第6回フォスコ・マライーニ賞(Premio Fosco Maraini 6a edizione)授賞式に行ってきました(2024.6.12)@イタリア文化会館
フォスコ・マライーニ/Fosco Maraini(1912-2004)は民族学者、写真家、登山家、詩人、作家として、さまざまな分野に関心をもつ、他に類をみない日本研究者でした
伊日両国をつなぐ大きな役割を果たしたマライーニの名前を冠した本賞は、1978年から2007年まで続いた「マルコ・ポーロ賞」を継承するもので、日本におけるイタリア文化への理解と関心を促進することを目的として、2013年に創設されました
第6回授賞作は 2021年7月から2023年12月の間に出版された日本語によるイタリアに関する優れた著作の中から 川合真木子氏の『アルテミジア・ジェンティレスキ 女性画家の生きたナポリ(Artemisia Gentileschi in Naples)』 (晃洋書房 2023年2月) が選出されました
授賞式
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この日は 2014年にダーチャ・マライーニ氏に「ダーチャ・マライーニ講演会「書くこと、生きること」に鳴りやまぬ拍手(2014.5.23)@イタリア文化会館」の講演会でお会いしてから ゆうに10年ぶりの再会となりました
この表彰式のための来日で とてもお元気そうでした
旅を愛した祖母と 父フォスコ・マライーニ氏のこと 終戦までの2年間の名古屋の強制収容所のこと 文学のこと等を話されました
歓迎会も開かれました
「宮澤・レーン事件“生き証人”イタリア人女性が来日」(NHK北海道/2024.7.11)
は こちら
そして第6回の受賞作について 審査員長より講評・審査の経緯についてお話がありました
歴史画家としてのアルテミジア・ジェンティレスキ(Artemisia Gentileschi)の とりわけ後年のナポリ時代に焦点を当てて 一次資料も充実したこの著書が受賞に至った審査経緯もご紹介いただきました
対象期間中に出版された105冊のうち審査対象外の41冊を除いた64冊が選考対象となり 5人の選考委員で3冊ずつ選び11冊が残り 第2次審査では9冊そして4冊と絞り込み 多面的に検討した結果 この著作が受賞作品に選ばれました
私個人としては 日本でまだ専門書の出ていないジェンティレスキを取り上げたことが決め手となったのではないかと感じます
受賞作品の紹介
そして 授賞式に続き 受賞された河合真木子氏による受賞の言葉が述べられました
ジェンティレスキの絵「ホロフェルネスの首を斬るユディト』(Giuditta decapita Oloferne ) 」にウフィツィ美術館で出会ったのは 美術史を専攻するかどうかも決めていなかった20年前 卒論で取り上げ 日本には資料も乏しく ローマに留学し研究を続け とりわけジェンティレスキが職業画家として自立して生き抜いたナポリでの晩年に焦点を当てて一次資料を探しまわり 古文書館やポッツォーリの噴火口までも行ったこと そしてようやく日本でジェンティレスキの専門書が出たことで これからは彼女と同様の当時いたはずの他の女性画家にも目を向けてゆきたいとの言葉でした
ホワイエには受賞作や ジェンティレスキの画集・絵本 マライーニ親子の関連の本が
授賞式のあとのビュッフェ🍷
フォスコ・マライーニ賞(Premio Fosco Maraini)は こちら
受賞作『アルテミジア・ジェンティレスキ―女性画家が生きたナポリ(Artemisia Gentileschi in Naples/Artemisia Gentileschi - La vita a Napoli di una pittrice)』は こちら
開催のお知らせは こちら
『「アルテミジア・ジェンティレスキ ~バロック絵画における女性の解放 ~」に参加しました(2020.12.13)@高円寺ピアッツアイタリア』は こちら ← 4年前にジェンティレスキのセミナーに参加しました
ダーチャ・マライーニ来日の記事は こちら
素晴らしい授賞式を開催してくださいましたイタリア文化会館様に 心よりお礼申し上げます