日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

夏の文化講座「スローフードのイタリア語」でスローフード憲章を読む(2015.8.9)@日伊学院夏の文化講座

2015年08月15日 | スローフード・食育

夏の文化講座「スローフードのイタリア語」でスローフード憲章を読む(2015.8.9)@日伊学院夏の文化講座


この文化講座は日本語での開催なので イタリア語のできない家族と行ってきました「スローフードのイタリア語」!! 会場にはやはりイタリア語はできないがスローフードに興味があるという方もちらほら...なので最初はまず「スローフード誕生秘話」から始まりました!!

講師はスローフードジャパンの設立にも関わった副会長「スローフードの奇跡」(2009年に日本語版発行)の翻訳者の石田雅芳氏です 
スローフード運動の創始者カルロ・ペトリーニ氏の側で働いていたという氏の話にどんどん惹きこまれて 時間を押してたっぷり堪能いたしました!!

この「スローフードの奇跡」の翻訳の苦労談も聞き 家に帰って早速手に取ってまた読み直したところです 
これはカルロ・ペトリーニ氏のサイン入りの宝物で 2009年10月21日にこの本のプレゼンがあり この時私は 2008年のガーディアンの「世界を救うかもしれない50人の1人」に選ばれた男カルロ・ペトリーニ/Carlo Petrini(スローフード協会創設者、会長)氏の講演を 満員のイタリア文化会館アニェッリホールで初めて聞いたのでした


      *         *         *   

1986年スローフード運動がピエモンテ州ブラの町で産声を挙げたその時 北イタリアの辺境のボルツァーノに続いてなんとローマのスペイン広場のすぐ近くで マクドナルドがイタリア第2号店をオープンさせた時の マンマたちのパスタのデモのエピソード!!

ANAの機内誌「翼の王国」での連載「未完成のワイン」のひとつがGambero Rossoの3年前のtre bicchieriに選ばれた程人気だったそうです

日本でも知られているバーニャ・カウダ(bagna cauda)について ピエモンテ方言のcaudaはcalda つまりbagno caldo(温かく浸す)という意味で ピエモンテ州の郷土料理で実はにんにく臭い!!
そしてこれを食べたことのないイタリア人は実は多い このエピソードは午後の文化講座でも翌日のレッスン「文化としての料理」でも紹介されました(*^^*)


2003年のスローフード・ジャパン設立のいきさつ イタリアの小学校の誕生会に手作りのケーキを持参するのを禁じる法律ができて 子供たちはマックのイメージとともに誕生会を思い出すようになった話...

また スローフードのこのカタツムリ(chiocciola)のロゴについて ピエモンテではカタツムリは食べるらしく 日本には輸入できないそうです  chiocciolareという造語もあるそうです(笑)
スローフード」は実はイタリア人は「ローフード」と発音するんだとのこと(笑) ←そういえばそうだけど 日本語でスローフードなので今まで気づきませんでした~(ーー;)

     *      *      *

1989年にパリで行われた国際スローフード協会設立大会での「スローフード憲章」(manifesto dello Slow Food)が発表され 国際運動となったこのムーブメントの貴重な原稿をこの日皆で読みました 忘れられない貴重な体験です 
 
この「スローフード憲章」は実に高らかにスローフードの理念を謳いあげており 私はざっと一読して 自分の単語力のなさに恥じ入りましたが 実は普段あまり使わない調子の強いイタリア語を使っているのだそうです

ファースト・フード ファースト・ライフの世界的な熱狂に対抗して とか 食卓から(a tavola)まずはスローフードを始めよう とか  生産性の名のもとに「ファースト・ライフ」が私たちの生活を変え、環境や風景を脅かす とか 難解ですが印象的な表現に満ちた憲章を 初めて文法事項も含めて深く解説していただきながらイタリア語で読むことができた とても貴重な体験でした


次にスローフードの単語リストについて一つひとつ丁寧にご説明いただき 食科学大学(Universit  delle Scienze Gastronomiche/2004~)の紹介 そしてワインバンク/Banca del Vino スローガンである「buono, pulito, giusto(おいしい、きれい、ただしい)」のgiustoの意味について 運動が始まった時には考えていなかったが 次第に生産者の適正な労働評価について考えるようになったこと またイタリアでは刑務所の中でコーヒー豆を作っている話 これは他で聞いたスローフードのセミナーでも聞いたことがあります

ともかく すごい熱気にあふれた2時間の講座でした!! 8年前に当サークルでも「スローフードのお話を聞く会」を開催させていただき また2009年には「スローフードの奇跡」の日本発行プレゼンテーション そして今年4月には「イタリアのカリスマたち」の上映会(イタリア文化会館)でもカルロ・ペトリーニ氏のインタビュー映像を見たのですが それに引き続きこの日は大変貴重なお話を じかに聞くことができました 

そして後日また「スローフードの奇跡」を6年ぶりに読み返しました 「お金は土に返らなくてはならない(経済的持続可能性)」 「消費者は共生産者(消費は生産プロセスの最終地点)」等の言葉に あらためて発見がありました この本の翻訳者から直に貴重なお話が聞けたことに心より感謝します


    *      *      *


この本の日本発行プレゼンテーション「スローフードの奇跡 テッラマードレ上映会(2009.10.22)」の記事は こちら

また カルロ・ペトリーニ/Carlo Petrini(スローフード協会創設者、会長)氏のインタビューが収録された「イタリアのカリスマたち」上映会(2015. 4.3/イタリア文化会館)のリポートは こちら

夏の文化講座は こちら

というわけで ランチを挟んで午後は引き続き「イタリアよをより深く理解するための、パスタを中心とした食文化」で~す(^^)/


* 写真は 渋谷駅南口すぐそばの「野菜ビストロ でるぴっぽ」の京野菜ランチセットのカポナータ
隠れ家的な落ち着けるお店でおススメです♪
 



イタリア語 ブログランキングへ

グルメ ブログランキングへ


にほんブログ村 外国語ブログ イタリア語へにほんブログ村

にほんブログ村 料理ブログ イタリア料理(レシピ)へ
にほんブログ村

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする