日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

ベルトルッチ監督「孤独な天使たち」原作者インタビュー(NHK Euro24)&DVDを見ました

2014年05月20日 | イタリア映画・映画
ベルナルド・ベルトルッチ監督「孤独な天使たち(Io e te)」原作者N.アンニマーティのインタビュー(NHK Euro24)&DVDを見ました


ニッコロ・アンマニーティ原作「Io e te」 この原作者インタビューがNHKの先週の「Euro24」で紹介されていましたね!! (「世界イタリア語週間」関連イベント)

ヴィアレッジョ賞やストレーガ賞を受賞してきた作家アンニマーティ氏のこのインタビューでは なぜ小説の主人公にadolescenti(青少年)を選ぶのかと聞かれて まるでサナギが蝶に変身するのに匹敵する大いなる変身を数年間に遂げる「思春期」の人物が時に驚くべき行動に出るため物語の主人公にぴったりだと そのため adolescentiを主人公に選んだとのことでした

また 作家自身小さい頃にあった小さな地下倉庫からこの発想が生まれたこと (私の実家にもありました...小さな離れでしたが) 携帯もネットもなかった時代に そこには完全なる孤独な空間が生まれたこと その衝撃的な自由な感覚は忘れられないこと

そして「孤独が創作の引き金となる」「濃密な人間関係の中からは創作は生まれない」との言葉に自分自身を振り返ってみました 「孤独を感じることは人生で必要なこと」というメッセージ...

NHKのEuro24では 後半部分で貴重な文化人のインタビューもありますね!
それと毎週流れるスキットでは 知人(AliceさんやAndrea先生他)が出演しているのが実はとっても嬉しく 今通っている渋谷外語学院(日伊学院併設)の生徒さん出身の出演者がいると聞き (ウェイターのAntonio役の青年です!なかなかいいですね~) 毎週楽しみに見ています(*^^*)


さて次は映画『孤独な天使たち(Io e te)』の感想です:


原作「Io e te」を「読んでたちまち恋に落ちた」という巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督デビュー50周年を飾るメモリアルな青春映画「孤独な天使たち」のDVDを見ました:


ラストエンペラー」「1900」等で世界的巨匠となったベルナルド・ベルトルッチ監督が重い病で引退を考えるも、この原作と出会い迷うことなく映画化を決意したという作品。主演の異母兄弟たちは新鋭俳優たちをオーディションで選んだといいます


14才の孤独を愛する少年ロレンツォ(ヤコポ・オルモ・アンティノーリ)は 母親に黙ってla settimana bianca(学校のスキーツアー)に行くと嘘をつきアパートの地下室に1週間こもってしまう ところが2日目に年上の異母兄弟オリヴィアがころがり込み事態は急転直下…

このオリヴィアのコケティッシュな魅力に魅了されました 14才といえば多感な中学生 いちいち心配して電話してくる母親に居留守を使うロレンツォの携帯電話を取り上げ まんまと母親の電話番号を登録し ロレンツォをおどす異母兄弟 すでに大人で職業経験も積みアブナイ世界に足を踏み入れており…はらはらさせ通し
父親を奪ったロレンツォの母を憎んでもいる そんな二人が狭い地下室で2週間も潜んでいられるのだろうか…見ていてはらはらしました

案の定「友人」が転がり込んできたり オリヴィアが危険な状態になりかかってうろたえたり... 異母兄弟の家族のことをドイツ語では「パッチワークファミリー」イタリア語では「famiglia distesa」(広がった家族)というのですが オリヴィアとロレンツォの母親はうまくいっておらず憎しみあっているようです 

黒い毛皮を纏ったオリヴィアは白い肌がくっきりと現われ 話し方も立ち居振る舞いも大人びていて 心に傷を負ったまま助けを待っているかのよう
そんな彼女との「1週間」を終えたロレンツォは どんな青年に成長しているのか… 中学生は大人と子どもの中間で 一番多感で扱いづらい時代だと思う
そんな彼が姉と交わした誓い 逃避せずに現実と向き合い地下室から出て 現実の中でちゃんとやっていくようにとの姉のアドバイス 
それは落ちるところまで落ちかけたぎりぎりの彼女なればこその弟への思いだったのだろうかと思います 

でも兄弟って同性だとライバル意識が大きいみたいだけど 異性の兄弟ってやっぱり少し違うみたいですね( *´艸`) ロレンツォもまだまだ未熟な子供だなぁ そして姉オリヴィアはちゃんと立ち直って生きてゆけるのかなぁと思って見ていました 

ベルトルッチ監督が車椅子の現実を受け入れて作ったという作品で 30年ぶりに母国語イタリア語で撮ったという作品です

映画は こちら


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