最近新刊が出たので、藤こよみの漫画に付いて触れてみる。初連載作「このこここのこ」。
全3巻と手軽な巻数の上に
適度に話がまとまっていて読みやすいです。
家族漫画としても、恋愛漫画としても、日常漫画としても読める懐の広さがある。
新作「ヤシコー初代生徒会」で興味を持った方も
そうでない方にも是非読んで欲しい作品です。
(ちなみに今回から「新刊」と「旧作」で分ける事にしました。漫画のカテゴリ。)
この漫画の何が良いって、まずはその雰囲気。
何となしに読める素朴な雰囲気。に加え
再婚した両親が揃って転勤し、残された子供たちの生活を描く、ってストーリーもまた絶妙っていうか
上手い所突いて来るなあ、と。
そこに色々な葛藤が乗っかってくる感じで。
最新作でもそうなんですが
過去のトラウマとか、ジレンマとか、そういうものを描かせればこの作者はホントキレが良いというか
そういう細かい部分の描写が本当に丁寧で良いですね。
最初は家族として接してる内に
後々恋をしてしまう訳なんですが
その流れも驚くほど自然で、さりげなくて・・・仄かな感動がある。
特に3巻の後半からはニヤニヤが止まらなくて参ってしまいました。こそばゆいっての。
ニヤケ過ぎてどうにかなるかと思ったわ。
キャラクターもいちいち良いんですよ。
キャラ描写もクセがなく、だけど印象に残る感じで
その毒気のない素敵な絵柄を見てるだけで良い気分になる。
それは新作でも同じですね。
独特の体の描き方だとか、そういうのも良いんですが何より体が凄く柔らかそう。
それでいてしなやか。
それだけでもうイケちゃう感じ。
同時に、男性キャラの格好良さも忘れてはいけない。可愛い女性キャラも沢山出てくるけど
それと共に格好の良い男性キャラも沢山出てきて
一方に偏らないのもまた素敵である。
好感の持てるキャラ一杯。
そんなに派手な漫画ではないんですが
淡々とした中の温かさだったり
丁寧な心情とか
そういうのが好きな人は恐らく好きだと思う。
また単純にラブコメとしても秀逸だし、軽さも全くない。
代わりに地味って言う短所もあるんですが
それもまた人によって印象は違うでしょうね。ささやかな描写が心を潤してくれます。
最初は猫被りだったヒロインが段々自然体になったり
人見知りだった女の子もラストでは少しずつ大人になってたり
家族と過ごすうちに
それぞれが成長していってるのもまた感慨深いですね。
ストレートに良い作品なので、多分どんな人でも楽しめる可能性は高いですね。
まあ派手な展開を望むには無理目な作品ですが。
日常描写が一つウリだと思うので。
新刊が出て、改めて読み直して見ましたが
サクッと読める傑作として非常に秀逸ですね。「恋風」とか好きな方にもオススメかも。
清涼感のある作品です。