日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

世界イタリア料理週間の「チーズのセミナー」でチーズの歴史のお話を聞いた思い出(2017.11.21)@イタリア文化会館

2020年10月21日 | イタリア料理・イタリアン食材
世界イタリア料理週間の「チーズのセミナー」でチーズの歴史のお話を聞いた思い出(2017.11.21)@イタリア文化会館


今年はイタリア料理週間は開催されませんが 代わりに2017年のリポートです

2018年の第3回イタリア料理週間では フレッシュチーズと 熟成チーズに分かれて開催されたチーズのセミナー 2017年の第2回の時はひとつにまとめられておりました ですのでそちらに参加した時のなつかしいリポートです:

世界イタリア料理週間」のチーズのテイスティングセミナーでは イタリアのチーズの歴史についてお話いただいたあとで 5種類のチーズのテイスティングをしました♡ 私は午後のクラフトビールのセミナーにも申し込んでいたので ランチをはさんで連続参加

何年も通い詰めたイタリア文化会館 まだ初級の人たちの会話が聞いていてなつかしい... 通り過ぎた青春って感じ(#^.^#) セミナーの超速のイタリア語をわりと聞き取れるようになり 長き道のりを思いつつ存分に味わってきました:

チーズの歴史について

チーズは太古から プロテインを含む完璧な栄養源として し好品というよりは重要な食品でした 
5000年以上前のメソポタミア イスラム アラブ諸国では重要な食料として 遊牧民族(食品保存ができないため)から 土地に定着し農耕民族に移る過程において チーズは保存食品として存在し 人類の文明を変えたのです

遊牧民族は ラクダ 馬 ヤギ 羊等の胃を その動物の乳を運ぶ袋として利用していた 幸福な偶然によって 人々はその動物の胃の中に お乳を凝固させる凝乳剤(酵素)があることを発見し 胃の中で乳は凝固したのです 
また初乳(子どもを産んだばかりの母のお乳)は完璧な栄養が含まれている(人間も同じですね)
高い温度 乳酸菌が繁殖する好条件 移動による動き等の好条件が重なり もともと傷みやすいお乳が 保存のきく何かに変化したのでした

カリアータ(凝乳, Cagliata) 
それは固まり始めた最初のお乳で「カード」のこと  そう チーズは民族定住化のための大切なキーポイントになったのです

お乳(latte) カリオ(凝乳剤) 塩(sale)
がその3要素 イタリアには550種類の フランスは300 スペインには250種類のチーズがある 

子どもの頃学校で習ったこと 古代ローマ帝国がなぜこんなにも広範囲にその領域を広げたのか? それは「塩のあるところを求めた結果だ」と言われたと

古代ローマには チーズ サラミ ハムもあった ワインもあった(今とは違うもの)
何千年も前に リグリア海からの温かい風が アペニン山脈そしてポー平野(pianura padana)に吹き チーズが熟成し乾かすのにちょうどよかった

熟成期間は9か月でも我々にとっては短い 何年も熟成されるものもあるのだから
ヤギ(capra) 羊(pecora) 南では水牛(buffara) ミックスチーズもある
雌牛(mucca)のチーズは古代ローマにはなかった この頃は羊のチーズ  そう ペコリーノ・ロマーノ(pecorino romano)だ
muccaは ローマを滅ぼしたバルバリ(barbari/蛮族)がもたらしたのだった

ペコリーノ・ロマーノは 戦いに行く兵士たちに 塩とともに供された あるいは報奨品として与えられたという 戦いのエネルギーの源だったのだ

ローマ帝国崩壊後たくさんの民族が入り それらの文化が持ち込まれた チーズ文化もしかり 西ゴート族がナポリに水牛(bufala)を持ち込んだことから モッツァレラチーズ(mozzarella)が生まれた なぜならこの地帯はマラリアがはびこり 湿地帯で(paludoso) 牛ではなくより強い水牛こそが適していたからだという...

それが イタリアのチーズの長い歴史なのです 

  *       *       *

次は チーズのテイスティングに入ります



1. ピエモンテのトーマ・ピエモンティ というミックスチーズ ピエモンテは最もチーズの種類が多い地域

2. 白カビ(muffa)のカマンベールチーズ crosta(硬い外皮)もいただく 繊細な味わい(fine)

3. カチェータ・ディ・ブファラ(Cacieta di bufala) 水牛のモッツァレラ ケルト人が持ち込んだチーズ クロスタ(外皮)は食べない(塩からい) サンジョヴェーゼ等が合う(abbinamento)

4. パルミジャーノ・レッジャーノ(parmigiano reggiano) 2年熟成もの ローストしたクルミのような香り ランブルスコの赤が合う

5. ゴルゴンゾーラ(gorgonzola) 青カビチーズ ラテン語の青緑の色 グラウドムという村で発見された ヴィンサント等と合う 

これらを 1. シチリアオレンジのマーマレード(紙皿の中心の3つのうちの上) 2. ひまわりのはちみつ(右) 3. ブドウのモスタルダ(辛子を加えたジャム)などとをつけていただく

  

チーズは鼻の前で割って香りをかぎ 半分はそのまま 半分は上のどれかをつけていただき 一つ味わったら必ず水を口にふくめて口の中を中立させる 等のテイスティングマナーを スローフード大学(ポッレンツォ食科学大学)の授業そのままに 教えていただきました

こんなに美味しいイタリアチーズをいただき 貴重なお話も聞けて 参加してよかったです♡ 素晴らしいセミナーを開催してくださいましたイタリア文化会館様に心よりお礼申し上げます 

* 写真はチーズのテイスティングの紙皿 上が1 時計回りに5まで 中心の3つは チーズをつけていただいたもの

開催のお知らせは こちら


 
またいつの日かイタリアのイベントが再開できることを祈りつつ...

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