今日からテキストの内容の解説に入って行く。
まず「序」について。
ほとんどの本には「序」がついている。
それはその本の意図と目的と趣旨と概略と論述の順序を論じたものである。
このテキストの「序」もそうである。
それゆえ、学生諸君はまずこの「序」をよく読まなければならない。
そのとき注意すべき事柄を箇条書きしておこう。
1. 「心」という漢字を「いのち」と読む姿勢。
2. 心と生命が非常に深く関係しているということ。
3. 哲学と医学の接点を、以上の点を顧慮して求める姿勢。
4. 臨床哲学は実存哲学と関係が深いということ。
5. 医学の中では特に精神医学と心身医学に焦点があてられる、ということ。
6. 自殺について深く考察するのが心の臨床哲学の重要な課題である、ということ。(→ここでかつて流行した『完全自殺マニュアル』が阿保の作品として馬鹿にされていることに注意!)
7. 自殺した作家の病跡が重視されるということ。
8. 闘病記の内容が重視されるということ。
9. 医者自身が病気、特に死病になったときのことを深く考察する姿勢。
以上のことに注意して本文を読むことが要求される。
論述は順序正しくなされており、踏み外すことはない。
とにかく、心は単なる「こころ」ではなくて「いのち」である、ということを念頭に置いて読む必要がある。
心と身体、精神と物質の二元論に逃げてはならない。
心身統合的な生命観をもって心=いのちの本質を臨床哲学的に深く考えなければならないのである。
なお、毎回記事の末尾に登場する「猫」の画像を注視し、あらゆる生物種の根底に流れる生命の大河に気づいてほしい。
気づいてほしいにゃ、にゃ、にゃ、にゃ
僕はこの序を踏み台として本文の内容に飛び込むにゃ