日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

イタリア・デザイン・デー「デザインでめぐるイタリア」上映会に行きコンパッソ・ドーロ賞受賞作品展「空中に漂うデザイン」展(~3月13日)を見てきました(2018.3.2)@イタリア文化会館

2018年03月03日 | イタリア製品

イタリア・デザイン・デー「デザインでめぐるイタリア」上映会に行きコンパッソ・ドーロ賞受賞作品展「空中に漂うデザイン」展(~3月13日)を見てきました(2018.3.2)@イタリア文化会館


スピーチコンテスト出場のインパクトが強すぎて(?) 再びイタリア文化会館を訪れると浦島太郎のような不思議な感覚に囚われるのですが(笑) 今夜はイタリア・デザイン・デーの展示と上映会に行ってきました♪

コンパッソ・ドーロ賞受賞作品展「空中に漂うデザイン」
は Premio Compasso d'Oroというデザイン賞の受賞作の展示と 今までの受賞作のパネル展示でした


コンパッソ・ドーロ賞
1954年にジオ・ポンティの発案によって創設された イタリアインダストリアルデザイン協会が主催する歴史あるデザイン賞とのことで 今年の受賞作品9点が展示されていました
ライトや靴 コーヒーメーカー スタイリッシュな防音マット等色々ありましたが 中でも一番気に入ったのはISSEY MIYAKEの和紙で作った折り紙のような形のランプ♡ 

展示パネル24枚をすべて作品名と写真を突き合わせて見たのですが 昔のものは古くなつかしいフォルムのタイプライターやレジ等 大きくごついデザインに懐かしさを感じ 今の時代のものは作品タイトルもフォルムもスタイリッシュになり 時代の変遷を感じました
60年の歴史の中で約300点が受賞し 2004年にイタリア文化財・文化活動省の重要な歴史・文化財として認められているとのことです

   *     *     *

さていよいよ「デザインでめぐるイタリア(Rassegna di documentari "Geografie italiane del design")」上映会 まずは館長挨拶に続き 2名の「ミラノ・デザイン・フィルムフェスティバル」代表者による紹介です

このミラノ・デザイン・フィルムフェスティバルは2013年に創設される ドキュメンタリー短編映画が主な映画祭で 毎年10月に開催され デザイナー スタイル 前衛運動の物語 社会的なテーマ等を取り上げています
生活にかかわるものはすべて設計とつながっているビジョンを普及させるため 映画だけでなく 多岐にわたって文化伝達・普及をするめの多機能的な場(プラットフォーム)でありたいとのこと

3月1日(木)
の講演会「世界はデザインで満ちている」でも デザインとは何か?をテーマに語られ 空中に漂うデザイン ミクロからマクロまですべてのスケールで考え さまざまな方法で時代の変遷とともに変わり イタリア人のライフスタイル"Vivere all'Italia"の一環として デザインをとらえる試みがなされました また巨匠エットーレ・ソットサスの未発表のたいへん印象的な言葉も紹介されました 

今年の受賞作10本が 世界中にあるイタリア文化会館で上映されますが 「イタリアの独創性の歴史と現状のプロフィール」ともいえるシリーズで 私はその1日目に行ってきました!


1日目(3月2日
)上映作品:

1. ジッロ・ドルフレス コップの水の中に(Gillo Dorfles. In un bicchier d'acqua)
(フランチェスコ・クレリチ監督, 2017, 11分)

自らを語るなかで現れる お気に入りのものを通して見たジッロ・ドルフレスの肖像あるいは自画像 彼は 自身にとってかけがえのないものについて語る 歴史・芸術の文化と日用品 家族の遺品と未発表の彫刻 記憶と直感を織り交ぜながら

107才
ジッロ・ドルフレス(Gillo Dorfles)の語りとともに現れるさまざまな自宅に置かれたものたち そしてやがて現れるドルフェス自身の姿 静かな部屋 「年とともに選ぶものが減り 自分の分身となってゆく」 「底知れぬ愛着を持つものは すべて物語を持っており 物(モノ)以上の価値を持つ」 との言葉に感銘を受けました


2. モッリーノ劇場(Teatro Mollino) (フェリペ・サングイネッティ監督, 2017, 8分)

多才な建築家カルロ・モッリーノ(1905~1973)はトリノが生んだ鬼才 この作品の主役は コンサートホールの傑作で イタリアオペラの伝統的なデザインを統合させるレージョ劇場(1965~73)と 1960年代末に作られたモッリーノのアパルトマン カーサ・モッリーノ 彼がそこに住んだことはない それは彼の純粋な想像力を具現化したものである

トリノのレージョ劇場(Teatro Regio di Torino) は1740年にできましたが火災により1973年にモッリーノにより再建された荘厳な劇場です 一方Casa Mollinoは 素晴らしい調度品に囲まれた 角がなく卵のような家具のある完璧なプライベート空間であるにもかかわらず 住んだことはなかったとのこと 

3. ガラスの教会(La chiesa di vetro) (ジュゼッペ・バレージ監督, 2017, 45分30秒)

皆が“ガラスの教会”と呼ぶ。ミラノ北部、バランツァーテ(Baranzate)のノストラ・スィニョーラ・デッラ・ミゼリコルディア教会の2006年の修復プロジェクトのドキュメンタリー 近代的建設作業のメソドロジーや、建築作品を“上書き”するという考え方についての“映像による試論”となった

修復(restauro)
の細かい過程をインタビューを交えて紹介するドキュメンタリー 上書きする(riscrivere)のは 最新の技術で再設計すること この教会は入る時に道を降りてゆき 中に入ると曇りガラスからの陽の光に包まれて ほんの少しの隙間から光が差し込み木々が見えます 工学とデザインの協調により生まれたX字型の構造物を使っています 

デザイン立国イタリアの神髄に少しだけ触れられた気がしました 展覧会も上映会もまだやっています:


コンパッソ・ドーロ賞受賞作品展「空中に漂うデザイン」」の展示は 2018年3月1日(木)~13日(火) まで

「デザインでめぐるイタリア」上映会
3月2日(金)~3月4日(日)まで(無料、要予約)

1日目(3/2)は こちら

2日目(3/3)は こちら

3日目(3/4)は こちら

素晴らしいイベントを開催してくださいましたイタリア文化会館様に心よりお礼申し上げます


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