の為に頑張る男子を否定したくはないんですけどね。
足元が見えてない感じというか。
結名の主張も正しいといえば正しくて、生き方なんて他人に決められるものじゃない。
それは彼にとってはショックな出来事なんだろうけど。
そこにお互いどうやって折り合いを付けるのか。
来週の個人的な注目点はそこですね。

気が付けばグングンと成長していた緒花。
他人の旅館なのに靴を揃えて
自身の旅館と比較して
良い所を学び、悪い部分も当然学び・・・。
その姿は正に一生懸命仕事する人そのものでした。
好きな事じゃないとぼんぼれない、とは結名の言葉ですけど
それって今の緒花にも当てはまるというか
今の仕事が彼女にとっての天職なんでしょうね。輝きたいって気持ちも分かるし。
誰にでも出来ることよりも
自分にしか出来ないことを探してる。
個人的にはそんな気もしてます。
誰かと自分を比べて初めて分かることもある。他人は自分を直で映す鏡。
だから今回の修学旅行でも緒花には思う存分学んで噛み砕いて欲しいですね。
その様子を観てるだけでも十分面白いから。


さて、堅苦しい話は抜きにして、水着シーンとお風呂シーンはそれぞれ眼福でしたね!(笑)。
個人的には緒花が一番可愛かったと思うんだけど
それにしても告白されて真っ赤になる民子も可愛かったなあ。
思わずニヤニヤしてしまったぜ。
最近はそういう笑えるシーンが少なかっただけに
これはいい潤滑油になった気がします。
特に緒花の入浴シーンはね。
いいもの頂きましたね(笑)。演歌って言うのも何気に彼女に似合ってますなあ。
やっぱりこういう青春ものは観ていて懐かしい気持ちになれるから良いですね。
ま、私のとは全然別物ですけど!




正直今じゃ飛び抜けて面白いと感じますね。キャラに厚みが出てきたので、是非それを活かしていってもらいたい。
そしてクラムボン大好きなんでEDはかなり嬉しかったです。ミトさん良かったねぇ。



異国迷路のクロワーゼ 1~2巻/武田日向

2011-07-03 14:02:20 | 漫画(新作)





武田日向「異国迷路のクロワーゼ」1~2巻について。詳しいネタバレは避けてお送りします。




この漫画は2年に一冊ってペースで出てるんですね。
だから最新刊が出たのも2年前なのです。
で、ここで一つ因縁がありましてですね、その2年前に一本レビュー書いてアマゾンの方に投下したんですが
それが未だに反映されてないって事態なんですよね(笑)。自分の記憶が確かならばね。
その後何だかんだで書くタイミングは見失なっちゃってたんですが
いい機会なので今書く事にします。
改めて読んで思ったんですが、この漫画は2巻の時点で名作と断言しても良いレベルですね。
個人的には「GUNSLINGER GIRL」好きな方にはウケるんじゃないかな~。
まあ湯音は一応元気な体ではありますけどね。


この漫画を読んだきっかけ、っていうのは結構変わったものでして
姉の友人が「あんたの弟こういうの好きでしょ?」みたいな感じで薦めてきたって話で
渡されて読んだんですけど
一度も会ったことのない人に「好きでしょ?」とか言われても、とか
そこまで見透かされてるのか?とかその時点で思って
多少穿った目で最初は読んだんですけど
気が付けばめちゃめちゃ感動してた、っていう(笑)。「確かに好きだわ」って正直思いました。

日本の長崎の少女が、
異国パリの地で奮闘する物語。
でも、それって湯音だけじゃなくて
相手も相手で戸惑いがあったり、文化の違いで困惑したり
すれ違ってしまったり・・・っていう
思った以上に「文化圏の違い」ってテーマをガッツリ書いてる物語なんですよね。
だから単純に海外の景色がどうとか
日本情緒云々の作品ではなく
もう少し深い所までツッコんでいる作品なんですけど、
その分お互いの最大公約数?いや、この言い方は少し違うかな。
互いの気持ちを重ね合わせて分かり合えた時の感動は言葉には出来ないくらい素晴らしいですね。
非常に丁寧な作画に、丁寧な心理描写。
奥深いテーマ。
もうこれだけで鉄板レベルなんですが、その上、やっぱり安易に悪者を作らない良さもありますよね。
一見敵に見えても
その実考えがあって、その中で自分がどういう行動を取ればいいのか考える。
その結果少しでも分かり合えたら良いんですけど
それをじっくりじっくり
グツグツスープを煮る様に描いてくれてる物語。
この漫画を読んで何度も泣きそうになるんですけど、それはきっと
人間の根本的な優しさとか思いやり、それをしっかり描いているからなんだろうなあ、って思います。
これは単純にどんな人間が読んでも面白い漫画なんじゃないですかね。
これをそのままのクオリティでアニメにしたら
正直とんでもない事になる予感もするんですけど
でもやっぱり原作が良すぎる事による不安はあるかもしれない。漫画的表現に於いて高レベルですから。
その分これから始まるアニメにも、アニメならではの魅せ方を期待したいですね。




ちなみに私的に特に好きなのはあの孤児の子供に湯音の気持ちが伝わった話と
汐音さんとの関係の話、
それと2巻の最後の話は本当の意味で鉄板でしょう。
鳥肌が立つくらい素晴らしかったと思う。




同情するならミルクくれ/中年(ポプリクラブ2011年 8月号感想)

2011-07-03 07:48:23 | 漫画(成年雑誌)





個人的に大好きな作家の一人である中年が正式に復帰しました。その感想でも。

の、前に久々にポプリの感想も書きます。成年誌なので注意。それでは以下。





●おとなりさんと(前編)/しーざー

随分と中学生男子チックな妄想をするお姉さんですね。
独特の用語感はまさに女性作家ならでは。
ただ個人的にはオンリーワンとか言われても・・の部分に一番共感したり。
「社会に出たら働き蟻の一匹である事を認識せざるを得ない」・・・ねぇ?


●漏れ妹!/綾乃れな

いや、以前からオマージュ的な要素のある作家さんだったけど
ここまで露骨になってるとは?
どうみてもきり・・・これ以上は言うまい。
性格が全然違うのが救いではあるか。何気に可愛いけど(笑)。


●お姉様と!/茶否

こういうのは分かっていても、ダメだと分かってても好きだな(笑)。
前から思ってたけどこの方の絵柄は非記号的で良いですね。
素朴だけど、過激さも忘れずに、的な。


●ペナルティ/みやもとゆう

風呂場で指を咥える男の表情がいやにセクシーだった。





さて、ここからが本題の中年です。
復帰作と銘打っては居ますが
リハビリ的には別名義でここ数ヶ月やってたと思うんですけど。
でもそれってぶっちゃけイマイチだったというか
グッと来るものがなかった。
中年特有のカタルシスは正直なかったですね。

だからこそ、この作品は本当に良かったですね。
プチ感動もしたし
凄く中年らしくもあるし
絵柄的にも、休止前の2作品に比べると大分勘が戻ってきてる様にも感じます。
だから個人的には言う事なし・・・と言いたいんですが
まだ安定するまでは様子見って感じもあるかな。
それにしても復帰はやっぱり目出度いし、嬉しいです。
また来年は2年ぶりの新刊とか是非是非出してもらえると嬉しいですね。
その間にまた再び過去作の感想も今の自分で書いてみよう。


今回の話で何がいいか、って
まずは中年独特のハッとするような表情の復活、ってのが一つ
もう一つは世間的に見捨てられた同士の愛、っていうか
その辺の哀愁が結構に胸に来たというか。
やはりこの方は私が敬愛する田中ユタカの(個人的な)後継者になってくれそうな予感がします。
やっぱ成年漫画は暗さを入れる事でいい具合の深みが出ますね。
表情が良いと記述しましたが
ラストの花子の表情は文句なく素晴らしかったです。
かつての「スズメの覚悟」のスズメくらい。
それを見れただけでも、ある程度は満足。




これからどのくらいの頻度で載るかは未知数ですが、個人的にずっと推してる作家なので
これからもずっと追いかけさせて下さい、って感じですね。
次の本が出るのを待ってますから。



デッドマン・ワンダーランド 第12話(最終回)「救済」 感想

2011-07-03 05:29:44 | アニメ






温かい雨。






「死」という概念が幸せである、と。
これはちょっと分かる部分もあるなあっていうか
単純に色々なしがらみから解放される訳ですからね。
そりゃ楽だし
痛みもないし
余計な苦しみも悲しみも何も感じずに
ただ単に命をまっとう出来る。このデッドマン・ワンダーランドはそんな場所でもあるんだと。
席の奪い合いをリアルでやってしまっている場所。
だからこそ分かりやすく
死んでもまたメリットがある、と。

それに対する解答は・・・もう既に丸太が出してくれていましたね。
生きる理由や意味を見いだせなくても
目の前にいるたった一人の
それだけの為に生きる。
これもまた明瞭で分かりやすい主張じゃないですか。
個人的にそこに正不正云々は要らないと思っていて、選ぶか選ばないかの違いなんですけど
ただそれを強制されるのは救いでもなんでもないと思います。
思想を押し付けられるのなんて、それこそ苦しみじゃないですか?
そういう意味でこの結末は正しいし
それが丸太の奇跡パワーではなくシロの力を借りて、って展開も良かったですねえ。
その前にシロに対して反省の意を示してる事と
一回仲違いがあったからこそ
説得力も増す、ってもんです。絶望だらけで希望がわずかだったとしても、そのわずかを追い求めて生きる。
物語としてはある意味美しい着地点ではなかったのではないでしょうか。

とはいえ
最終回を観ればこの後の展開も色々とあるのは明白で
俺たちはこれからだENDなのは間違いないんですけど
正直物語のストレートな面白さって意味ではかなり原作に興味を持った作品ではあります。
その意味で個人的にはかなりの成功作でした。
完結した時にでも一気読みしようかな、と。





総評。
実に面白かったです。
最近は人が死なないバトル物が定着してるってイメージの中で
登場人物がバンバン死んでいくのは
賛否両論あると思いますけど
これが一つの正しい形でもあると思うんですよね。
実際はもっともっと、だろうから、命なんて簡単に消えるって事実を示唆してる
それでも必死に喰らい付く事には意味がある、ってラストにも繋がって
その点じゃ個人的には好感触でした。

あと残虐な設定って思われたデッドマン・ワンダーランドがこの世界そのもの、って
気付けた時もまた面白さに違いがありましたね。
別の意味ではこの世界のが下手に締め所がないから辛いんじゃないか、って思ったくらい。
でも、それでも最終的には丸太の意見に同意、というか
必要なのは信念とか想う気持ちなんだな、と。
意外にあの女看守が見方になってくれそうな予感もしますしね。
そこまでして必死に喰らい付いた希望には
確かに意味があって
尊くもあって。
結構に考えさせられるアニメでした。今期の中でもいい線行ってたんじゃないですかね。内容的にね。


ってな訳でここから夏の新番組、2クール目に向かいます!
春期もお付き合い下さってありがとうございました。