日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「イタリアから発祥したモンテッソーリ教育のその後 -日本におけるモンテッソーリ教育の現状-」に参加しました(2019.9.7)@星美学園短期大学日伊総合研究所

2019年09月14日 | イタリア関連の催し
イタリア文化セミナー2019・日伊総合研究所主催基調講演「イタリアから発祥したモンテッソーリ教育のその後 -日本におけるモンテッソーリ教育の現状-」に参加しました(2019.9.7)@星美学園短期大学日伊総合研究所



モンテッソーリ教育が戦後の日本に導入された当時の貴重な資料とお話を その時代を担った天野先生から直接伺うことができて 大変感銘を受けました また自分の子育ての頃を懐かしく思い出しました

私は午前中の基調講演のみの参加でしたが いつものイタリアのテーマの時とは少し異なり 幼児教育に携わる方々が 午後の2つの分科会(「0~3歳児の発達とモンテッソーリ教育-家庭でもで きるモンテッソーリ教育-」「0~3歳児の発達とモンテッソーリ教育 -家庭でもできるモンテッソーリ教育-」)と合わせて 一日熱心に参加されていらっしゃいました
午後の分科会講師の内のお一人は は ここ星美学園の卒業生とのことです

発達心理学がご専門の天野先生は モンテッソーリ教育の理論と実践を 幼稚園教諭と短大講師との二束のわらじを40数年間続けることによって実現され 日本におけるモンテッソーリ教育の代表的存在となられました この日紹介してくださった本も 日本にはあと1冊しかないという貴重なものでした

イタリア初の女性医師 マリア・モンテッソーリ女史は 障がい児の治療や教育から幼児教育に転じられ 「わたしがひとりでできるように手伝ってね」という 子どもの自立しようとする自らの欲求に 初めて真剣に取り組んだ方です

モンテッソーリは 子どもが自分を成長させたい強いエネルギーにより行動する時期を 「敏感期」と名付けました たとえばおしめはずしは ちょうどいい時期にやると成功する というように

そして 「集中現象」という 意欲に満ちて何かに没頭する現象を示してくださいました 
子どもが静かだなぁ...と思うと ティッシュペーパーをどんどん引き出して箱はからっぽ... でも ここで叱ってはいけません 思いっきりやらせると 満足して もうやらなくなるのですね 

私も経験あります! 子どもが1才くらいの時やたら静かだなぁ...とドアを開けてみたら 単行本数十冊が 本のカバーをひんむかれて部屋中に散らかり...子どもはにんまり笑っているのですね( ;∀;)
同じ本のカバーをもとにもどすのにどれだけ大変だったか...でもこれが「集中現象」だったのですね~納得!!
そしてこうしてゆくと 人を許せる いじめなどをしない そんな健全な精神が育ってゆくのだそうです 
そしてできるだけ時間で区切らないことも大切なのですね

ローマのサンロレンツォ地区に作られた「子どもの家(Casa di bambini)」開設100年祭に 2007年1月に訪れた時のことも伺いました 当時はまだ貧民街で 最初は知的障がい児のために作られたのですが 今も同じ場所で運営が続けられているそうです

レッジョ・エミリアも視察されたそうです これは市民から生まれた教育方法で よい環境の中で子どもを自由にさせる教育で 欧米に広まっています 
私も ワタリウム美術館の驚くべき学びの世界展を見に行ったことがあります

自由と放任とは違うのですね 約束を守る中での自由 なので自由と規律はコインの裏と表のように一体のものなのです

たとえばお片付けをちゃんとしたら ここであそんでいいよ等と むやみに手を貸さずに自分でやらせることで 私も自分の子育てを反省(*ノωノ)


そして次は 日本モンテッソーリ協会の設立(1968) そして教員養成コースの開設(1970)について伺いました
50周年記念誌「日本モンテッソーリ協会(学会)50年のあゆみ」(2017年)のご紹介とともに 学会にするために奮闘されたお話なども伺いました

なんと3代目の理事長(会長)は上智大学のクラウス・ルーメル氏です (日独協会がらみで間接的に存じ上げておりました...)

2007年に上智大学の養成コースが閉鎖され NPO法人東京モンテッソーリ教育研究所が すべてを引き継ぐ形で設立されました
AMI認可の教師トレーニングセンターもあり 日本全国に10の支部があり 持ち回りで夏の全国大会(学会)を開催しています

草創期の実践記録「現場のためのモンテッソーリ教育の実践」(1975)には 草創期の様々な苦労談が載っています 

そして 先生が理事長を務められる愛珠幼稚園での 自由活動風景をご紹介していただきました

たとえば 言語教材では はめこみ机 ひみつ袋 本物そっくりの野菜の模型での名あわせ みぞ文字 筆順カード 文字の組み立て版 世界地図のパズルなど 実に興味深かったです

そして 家庭でできるモンテッソーリ教育の実践では 急須でお茶を入れる等の日常生活の練習を 安全な形でさせてゆくこと また たとえば靴をしまわない子は 靴箱に名前を貼るとよろこんで靴を入れるようになる等 そのほか様々な貴重なお話を伺うことができ 自分の子育て時代を振り返りつつ イタリアから生まれたモンテッソーリ教育(日本では藤井七段 アメリカのオバマ ビル・ゲイツその他も受けたそうです)の世界を知ることができて とても満足いたしました


イタリア文化セミナー2019
は こちら

すばらしい文化セミナーを開催してくださいました 星美学園短期大学日伊総合研究所様に心よりお礼申し上げます また来年楽しみにしております




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